締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~

締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~

ビジネス・実用
990円 (税込)

4pt

だれもが経験したことがある「先延ばし」や「前倒し」を、最新の心理学研究を用いて解明するのが本書の目的である。前倒しが礼賛されがちな“タイパ社会”において、諸悪の根源のように扱われる先延ばしであるが、「考える時間を十分にとれる」「創造性が促進される」などの多くの長所がある。自分の傾向を把握して“ちょうどいいタスクマネジメント”を身につける方法や、「先延ばし派」と「前倒し派」の協働のコツを伝授する。

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 哲学・宗教・心理
  • 出版社
    :
    光文社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    光文社新書
  • タイトル
    :
    締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~
  • タイトルID
    :
    1839876
  • 電子版発売日
    :
    2025年04月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    8MB

閲覧環境

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    Posted by ブクログ

    ■時間管理のマトリクス
     TODOリストの整理用
              重要性高
               ↑
     C領域        │ A領域 
     緊急性低/重要性高 │ 緊急性高/重要性高 
    ───────────┼───────────→緊急性高
     D領域        │ B領域
     緊急性低/重要性低 │ 緊急性高/重要性低
    ■タスクマネジメントは働き方、家事、勉強の進め方など、あらゆる場面で必要とされる。タスクの処理や遂行が計画通りに進まず失敗してしまうこともある。その失敗を生み出す原因の一つが先延ばし。
    ■先延ばしをする理由の大部分を「失敗への恐れ」と「課題の回避」
    の二つが占めている。
    ■先延ばししやすい人の特徴
     パーソナリティ
    ・完璧主義
    ・衝動性
    ・現在志向:明日のことより今日の楽しさ
     心理プロセス
    ・自身の低さ
    ・不安、抑うつ
    ・課題からの回避
    ■「適度な先延ばし」が予想外の発想や新たなアイディアの生産に効果的であることもある。一時的な後回しはタスクマネジメントの一つと言える。
    ■頭の中であれやこれやと様々な処理をしているがゆえに、やっておかなければならない単純なタスクは早めに処理しておこうとして前倒しが生じる。こうした現象は日常生活の一端にも現れる。簡単なタスクであればあるほど、早めにそのタスクを片付けておこうとする。たとえそのことによって別のコストが現れるとしても、それ自体の認知的な負荷を軽減、又は最小限に抑えようと、できるだけそのタスクに早めに取り掛かる。それによって他の活動に注意を向けたり集中したりでき、不測の事態が起こったとしても余裕を持って対処できる。
    ■人は、そのタスクにどれくらいの認知的な負荷が伴うかを判断し、既に大きな認知的負荷がある状況では、より大きな負担やコストを避けようと判断していると言える。
    ■予備的なタスクを頭や心のどこかに留めておくというのは、それ自体が認知的な負担となる。そこで、直感的かつ自動的に認知的な負荷から頭を解放させることによって、後に起きるかもしれないことに頭や心を集中させたり、適切な準備をしたりするというのが前倒しという現象の本質。
    ■最終状態の快適なものにするために、最初に厄介なこと、または不自然な動作を日々の暮らしの中で何気なく行っている。例えば車を駐車するときに後で発信しやすいようバックで入れるほうが多い。
    ■ビッグファイブの五つの基本特性と特徴
    ①外向性
     周りの人や環境からの刺激を求めるなど、積極的で活動的
    ②情緒不安定性
     ストレスに敏感で不安を感じやすい
    ③開放性
     新しいものに興味を持ちやすく想像力が豊か
    ④誠実性
     勤勉で目標の遂行に忠実
    ⑤調和性
     親しみやすく協力的
    ■一見すると余り考えることなくさっさと早めの行動を取っているように見えても、実はじっくり考えているという考察は、前倒しが認知的な負荷を取り除きたいという欲求に基づいていることからも妥当であると主張できる。このように考えると、ビッグファイブによるパーソナリティでは誠実性との関連が挙げられること、そして限定的ではあるが、セルフコントロールが影響を与えているかもしれないという結果も納得できる。
    ■先延ばしは、システム1とシステム2のせめぎ合いの結果生じるとも言える。大脳辺縁系の働きによって目の前の快楽に注意が向くと、そのことばかりに意識が集中してしまい将来のことは後回しになってしまう。
     先延ばしの起こる原因を辿っていくと、人は進化のプロセスを通じて先延ばしをするようになったとも言える。
    ■前倒し派の人はせっかちのように見えても、実はそうではなく、あくまでその後のことを穏やかに進めるために、今を急いでいるのかもしれない。前倒しの人はせっかちなのか、のんびり屋なのかこれら二つが表裏一体となった概念のようにも思える。
    ■先延ばしと前倒しのバランスの取れた仕事運びが大切。
    ■大切なのは、先延ばしでも前倒しでもないバランスの取れた「適時」の決定。
    ■「適時」の決定のためのスピード調整の目安
    ①何に対するどのような議論が必要なのかを、早めに明らかにする(スピード重視)
    ②「慎重に吟味できたか」「機は熟したのか」を確認しながら十分な時間をかけて話し合う(質重視)
    ③議論の末に合意形成をした後は、早期に決断を下し、行動に移す(スピード重視)
    ■「やらされている」と感じることによって内発的な動機が損なわれてしまうことを「アンダーマイニング現象」という。
     3歳から5歳の保育園児を対象に行ったフィールド実験。絵を描くことに内発的な興味を持っていた子供たちをグループに分け、あるグループには絵を描いたらご褒美があることを伝えた。すると、ご褒美があることを知らされたグループの子供達の方が、知らされていなかった子供たちよりも、絵を描くことに対する自発的な興味・関心が有意に低くなっていた。

