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「名訳」を超えた完全現代語訳。林望源氏物語・全54帖――その第34帖。源氏39歳から41歳。源氏の兄朱雀帝は病のため出家を望む。女三の宮の降嫁を託された源氏は、断わり切れず受け入れる。新年、源氏四十の賀の宴が催され、2月、女三の宮が六条院に輿入れし、紫上は思い悩む。柏木は、女三の宮を垣間見て……。
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Posted by ブクログ
若菜上下が収録された本巻は、私の中ではメインディッシュ。すっごく楽しみにしていました。 若菜下で、女三宮の不貞が発覚したときの源氏の胸の内が永遠綴られているのですが、 「正妻としてこの上ない処遇をして差し上げてだ、1番大切な紫上よりもずっと丁寧に慈しみ恐れ多いと思いつつ世話をしている、その私を...続きを読むさしおいて」 「柏木、あれしきの男に三宮が心を分け与えなくてはならない理由など、自分自身、どう考えても思いつかぬが」 「(女三宮は)こんなことだから、いかに尊い身分の生まれだとしても、おつむのめぐりも良くないし」 などなど、オレ様キャラ全開で言いたい事を言いまくり。。 しまいには、夫を裏切るような心疾しい方面のことはつくづく嫌なものだと思い知り、朧月夜の君を軽い女と煙たがる始末。。 自分のことは棚に上げて、よくまあそこまで・・・ そのくせ朧月夜が出家したと聞けば色めいた心が湧きあがったりして、ホントいやらしい男です。 また、たまたま私の源氏の師匠であるお友達に若菜を読み終えたと話したところ、興味深いお話をしてくれました。 若菜上で、明石の君がだんだん増長した発言をするようになり、それを源氏がピシャリと釘を刺している=源氏がそうまでしないといけないくらい紫の立場が危うくなっているんだそうです。 そう言われて読み返すと、紫の苦悩が何度も描かれる一方で明石の君の、前にはなかった調子に乗った発言が目につくのです・・・ うーん。読みが深い。 帝であり父である桐壷の妻である藤壷を犯した源氏は、兄である朱雀帝の皇女三宮を政敵の息子に寝取られ、紫上はかつての恋人六条御息所にとり憑かれ、源氏が、これでもかと思うほどの因果応報に悩まされる様はとにかく圧巻でした。
今までいろんな源氏物語を読もうとして挫折しましたが、初めて若菜まで読めました。源氏のいくつになっても俺様ぶりと、紫の上はじめ女君の苦悩や生き様が生き生きとして面白い。次の巻が楽しみです。
「若菜」 源氏39~47歳 源氏も不惑を迎え、大人としての振る舞いであったり、自分の地位・立場に応じた所作をしていく。 若菜は、三の宮を迎えるところから始まるが、紫上との間で源氏が悩む姿が印象的。 さらにそれが深刻化していく後半は少し重くもあるが、何とかそれを打開しようと懸命に頑張る源氏の姿がとて...続きを読むも良い。 (20代の浮ついた頃とは大違い!) 池澤夏樹個人編集の『日本文学全集 全30巻』の中でこの源氏物語は角田光代が訳を担当する。 (2017年~2018年にかけて源氏物語を上中下3巻に訳して発売予定) 女性心理の描写に長けた角田光代が三の宮と紫上の心情をどう表現するのかとても楽しみにしている。
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林望
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