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立憲国家となった日本は,日清戦争,北清事変,日露戦争とほぼ5年ごとに大きな戦争を繰り返し,台湾と朝鮮という2つの植民地を獲得した.帝国議会が開かれた国内では,藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方,国民統合の動きも見られる.「輝かしい明治」像を問い直しながら,「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の20年を描く.
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Posted by ブクログ
断絶した個別の戦争史ではなく、一貫した日本の舵取りの難しさを感じた。良心もあったけど、主流にはならない。主流はプラグマティズムときどき奢りである。朝鮮、清の蹂躙ぶりの原因がつぶさに記述されていないのが残念。しかし、やっと日本の歴史がおぼろげながら浮かび上がってきた。天皇の責任は重かったのだな。 ・...続きを読む天皇史上初の神前結婚式 ・不潔と匂いと優劣と殺戮 ・十九世紀以降のアジアの危機は日本が呼び起こした。 ・国語の誕生
自分の知識の乏しさゆえに、読むのがしんどい本でしたが、得るものは多かったように思います。 とくに、日清戦争後の、日本の文化や社会の変化については、これまで点でしかなかった知識が、自分の頭の中でいろいろとつながったように思います。 それにしても、当時は、帝国主義が世界に幅を利かせていたとはいえ、日本...続きを読むは、戦争をしたくてたまらかったのですね。 とくに日露戦争については、社会状況がもう少し健全であれば避けられたはず(日本は戦わずして、日露関係を有利に進められたはず)、ということを知り、狂った社会の怖さを改めて感じました。 現代社会でも、「国家はまともだ」とは必ずしもいえないと思いますが、当時に比べると、ずっと平穏でまともであるように思います。 ただし、いわゆる会社のような組織には、狂った部分がまだまだ残っているように思っていまして、社会全体の心理的安全性が十分なレベルに達するには、まだまだ時間がかかるように思いました。
このページ数で二つの戦争を詳細に書くのは難しいだろう。 流れを追っただけの感じはする。 しかし5年ごとに戦争をした日本。 まさに激動の時代だった。
日清戦争・日露戦争が、東アジアの勢力図を塗り替え、大日本帝國が「帝国」と化す原因となったことを明らかにしている。近時の植民地支配正統化論とは全く異なった論調に貫かれた、優れて学術的な内容。
[ 内容 ] 立憲国家となった日本は、日清戦争、北清事変、日露戦争とほぼ五年ごとに大きな戦争を繰り返し、台湾と朝鮮という二つの植民地を獲得した。 帝国議会が開かれた国内では、藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方、国民統合の動きも見られる。 「輝かしい明治」像を問い直しながら、「大日本帝国」が姿を現し...続きを読むた世紀転換期の二〇年を描く。 [ 目次 ] 第1章 初期議会 第2章 条約改正 第3章 日清戦争 第4章 台湾征服戦争 第5章 日清戦後と国民統合 第6章 民友社と平民社 第7章 日露戦争と韓国併合 おわりに―「輝かしい明治」論とナショナリズム [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
岩波新書が今順次刊行している「シリーズ日本近現代史」の?です。日清・日露戦争の時期、要するに19世紀の終わりから20世紀の初頭にかけての、日本が西洋に追いつき自他共に認める列強の一国として世界に進出していく時代です。著者はこの時代を「戦後が戦前だった時代」つまり、日清戦争終了後は「戦後」であったが、...続きを読むそれは次にくるロシアとの朝鮮半島および満州を争う「戦前」であった時代という視点から本書を上梓しています。内容は日清戦争の「戦前」であった初期議会から日露戦争の「戦後」処理として韓国を併合するまでの20年強の通史で、細かい内容に深入りせず当該時代の概観が展望でき、日本史が専門外の私は授業するうえで大いに参考にさせていただきました。ですので、専門の方はちょっと物足りないかもしれません。
近現代史シリーズの第三弾。日清・日露戦争を中心に韓国併合までの社会の流れと、それに付随する思想界の流れなどが書かれている。
明治維新が起こってからの内容のため、政治絡みが強くなってしまう。また人物はあまり変わらないのに役職が変わってしまうため、整理するのに時間がかかる気がした。 個人的に政治よりも民衆の生活や感情について記しているものが興味深かった。
「日本の植民地支配は、台湾や韓国などの「遅れた」地域に最新の科学技術や社会制度を届けたのであり、欧米のような極悪な支配とは異なる、という言い訳が20世紀後半以降の日本に広まりつつあるが、とんでもない間違いである。」 「憲法の理念と植民地支配という矛盾を抱えた各国が、その思想的課題を解決するため自ら植...続きを読む民地の独立を認めるという経路を辿った諸外国と異なり、太平洋戦争における敗戦という外圧によって「安易に」植民地問題を解決できてしまった日本は、その歴史的経緯を何度でも思い出さねばならない。」
<目次> はじめに 第1章 初期議会 第2章 条約改正 第3章 日清戦争 第4章 台湾征服戦争 第5章 日清戦後と国民統合 第6章 民友社と平民社 第7章 日露戦争と韓国併合 おわりに <内容> 淡々とした記述が進む。与えられたページ数と書きたいことの狭間で著者が悩んだ感じがする。し...続きを読むかし、リアルなおさえた記述が妙に響いたりする。日頃の授業で単純化された描写しかしてこなかったので、こうした本は役に立つ。
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原田敬一
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