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郊外型の巨大なショッピングモール、世界中同じような映画ばかり上映するシネコン、画一的な住宅街、駅前や国道沿いに並ぶチェーン店……。私たちにこの世界の均一化から逃れるすべがあるのだろうか。世界のどこにもない個性的な町など、おとぎ話に過ぎないのか。グローバル社会の中で、人が幸福に暮らす場とは何かということを問い続け、町のアイデンティティをかけて闘うイタリアの小さな町の人々の挑戦に、その答えを探る。
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Posted by ブクログ
まちをつくる 一言にいってもやはり難しく複雑で。 コムーネから学ぶことは多い。画一的になりつつあるまちも、あるべき姿に戻る日が来ることを祈るだけでなく自発的に動く力を身につけたいと思います。
2023.08 ・若者たちが町にいつくために必要なのは教育や医療以上に、文化的刺激なのだ。そして医療、教育、文化を相互に結びつけていく上で大切なのがボランティア活動なのだ。 ・食というのはただの栄養補給ではない。それは文化であり、環境であり、美意識であり、生命そのものだ。
課題図書。 でも面白かった。フェラガモの話とか、美観の問題とか。日本人は景観に鈍感って話は良く聞くけど、価値観を共有しんと、気付かんままなのかな、と思った。
ある観光地の集客の仕事に携わっているが、ゆるキャラやイベントに走りがちな観光地において、それを否定はしないが、その流れに乗れなかった地域には、この本はヒントとなる事が多い。 成熟・高齢化を迎える日本においても参考になると思った。 14/01/04-2
イタリアの有名観光地ではなく、小さなコムーネがどのように生き残っていこうとしているかについて書かれた本。 均質化され、世界のどこにでもある「郊外」に成り下がらないために、地域がどう取り組んでいるかが紹介されている。郊外については、イタリア人自身の言葉で「ただ眠りに帰るだけの街、働く場もなく、人が集ま...続きを読むる広場や市街地のような中心もない」ものと書かれている。「工業化された食が溢れ、コピー文化が氾濫するグローバル社会の中で、いかにオリジナルな文化が生き残っていけるか」、そのためには小さな町である必要があると言う。大きな町では、「良いバールは潰れ、職人は仕事を失い、個人店はフランチャイジングの大手に、名画座は巨大なシネマ・コンプレックスに変わる。こうして町は顔を失い、どこでもない場所になっていく」。 そうした均質化に抗うには「ないものねだりから、あるもの探しへ」という転換が必要だというのがこの本の主張だ。 グローバル化の波に乗ることが均質化と無価値化を招き、それに抗うことが価値を保持するための手段だとすると、何かパラドックス的なものを感じる。
北欧諸国は福祉や教育が充実していることで有名だが、イタリアってどうなんだろう?とふと目に留まって読んだ本。国民性に触れながら市政について言及してると想像してたら、地方都市のまちづくりについての話だった。 なるほど、確かに日本の郊外はどの地域も似たり寄ったりの街並みで個性も全くない。空き家や歴史あ...続きを読むる建物(修道院など)を民泊に改装し、豊かな自然や地元の名産を使用した料理で地域の魅力を最大限に活かし、雇用の創出も図っている。旅行中までバタバタと忙しくするのはやめよう、の記述に納得。イタリアはもちろん、日本でもスローシティの取組を頑張っているまちに行ってみたい。
イタリアの小さな町それぞれには人を惹きつける力があるようです。自然、街並み、食べもの、住む人々。また、そういった観光の要素だけではなく、農家や職人や個人のお店などを大事にして、住人にもそこに住むことで満足感や肯定感が得られるような仕組みになっている。 世界はどんどん、同じような街や都市ばかりになって...続きを読むいっている。ベッドタウンもそうだし、個人商店を駆逐してしまい景観を壊す、国道沿いなどに作られる巨大な店舗もそうです。土地柄に関係なく、風景をどことも同じ、つまり均質化される大量消費、大量販売の考えによって出来あがる、アメリカ型の街の作られ方。イタリア人は、「それは間違った考えではないか」とし、その街にないものを探して嘆くのではなく、あるものを再発見して、それを長所としてストロングポイントにしていきます。それが、トスカーナのキアンティ地方であり、小さな街でありながらパルマに次ぐ生ハムの名産地であるサン・ダニエーレであり、その他にも魅力的な小さな町であるスローシティが存在する。それは見事な、生き方の美学であるとい同時に、理にかなった生き方でもあるように、過疎の町に住む僕には思えたのですが、本書を読む他の方はどう思うでしょうか。
イタリア人は、賢い。自分のリズムに従う事や、地方の良さを守る事が、自分達を守る事になるのだろう。黒川温泉は、 この例に似ている。不便だが最高。
20140223 効率を追求した世界はどんどん小さくなる。もっと大切なものを守って広い世の中にできないものか?結果は我々が何を大事にするかで決まるのだとおもう。
「世界の均質化と闘うイタリアの小さな町」というサブタイトル。なんだか素敵なイメージがあるイタリアの田舎町だって、自然に素敵になったのではなく、いろいろなものと闘って今を築いてきたのだ、という話。イタリアの子どもだってゲームをやるし、多国籍企業が生ハム市場を席巻しようと進出してきたりもする。イタリア人...続きを読むだって生ハムの作り方なんか知らない人も多いという。スローシティ(という言葉には、ちょっと気持ち悪さを覚える。現地の言葉では、チッタスロー。日本語なら何がいいのかね)のためには、民意の共有と法の制約の両方が必要だけど、民意が成熟していなければ厳しい法は運用できない。あとがきでは、グチから自治へ、といいながらも、著者自身もグチっているが、そこに親近感を覚えたりして。 ともあれ、要約すると、「傾くなら傾き通せ」ということだ。
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スローシティ~世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~
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島村菜津
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