新・平家物語(一)

新・平家物語(一)

850円 (税込)

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12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統“源平”の擡頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。『新・平家物語』も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相(すがた)にも力点を置く。――100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著書鏤骨の超大作。

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新・平家物語 のシリーズ作品

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  • 新・平家物語(一)
    850円 (税込)
    12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統“源平”の擡頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。『新・平家物語』も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相(すがた)にも力点を置く。――100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著書鏤骨の超大作。
  • 新・平家物語(二)
    850円 (税込)
    保元の乱前夜、爛れた世の病巣は、意外に深かった。院政という摩訶不思議な機構の上に、閏閥の複雑、堂上家の摂関争いの熾烈、その他もろもろの情勢が絡みあって、一時にウミを噴き出す。――かくて保元の乱は勃発したが、「皇室と皇室が戦い、叔父と甥が戦い、文字どおり骨肉相食(あいは)むの惨を演じた悪夢の一戦」であった。その戦後処理も異常をきわめ、禍根は尾をひいた。
  • 新・平家物語(三)
    850円 (税込)
    平治の乱の実際の戦闘は、わずか半日だった。だが、この半日を境に源平の明暗は大きく分れる。源氏一門の棟梁義朝は、都を落ちてゆく途中で非業の最期を遂げ、その子義平、頼朝は勿論、常盤(ときわ)に抱かれた乳のみ児の牛若まで、業苦の十字架を背負って生きる。一方、宿敵の源氏を軍馬で蹂躙(じゅうりん)した清盛は、もはや公卿の頤使(いし)には甘んじていなかった。平家全盛の鐘は、高らかに鳴りはじめている――。
  • 新・平家物語(四)
    850円 (税込)
    平治の乱以後、平家は目覚しい興隆期に突入した。一門の総帥清盛は、またたく間に位人臣をきわめ、平相国(へいしょうこく)と呼ばれる。一族の栄達はいうまでもない。その矢先に起った“車あらそい”の事件。娘徳子の入内(じゅだい)、厳島の造営など、彼の見果てぬ夢はつづくが、先の嵐に吹き堕ちた源氏の胚子(たね)も、無視できない大きさに。――爛熟と発芽と。相容(あいい)れぬ2つの世界があり、明日を待っている。
  • 新・平家物語(五)
    850円 (税込)
    もし頼朝が伊豆以外に配流となっていたとしたら、後の日本の歴史も違ったものになっていたに違いない。まことに奇(く)しき伊豆、そして火の国の女・政子との出会いであった。さすがの佐殿(すけどの)も、政子の情熱に寄り切られたのである。ここに最大の被害者は、政子の父・北条時政であった。――一方、都に目を移せば、反平家の気運は次第に強まり、洛中洛外、不穏な兵馬の動きにあわただしい。
  • 新・平家物語(六)
    850円 (税込)
    鹿ヶ谷事件は“驕(おご)る平家”への警鐘であったが、清盛にはどれ程の自覚があったろうか。高倉天皇の中宮(ちゅうぐう)徳子は、玉のような御子を産み、一門をあげて余慶にひたっていた。――だが、反平家の動きは、いまや野火の如く六波羅の屋形を包んでいた。その総帥はもちろん、清盛の圧力に屈せぬ後白河法皇、関白基房などの院方。そして意外と思われる人に、76歳の源三位頼政がいた。
  • 新・平家物語(七)
    850円 (税込)
    源三位頼政は、殲滅された源氏一族にあって、異例といえるくらい、清盛の殊遇をうけた人であった。その彼が、なにゆえ76歳の高齢もかえりみず、平家打倒に起ちあがったのか。そして戦いは断橋の悲痛な叫びを残して終ったが、これを境に反平家の勢力は、燎原の火の如く各地に蹶起する。――伊豆での旗拳げに1度は失敗した頼朝も、鎌倉に本拠を定めて、都を窺う。
