館野とお子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ初読みの作家さんです。
攻の一人称語りとか、序盤の独特な比喩表現に、出だし苦手意識を持ったのだけど、読んでるうちに慣れてきて、『明るくさっぱりしたところは、人の気持ちをあまり気にかけない冷淡さと表裏一体』とか『それは子供の無邪気さが残酷なのと似ている』とか、結構いいこと言うなぁ~と思ってみたりして。
三年も一緒に暮らした彼女とケンカ別れして家を飛び出し、切羽詰まって友達とルームシェアしている妹の元を訪れた大学院生の昴星。
困り果てた昴星を出迎えたのは、妹たちに留守番を委された、妹のシェアメイトの弟:万象だった。
ひょんなことから、性格も見た目も正反対なふたりの奇妙な同居生活が始まる。
女の子に -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ…剣道部の百瀬は、先輩・皆川に憧れていた。
皆川の友人、池田はそんな百瀬に"気持ちを知っている"と、皆川と付き合っている事実を見せ付ける。
一方、皆川の同級・藤吉は、皆川と池田のキスを偶然目撃して以来、親友の山下に何故か動揺してしまう。
剣道部の顧問、泉先生には気になる生徒がいて…。
百瀬⇔皆川を起点に、かわるがわる登場する連立方程式の恋模様。
同じ学校を舞台に、3CPの物語が楽しめる今作。
メインのお話は、いけすかない先輩・池田×剣道部先輩の皆川で、
皆川を意識するようになる後輩・百瀬視点で物語はすすみます。
仲の良い先輩・後輩関係だった皆川と百瀬ですが、池田 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ…1人暮らしをするためバイトを探していた持田は、同じ大学の塚原の家に同居し彼を見張るというバイトをすることに。しかし塚原は頻繁に男を連れ込むホモだった!
始めは戸惑っていた持田だが、一緒に暮らすうち徐々に塚原のことを理解し友達として受け入れる。
ある夜、塚原の部屋から洩れ聞こえてきた情事とわかる声に反応してしまった持田は…。
悩める純情ラブ。
大学に通うのに2時間かかる…という状況で、なかなか都合の良いバイト先が見当たらない持田君。
見兼ねた友人が紹介してくれたのが、「塚原奥」という男の家に張り込みで居候し、ちゃんと生活しているかを報告する、というもの。
気がすすまない中、会っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ概ねハッピーエンドなのだけど読後ホロリとあま苦い。
どこか自分のありきたりな予想を裏切られるというか、全てまるっとおさまって大団円みたいじゃないというか。だからこそ、この作家さん好きなのだけど。
かっこいい部活の先輩皆川に漠然と憧憬の延長めいた好意を抱いている百瀬。
いつもみつめているからこそ、皆川の秘密に気付いてしまう。
明るくて人懐っこい皆川とは対称的に冷たくてシニカルな池田。
池田が仕掛けた半ば嫌がらせ的なふたりのエッチを目の当たりにして衝撃を受けながらも、皆川に寄り添おうとする百瀬。
皆川は池田の突き放しにすぐ泣いちゃうようなヤワなタイプじゃないけれど、それでも、このふたり、ホントにう -
Posted by ブクログ
ネタバレ聴覚障害を持つ受と、将来有望なバレーボール選手の攻のお話です。
聞こえない世界と、聞こえる世界の人間の間にはどうしようもない
壁があり、それをきれい事で済まさないこの作品に感嘆します。
ぜんぜんご都合主義ではなく、奇跡なんておこることもなく、
淡々と、本当に淡々と日常が進んでゆくという展開は正直地味。
地味なんですが、これほど心に響くものもないと思いました。
小学生の時、同級生にイルカの声みたいだといじめられてから、
一切声を出さなくなってしまった受けの幸が、拒んで拒んで拒んだ
末に攻めの名前、くにひこ、と発声した瞬間は、なんだかどうしようも
なく胸が詰まりました…。