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新憲法の制定,女性参政権,教育の民主化,農地改革,財閥解体など一連の戦後改革は,占領政策によるものとされてきたが,本当にそうなのだろうか.改革の原点は占領政策ではなく,戦前・戦時の社会から継承したものの中にあった.占領開始からサンフランシスコ講和条約調印までの戦後10年を斬新な視点で描きだす.
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Posted by ブクログ
前半は占領行なわれなくても、戦後改革はありえた、とする野心的な論考だったが、後半に勢いがなくなった感がする。GHQは絶えず強権的ではなかったのだな。 ・無条件降伏モデルは、国家として戦争責任取らせなかったことが致命的。 ・改革以前に戦前戦時中に学校運営に父母が多大に関わっていた事実。 ・憲法体制が...続きを読む確立するのは55年 ・天皇とリーダーは戦争責任を取る下地が十分にあった。
総力戦体制と戦後体制を連続したものと捉え、総力戦体制をある意味完成させたのはGHQによる改革であったする、従来の戦中・戦後解釈に一石を投じる内容の研究書。新書ながらも、内容は新鮮であり知的刺激に溢れている。
▼「あいまいな」私たちや「無責任の構造」を作り出してしまった原因の一つは、「神」を創造してしまったことにあるのではないか。 このきっかけは1930年代にまで遡らなければならない(世界情勢という観点からは世界恐慌が勃発した1929年とした方が正確かもしらないが)。 ▼一応の「日本人」が形成された時期は...続きを読む明治時代のことである(戸籍の作成と日本人の策定)。そして、国家をまとめるためにシンボルが必要とされたこともまた、事実である。この理屈からすれば、戦後の「国體(国体)護持」の理念さえ合理性を有し得ることになる。 ▼現行憲法は「押し付け」であるとは言えないが、自らの手で作り出したとも言いきれない。それを理由とすることに、改正自体以上の目的を見出すことは難しいが、日米安保にも関連して、日本の主体性(≒自主・自立)を問うていることには違いがない。しかし、その際行きつくところまで行きつかなければ無益な感情論で終わってしまわないだろうか。 ▼戦後しばらくの間、本人や周辺リーダーたちに責任をとる(≒退位する)意思が存在していたこと、また、それを支持する世論が少なからず存在していたこと。それを抑えたのは米国の反対であり、少なからずそれはスムーズな戦後処理、統治のためであった。現行の憲法を否定することはすなわち戦後の在り方を改めようとすることで、それはつまり、私たちの戦後を再び選びとろうとすることに他ならず、このことは避けては通れない問題であろう。
【『戦後政治史』→政治潮流を俯瞰的に見る】 『戦後政治史』は事実の羅列で、政治の潮流を大局的に見ることができなかったため、いわば歴史のまとめとしてこの本を読んだ。 この本は岩波新書の「日本近現代史」というシリーズの1冊だ。シリーズ全体としては明治期から現代まで続いているが、この本は敗戦~サンフラン...続きを読むシスコ平和条約で講和が結ばれるまでの政治的過程を描いている。 筆者の主張は、日本の政治経済が戦後大きく転換したのは、GHQの占領政策に由る所だけではないということ。つまり、戦時中から政策の違いで党派間の対立があり、その対立が戦後の日本政治を形成しているということだ。 具体的に、筆者は戦時中に4つの大きな潮流があったとしている。 (1)国防国家派→東條を中心とした総力戦体制(実は総力戦体制も戦後経済体制の基盤になった) (2)社会国民主義派→社会党が中心 (3)自由主義派→吉田など自由党、のちの自民党が中心 (4)反動派→戦前の皇道派 戦後、大まかにいえば(3)自由主義と(2)協同主義の対立・協調の中で政治が動いており、冷戦など国際情勢にも影響されながら、戦後政治の大きな潮流を作った。 歴史の授業など戦後直後10年間を見ると、GHQの占領が大きなトピックを占めており、日本の政治家がどう動いたのかという事実面には注意を払っていない。 しかし、総力戦体制の功績や戦前からの主義主張が、実は現代社会まで連綿と続いているという考え方は、コペルニクス的転回のようで面白い。