  • 新・平家物語(八)
    850円 (税込)
    打倒平家の旗のもとに鎌倉を進発した源氏軍と意気あがらぬまま東下した維盛(これもり)の頼朝征討軍。両軍は富士川をはさんで対峙する。“水鳥の羽音”で敗走した平家には、著者一流の解釈がある。――黄瀬川の陣で、末弟義経と初の対面をした頼朝。いよいよ活気づく源氏勢に手を焼く平家は、腹背に敵を受けた。木曽義仲の蜂起は平家一門の夢を劈(つんざ)き、北陸路もまた修羅の天地であった。
  • 新・平家物語(九)
    850円 (税込)
    源平それぞれに明日の運命を賭けた寿永2年。――ひとくちに源氏といっても、頼朝は義仲を敵視しているから、三つ巴の抗争というべきであろう。最初の勝機は義仲がつかんだ。史上名高い火牛の計で、4万の平家を走らせた倶利伽羅(くりから)峠。勝ちに乗じた義仲は、一気に都駈けあがる。京洛の巷(ちまた)は阿鼻叫喚。平家は都落ちという最悪の事態を迎えるが、一門の心は決して1つではない。
  • 新・平家物語(十)
    850円 (税込)
    平家追討の院宣ならびに朝日将軍の称号を賜わり、生涯最良の日々を味わう義仲。だが、彼の得意満面の笑みも次第に歪みはじめる。牛車の乗りかたひとつ知らない田舎そだちだから、殿上づきあいは苦手だ。相手は老獪な後白河法皇。義仲の凋落は水島合戦から始まった。反撃の平家、背後から襲いかかる鎌倉勢、加えて院方――と義仲は四面楚歌。さすがの一世の風雲児も、流星の如く消えてゆく。
  • 新・平家物語(十一)
    850円 (税込)
    源氏の内輪もめが幸いして、都落ちした平家は急速に勢力を挽回していた。西海は一門の軍事力の温床、瀬戸内には平家の兵船が波を蹴たてて往きかい、着々と反攻の秋(とき)を窺っていた。わけて一ノ谷は天険の要害、平家自慢の陣地だった。加えて兵力では、平家は源氏の何倍も優位にある。しかし、地勢と時と心理とは、まったく平家に不利だった。義経軍の坂上からの不意打ちに算を乱して敗走する。
  • 新・平家物語(十二)
    850円 (税込)
    一ノ谷の合戦から屋島の合戦までには、1年の月日が流れている。さきの合戦に大功をたてながら、なんら叙勲の沙汰もうけぬ義経。そしていったん任官後は、鎌倉に断りもなく、と不興を買い、平家追討使の大役も範頼に奪われた義経。鎌倉どの差向けの花嫁も、彼の心を暗くする。だが、源氏は義経をまだ必要としていた。――西国攻めの範頼軍は備前児島に立往生し、平家軍が猛威をふるう。
  • 新・平家物語(十三)
    850円 (税込)
    日本のなかば以上を所領した平家が、いま寸土も失って、水鳥の如く波間に漂う。思えば、入道清盛逝きて、わずか4年後の悲運である。最後の夢を彦島のとりでに託して、一門の船団は西へ西へと向う。史上名高い那須余一の扇の的、義経の弓流しなど、源氏がわの武勇をたたえる挿話のみが多い屋島の合戦――。著者は眼を転じて、追われる平家の厳島(いつくしま)祈願に込められた、惻々たる心情に迫る。
  • 新・平家物語(十四)
    850円 (税込)
    平家には、もう明日はなかった。さかまく渦潮におのれの影を見るごとく、壇ノ浦に一門の危機感がみなぎる。寿永4年3月24日の朝、敵味方のどよめきのうちに戦は始まった。単なる海戦ではない。海峡独特の潮相と風位の戦である。潮をあやつり、波に乗るもの、義経か知盛か――。その夜の星影も見ず、平家は波騒(なみさい)に消えた。波の底にも都の候う、との耽美的な一語を残して。
  • 新・平家物語(十五)
    850円 (税込)
    義経必死の腰越状も、兄頼朝の勘気を解く手だてにはならなかった。義経斬るべしの声は、鎌倉方の決意となってゆく。そして堀川夜討ちは、両者決裂の烽火であった。頼朝は大軍を率いて黄瀬川に布陣。運命の皮肉と言おうか、あのとき手を取り合った弟を討つための夜営になろうとは!この日から義経は失墜の道を歩む。波荒し大物の浦、白魔に狂う吉野山。悲劇は義経1人にとどまらない……。
  • 新・平家物語(十六)
    850円 (税込)
    平家が西海の藻屑と消えてわずか半年後、武勲第一の義経は、それまで指揮下にあった頼朝の兵に追われる身となった。吉野から多武ノ峰、伊勢、伊賀――息をひそめて主従7人、平家の残党の如く生きる。静(しずか)を見捨ててまでの潜行につぐ潜行。義経はひたすら東北の空に仰ぐ。そこには、頼朝の最も恐れる藤原3代の王国が――。人間の愚、人間の幸福をきわめつづけた吉川文学の総決算、ここに完結。