    1
    2025年09月07日

    Posted by ブクログ

    前倒しが学術的に発見されたのは2014年とのこと。日常を新たな概念としてとらえ直している最中だそう。新しい領域だから、前倒しにまつわる現象や既知のパーソナリティとの関係について、まだ歯切れのいい結論が出ていない印象を受ける。

    先延ばしと前倒しが心理学の研究対象だったとは知らなかった。そして前倒ししがちな人のパーソナリティは未来志向だったり誠実性が高かったりと理想的な人物に見える。一方で、過剰な前倒しはとにかく認知的負荷を軽減したくてやっつけ仕事をしているのかもしれない。また前倒しは、損をしてでも早くやるという行為なので、前倒しをしすぎると常にちょっとずつ損をする。(最適解ではない。)

    自分は先延ばししがちなので、何らかの対策をしないといけない。しっかり者の妻に見張ってもらうのが一番良さそう。

    0
    2026年07月17日

    Posted by ブクログ

    最近は 『タスクは最速で処理する』、『メールはすぐに返信する』とかの仕事術本が多いですが、その流派に一石を投じる本です。
    多くの論文や研究結果などから、『前倒し派』と『先延ばし派』の傾向も書いてあり、大変興味深かったです。
    特にワーキングメモリが大きい人は先延ばし派、小さい人は前倒し派の項目は納得しました。
    動物を使った実験も面白かった!
    自分はどちらかと言えば前倒し派なんだけど(タスクを減らして余裕を持ちたいから)、興味ある仕事や分野は時間かけてでも納得のいく形にするもの大事だなと思った。

    タイトルに関しては、締め切りより早く提出したレポートは、提出者のタスクを早く消化したいがために雑になる傾向が高いからとか

    0
    2026年05月03日

    Posted by ブクログ

    私は前倒し派だった。認知的な負荷を減らしたいからそうしているんだと理解した。ただ、早くこなそうとするあまり、独りよがりになったり、仕事をやり過ぎること確かにあるなあと思った。気づきのある一冊でした。

    0
    2026年05月02日

    Posted by ブクログ

    まだ研究としての道筋は途上というところだろうが、行動選択の「先延ばし/前倒し」の傾向を、「バケツ運び」などの実験などから紐解く過程は思い当たるとこがあって興味深い。
    タイパ・コスパ重視が叫ばれる昨今ではえてして前倒し型の自認も多そうだが、先延ばしの悪癖が取り沙汰されがちなのに比べて自分は人とは違うという感覚と結びついてはいそう。前倒しの弊害を説くビジネス書然としたパートは少し物足りない。

