須賀敦子のレビュー一覧

  • ヴェネツィアの宿
    慌ただしい日々の中で、自分を整えるために
    読むような本です。
    しっとしとしたヨーロッパを感じられます。
  • 霧のむこうに住みたい
    霧の流れる向こうに石作りの家
    ぽつんと残されて立っていると誰かが迎えにくるかもしれない
    ーこういう文章が書けるといいなぁ
  • 霧のむこうに住みたい
    各作品の土地の風景、空気、登場する人たちの人柄を肌で感じることができ、読み終わった後は、充実した旅だったなあという感覚になった。
  • 塩一トンの読書
    このタイトルはどういう意味だろうと興味を持って手にとってみた。
    なるほど、塩一トンをなめるのにはとても長い時間がかかるけれど、それくらい本と向き合うということか(本来は人との付き合いに対して著者の義母が言った言葉だったらしい)。
    前の須賀敦子作品へのレビューでも書いた気がするけど、なぜだか私は須賀敦...続きを読む
  • 本に読まれて
    著者の本好き・読書好きが伝わる一冊。
    半ばエッセイのような書評は「この本のここがとてもいい!」「この本に出会えてよかった!」という感動・感嘆を隠すこと無く、本物の教養や知性に裏打ちされた文章で綴られている。その本の不満足な点も述べていることもよい。ネタバレにならず、読者の読書欲を煽り、文章自体が読...続きを読む
  • コルシア書店の仲間たち
    初めて読むタイプのエッセイだった。
    エッセイっていうジャンルにくくっていいのかな?
    1950年代から1970年代にかけてのイタリアが、ミラノや友人たちが、あまりにも日本の…いまの自分とかけ離れていて、フィクションを読んでいるような気持ちだった。
    でも、フィクションでは書ききれない、友人たちの気質、思...続きを読む
  • 塩一トンの読書
    須賀さんの文章を読むと背筋が伸びる。そして読書は、本が好きな人たちだけの趣味ではなく、人間が豊かに生きていくのに欠かせないものであるということに気づく。

    ” 人が生きるのは、答をみつけるためでもないし、だれかと、なにかと、競争するためなどでは、けっしてありえない。ひたすらそれぞれが信じる方向にむけ...続きを読む
  • 霧のむこうに住みたい
    (一万円選書)多分、選書していただかなかったら出会わなかった作家さんだと思います。
    静寂感が漂い、どこか厳かで儚げな雰囲気を感じました。著者はイタリアで29歳から13年間過ごしたそうです。私にとっては全く馴染みのない国なのですが、空気の流れや香り、音、肌への感覚などが不思議と伝わっていきます。
  • 霧のむこうに住みたい
    ある土曜日、娘に"朝活しよう"と、出かけたカフェで読んだのが、『霧のむこうに住みたい』。

    エッセイが苦手なわたしですが、出だしから心地よい! ちょっと何⁈ 面白い! と、感動。

    実は、わたしの朝活の目的は、ピスタチオジェラートをサンドしたクロワッサンと温かいカフェラテ‼︎
    歳のせいか、食い気のせ...続きを読む
  • コルシア書店の仲間たち
    「…
    広場に憩う。星の
    かわりに
    夜ごと、ことばに灯がともる。

    人生ほど、
    生きる疲れを癒してくれるものは、ない。」

    巻頭の詩。(ウンベルト・サパ 須賀敦子訳 後半)

    読み終わってこの詩をしみじみ味わうと、このエッセイを要約しているのだという思いと共に、文学に浸ることはどういうことか、の答えが...続きを読む
  • ヴェネツィアの宿
    いつの時代も知らないところや新天地に行くのは、震えるような勇気がいるものだ。

    米女子来季出場権トップ合格の宮里藍ちゃんだって、「おとうさんの困難に立ち向かっていく後姿を見て」と、とてもえらかったけれど、前向きの勇気がどれだけ必要だったことかを思う。

    このエッセイも当時(1950~60年代)として...続きを読む
  • コルシア書店の仲間たち
    戦後間もないイタリアでの結婚生活。 
    今でも留学や国際結婚も想像つかないけど、70年前のこのお嬢様の行動力すごいな。
    人生の節目に出会った仲間たち。
    そして晩年。
    大学時代や就職した頃の、今では消息も分からない仲間たち、元気かなと思うと泣けてきた。
  • 本に読まれて
    須賀敦子のスクリーニングを経た書物であれば、ぜひとも読んでみたいという本があるわけで、さっそく2冊の本を注文した。著者が無類の本好きであったということがしみじみと伝わってくる。
  • コルシア書店の仲間たち
    著者がイタリアで暮らし、そこで交流したコルシア・デイ・セルヴィ書店に集った仲間たちについて一人ずつ書いている本。
    仲間たち、と言うけれど、文章の距離感は彼ら自身からは少し離れて、ゆったりと取ってあるように思う。優しいというよりは、ただあるがままに、偏屈さや悪癖もその人の一部としてユーモアを持って観察...続きを読む
  • 霧のむこうに住みたい
    美しく、みずみずしいエッセイです。
    須賀さんの生活を、近くで覗き見しているかのように、光や湿度を感じる作品です。
  • 霧のむこうに住みたい
    落ち着いた文章が読みたくなると戻ってくる須賀敦子。
    1990年に『ミラノ霧の風景』を出版し、1998年に亡くなっているので、生前に出版されたものは5冊と実はとても少ない。
    1998年から99年には5冊が出版されているが、追悼のタイミングにあわせるために雑誌などに掲載された文章を集めてバタバタと出...続きを読む
  • 霧のむこうに住みたい
    イタリアの暮らしや旅行した先の風景、夫や友達との思い出が綴られているエッセイ。須賀敦子さんの本は初めて読んだんだけど、なんというかホスピタリティのあふれる感じの文章で心地よかった。愛が通奏低音のように流れている、と思う。様々な描写も、風景がさあっと浮かんでくるように自然で豊か。何気ない文章に深い観察...続きを読む
  • ヴェネツィアの宿
    初めて読んだ須賀敦子。
    著者の幼少期〜成人して留学、結婚した頃の、とりとめない回想と追憶が、上質な映画のように綴られていく。
    にしても、この方、とんでもないお嬢さんであることが読み進めると分かってくる。
    終戦から10年経たずにフランスへ私費留学というのもビックリだが、お父様が戦前にアメリカ、ヨーロッ...続きを読む
  • 霧のむこうに住みたい
    なんとなくこの本は晴れ渡った日よりも、雨の日に読みたくなるな、と思っていたら、最後の解説で江國香織の文章を読んで納得でした。

    須賀敦子さんを存じ上げなかったので、この本で初めて知ることになりましたが、イタリアに惹かれて過ごした日々が静かに美しく語られていて、心が落ち着きました。
  • コルシア書店の仲間たち
    階級も信条も異なる人々が集う書店。

    生きてゆくことは出会いと別れの繰り返しであること。

    読み終わった後、少しの切なさと
    静かで温かな喜びに包まれる感覚がしました。