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新・平家物語(一) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年02月07日

    かの有名な「祇園精舎の鐘の声」から始まる、平清盛を中心とした平家の盛衰を著した本。元々は琵琶法師が弾き語りながら物語る、現代で言う連続ドラマのような立ち位置だっただけあり、令和の時代に読んでも面白い。

    第一巻のテーマは「親子」である。遠藤盛遠から自らの出自を聞かされた清盛。白河法皇・鳥羽上皇の権力...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年05月07日

    いまさらながらの平家物語。そして、いまさらながらの吉川英司。

    文庫16冊という、この大作に手をつけるかどうか、迷うばかりであったが、いまこれに取りかかることに決めた。

    悩むことはなかった。数ページを読んで、たちまちこの作品と出会ったことに感謝の気持ち。この読み手を一瞬に惹きつける力こそが吉川英司...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年09月21日

    先週日曜から大河ドラマ「平清盛」が始まったので並行して読み始めてみた。細部は異なるものの、大河は本書を根本としており、平安末期の良い勉強になるはずだということで。私にとって、吉川英治作品は昨年読破した「三国志」に続き2作品目。氏の作品は文章が非常に格式高い。また、昭和の第二次世界大戦前後に描かれたと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年12月24日

    京都旅行後、読んでおきたいと思って手にとった。

    吉川英治の文章はやっぱり好きだ。
    あっという間に引き込まれた。

    平清盛の印象ががらりと変わった。
    多分これから巻が進むにつれ、変貌していくんだと思うけれど。。。

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    Posted by ブクログ 2009年11月21日

    平安末期頃~鎌倉までの滅びゆく平家、源氏との戦いを描いた全16巻の大作です。

     続きが読みたくてつい夜更かしをしてしまう作品でした。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    戦国時代にならび、伝説・逸話が多く残り、人々に愛されるヒーロー・ヒロインが一気に登場する源平時代。NHKの人形劇もなかなか良かった。言わずと知れた大河ドラマや人形劇の原作、しかしそれ以前に平家物語といえば吉川英冶先生の『新平家』。平安末期〜鎌倉初期は教科書眺めるだけでも濃厚で十分面白い時代だが、平家...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月03日

    大河ドラマとアニメ平家物語を観ながらそういえば平家物語って授業で習った祇園精舎の鐘の…以外よく知らないなぁと思って読み始めました。
    吉川英治の本を読むのは三国志ぶり?水滸伝ぶりか。
    やっぱり面白い!

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    Posted by ブクログ 2022年02月23日

    清盛20代のお話。学友が犯罪者になったり、はたまた、別の友が出家したりするけれど、これって完全に伏線予感。平時忠ってあの名台詞の時忠?こんなきっかけで知り合うのか…と。比叡山の強訴に対抗する漢気のあるエピソードは若々しさがあるれている。それにしても、藤原家、天皇家、平家、源氏そこそこ登場人物すでに多...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月27日

    ちげぐさの巻
    清盛(平太)の20歳頃から30歳くらいまでが描かれる。貧乏武士の長男である平太の父(平忠盛)、母(祇園女御)、学友の遠藤盛遠(のちの文覚)、佐藤義清(のちの西行)らの関係の中で成長し、頭角をあらわし始めるまでの序章である。
    それまでの貴族の時代に武士が台頭した理由は、院政による宮廷勢力...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年08月09日

    以前、途中まで読んで止めてしまったが、山岡荘八『徳川家康』の次はこれだろうと思い、再び読み始めた。

    『徳川家康』と違い、最重要人物である平清盛は既に20歳になっている。

    本巻は貧乏時代の平氏から保元の乱の前夜まで。

    山岡荘八と違い、客観的に淡々と書かれているように見えるが、権力を巡る公卿どうし...続きを読む

    0

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