肝が冷える作品集。
これ、花とゆめなんだね・・・。
望月花梨だなあ、という。一筋縄ではいかない話たち。
わりと勝手なひとたちがでてくる。
勝手なんだけど、みんな必死。
必死だから身勝手なのか。
『呼吸』
キレるとかキレないとか、そんな簡単なことじゃなくて、「キレる」までの過程や齟齬があって、それ
...続きを読むでもそれに立ち向かえずに怒りと孤独に溺れてしまう「犯してしまったひとたち」。
それを決して肯定することなく、でも、解こうとする。そんな試み。
でも、個人的には『呼吸』よりも『犬と夏服』のほうが怖かった。
ああいう、じぶんでも良くわからない突発的な執着欲というか支配欲のようなものは怖い。怖くて、ゾクゾクする。
『鍵』は、ふたりの今後を読んでみたいと思わせる一作。『ノドアメイカガ』のあと。