須賀敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者がイタリアに留学し、ミラノの小さな書店に集う人々と交流した若き日々をたどるエッセイ。
当時はまだ日本人女性が珍しかったせいか、さまざまな人に紹介されたり、招待を受けたり。
何かをスルドク分析するとか考察するとかではなく、とても素直な目で、書店の仲間たちの姿が、丁寧に淡々とつづられているのが心地良い。
その昔、学生時代に冷やかしによく立ち寄った、見たことのない雑誌や単行本、自費出版本ばかりの書店を思い出した。
最近、店内でくつろいでお茶を飲めるとか、読書会を開くとか、店主の個性を反映したユニークな書店がちらほら。
いつかそんな書店で時を過ごした誰かが、こんなエッセイを書くかもしれない。 -
Posted by ブクログ
なぜ読むのか、と言われてもそもそもなかなか手が伸びにくいものではある。あまりにも膨大で変なところに手をつければ崩れて埋もれてしまうんじゃないかと腰が引けてしまう。
そんなことはカルヴィーノも分かっている、ただ古典のほうから呼びかけ続けるものだから手をとるより仕方がない。ここで紹介される様々な古典はしたがって、書物のそれぞれの気候と眺望から描かれる。
彼の「見えない都市」と同じような手触りで、読めるようで読めないが、非常に楽しませてくれる。ぐいぐい手を引っ張りながらそれぞれの書物を訪問させてくれる。
訳者あとがきで述べられてるようにごつごつとわかりにくいところも多いけれども、また、古典の入 -
Posted by ブクログ
神楽坂のかもめブックスで購入。初めての須賀敦子。
「ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょに舐めなければだめなのよ」
ではじまる冒頭の節は、これからも何度か読み返す文章なんだろうなあと思う。
他のエッセイがどうなのかは分からないけれど、この本に関しては荒川洋治を彷彿させる。次々と本を読みたくなる。読んでない本に関する書評なのに、説教臭くもなく、次々読んでみたいと思わされる。書物へ向かう好奇心が尽きない人が書く文章だからこそ、読み手も影響されるんだろう。
そして、書評としてだけではなくて、エッセイとして面白いということ。そこが大事なポイント。
次は「コルシア書店の