    0
    2026年03月16日

    Posted by ブクログ

    タスクを具体化する

    嫌いなタスクは抽象化する

    セルフコントロールを成功させるには、具体化と抽象化の2つを場面によって使い分ける必要がある。

    76ページ
    ドイツの心理学者ゴルヴィッツァー「実行意図」「if-then形式」
    「もしXという状況に遭遇したら、その時はYという行動を実践する」
    宿題をあと回しにしそうになった時
    「この映画を見たら、1時間宿題に集中する」
    ジムの前にケーキを買いそうになったら
    「もしケーキ屋の前を通りそうになったら、1つ前の信号を渡って、違うルートを通る」

    84ページ
    締め切り直前まで追い込まれないと取り掛かれない
    という人は、与えられているタスクと自らが土壇場に発揮するパフォーマンスの関係がはっきりとイメージ出来ていれば、積極的な先延ばしになる。そうでない場合は単なる先延ばしになる

    86ページ
    イェール大学シン
    参加者の大学生
    企業のための提案書
    画面にはその課題に関係しないYouTube動画が1本、4本、8本の3つの条件に分かれた
    4本の動画のグループが最も創造的だった。
    適度な先延ばしが予想外の発想や新たなアイディアの生産には効果的だった

    94ページ
    好きなものは最後まで取っておく派?
    セルフコントロール

    98ページ
    嫌なことを後回しにすると、必然的にそれについて考える時間が長くなる
    注射がものすごく痛いということをどのタイミングで知りたいか?
    今すぐ(30日前)50%
    直前33%

    106ページ
    人は役に立たない上につまらないタスクを前倒しする

    140ページ
    試験を受ける時 解ける問題から解く。難しい問題は後回し
    逆のメリット
    感情を比較
    不安や焦りは高まる

    154ページ
    考えることを楽しむ人は前倒ししない
    考えることを楽しまない人は前倒ししやすい

    207ページ
    procrastination 先延ばし
    pro 前の方に向かって
    crastinate 明日
    precrastination 前倒し
    pre の前
    私が仕事を追いかける

    0
    2026年03月01日

    Posted by ブクログ

    自分は「人生の大切なこと」は、先延ばし派で、自分の「仕事」に関しては前倒し派の複合型という事がわかった。
    仕事人間でプライベートを蔑ろにしていることを改めて自覚。

    また「〇〇すると効率爆上がり!」だったり、「まるさは鬱になります!」みたいな極端な言葉が飛び交う中で、いろいろ紹介されている研究結果を読んで落ち着いて考え直す事ができる判断材料になりました。

    0
    2025年06月22日

    Posted by ブクログ

    先延ばし=悪、前倒し=善という価値観を相対化する作品。先延ばしと前倒しは対立概念でないこと、先延ばし派の人と前倒し派の人が協働することでパフォーマンスが上がる可能性が示唆される。

    また”課題への取り組み方”という極めて身近な、そして測りにくそうなテーマを如何に実験に落とし込むかということ。心理学の巧妙な実験デザインを知ることができる。

    具体的には、頭を使うタスクをしながら水の入ったバケツをゴールまで運ぶ実験があった。

    0
    2025年04月20日

    Posted by ブクログ

    前倒しがあらゆるタスクで有効なのではなく、敢えて時間をかけて寝かせる方が良い結果を得られる“こともある”という本。
    結局、創造的なタスクなら先延ばしも有効、(生成AIが得意とするような)事務的なタスクなら前倒しが有効、という内容だと理解。

    0
    2026年01月28日

    Posted by ブクログ

    心理学の観点から、論文をもとに先延ばしと前倒しを考察している。

    あくまで考察であり、読みやすい学術書という印象。純粋に書名のテーマが気になる方にはマッチするかもしれない。

    一方、学生や研究などの話で、8割出来でも早めに成果物を出し、やり直しに備えるという今どきの仕事術を前提としていないので、何かしら対応策など、ビジネス書を求める方のニーズとはマッチしないかもしれない。

    0
    2025年09月14日

締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 哲学・宗教・心理
  • 出版社
    :
    光文社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    光文社新書
  • タイトル
    :
    締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか~「先延ばし」と「前倒し」の心理学~
  • タイトルID
    :
    1839876
  • 電子版発売日
    :
    2025年04月16日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    8MB

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