須賀敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アン・モロー・リンドバーグの『海からの贈り物』は、名著として名高い。試しに、ある程度本を読んでいそうな女性何人かに訊ねると、「読みました」とか「勿論読みましたよ」と返ってきた。中には「私の一番の愛読書です」と答えたひともいた。単なる随筆の域を超えて女性の生き方の指針たり得る一冊であるらしい(「らしい」というのは、私自身は男で『海からの贈り物』もよく読んではいないからだ)。
そのアンも、多くの場合姓名ではなくてリンドバーグ夫人と呼ばれてしまう。実際、新潮文庫版の著者名でさえ「夫人」となっている。まるで、歴史的な冒険旅行家であるチャールズ・リンドバーグの配偶者であるということが、この女性の最 -
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須賀さんの本を読むのは初めてではないけどすごく久しぶり。
本に対する思いや本をめぐる出来事について書かれたエッセー集。
この方の感受性に触れることで誰もが優しい気持ちになれるんじゃないかと思います。
全部楽しく読めたんですが、その中に「人間のしるし」という本に関するエピソードがありました。
(私その本知ってる?多分読んだことある?)と思ったものの、借りたのか買ったのか詳しくどんな話だったとかは思い出せません。(後から探してみましたが家にも見当たりませんでした。)
もやもやしつつ読み進んでいたら須賀さんがその本の中の一文を引用してました。
それを読んだ瞬間、鳥肌!
私もその部分抜粋してノートに書 -
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須賀敦子の存在を知ったのは、20年ほど前か。
イタリアものが好きで、須賀敦子の周りをウロウロしているなかで、訳書はいくつか読んだし、著作もつんどくには数冊入っていたのに、きちんと読めていないまま時間だけが経ってしまった。
ついに正面から読んだのが本書。
ものすごく、良い!!!
毎日暗いニュースで吐きそうな日々のなかで、須賀敦子を読む時間だけ、清らかな気持を取り戻せた。
彼女はおもに、昔の話をしている。
寂しい記憶のなかで、きれいなもの、優しかったもの、消えてしまったもの。
そんな、人生のひだがたくさん織られていて、私がいまこの年齢で読めたからこそ、響いたのかもしれないなと思った。
ヨーロ -
Posted by ブクログ
六十年代のミラノ、サン・カルロ教会の中の小さな書店。
1950年代の半ばに大学を卒業し、イタリアへ留学した著者は、詩人のタヴィデ・マリア・トゥロルド司祭を中心にしたミラノのコルシア・ディ・セルヴィ書店の仲間として迎え入れられる。理想の共同体を夢みる三十代の友人たち、かいま見た貴族の世界、ユダヤ系一家の物語、友達の恋の落ちつき先など書店の人々をめぐる情景を流麗に描いたエッセイ。
入口のそばの椅子 ツィア・テレーサ
銀の夜
街
夜の会話
大通りの夢芝居
家族
小さい妹
女ともだち
オリーヴ林のなかの家
不運
ふつうの重荷
タヴィデに ──── あとがきにかえて