岩波新書のシリーズ日本近現代史の7冊目。戦前の総力戦体制研究で知られる獨協大学法学部教授の雨宮昭一が担当。 【構成】 第1章 戦後国際体制の形成と日本の敗戦 1 総力戦体制と敗戦 2 戦後国際体制の形成 3 敗戦への道 第2章 非軍事化と民主化 1 占領体制の形成 2 占領改革の実施 ...続きを読む 3 東京裁判と戦争責任 4 民主化政策の諸相 第3章 新憲法の形成へ 1 憲法改正をめぐって 2 アメリカ政府とGHQ 3 GHQの憲法草案 4 国内の諸憲法案と憲法体制の成立 第4章 政党勢力と大衆運動 1 敗戦と日本の指導者たち 2 敗戦前後の政界再編 3 GHQと公職追放 4 自由主義派と協同主義派 第5章 中道内閣の展開と自由主義派の結集 1 片山連立内閣の時代 2 芦田中道内閣の成立 3 冷戦と占領政策の転換 4 ドッジ・ラインと社会の再編 第6章 戦後体制の形成 1 諸勢力の体制構想 2 一九五〇年代の日本社会 本書の特色は、占領期研究にとどまらず、広く歴史認識として広まっている一種の「八・一五史観」とも言うべき「戦前・戦後の断絶」「GHQによる戦後の民主改革」の修正を図ろうとしているところである。 冒頭において、1943年以降の東条内閣を倒閣に追い込んだ勢力が、戦後の改革を担った勢力であるという点に言及し、総力戦体制への指示と反発ということに留意してそれぞれの勢力の改革指向を分類している。 そして、アメリカのみならず日本国内にも十分に改革を行う意志はあり、戦後改革の方向性はアメリカ側から一方的に与えられ、日本の指導層はあめりに保守的で改革の担い手として不十分であったという従来の「思いこみ」へ疑問を呈している。 しかし、本書で展開されているような「戦前戦後連続論」は、従来の論を批判的に論じることによって議論を建てようとしているため、バランスの取れた事実認識とはいえなくなっている。 そもそも筆者のいう「戦前」は近衛→東条内閣によって構築された総力戦体制にきしみが表面化した「戦中」(しかも主として1943年以降)であり、明治憲法体制に象徴される一般的な「戦前」とは異なる。 さらに、初期の連合国軍総司令部の人手不足や日本の政治制度への理解不足があり、既存の官僚機構を利用しながら改革を実行したという点は理解できるが、そこに日本側の「自主的改革の可能性」や「主体性」を見いだすには今少し詳しい説明が必要だろう。 また、後半で詳しく論じられる議会勢力についても、その出発点において、戦前の保守の大本流であった大日本政治会→進歩党が公職追放によって完全に本流から追いやられ、それら保守勢力を支持する官界・財界の基盤もあわせて徹底的に排除されたという点をもっと十分に説明するべきであろう。でなければ、戦前は十分に議席を獲得できなかった社会民主政党が1945年からわずか2年足らずで政権を獲得したことを説明したことにならないだろう。しかも、それとて総司令部の民政局の強い後押しがあったという点を考慮する必要があるのである。 通史としての出来映えも、そして新たな視点の提示としても中途半端と言わざるを得ない。
読みたい順で読んでいる「シリーズ日本近現代史」の2冊目は、第7巻。第二次世界大戦末期の政治状況から、占領、独立を経て 55年体制の確立まで。 日本の軍国主義体制を「非日常的な戦時体制」ととらえ、戦争が終わったこと自体によって、戦後体制は大正、昭和初期の民主主義的傾向の強い時代に回帰したはずであると...続きを読む喝破。つまり日本の改革にとって、GHQ による占領は本質的ではない(少なくとも、本質的でなかった部分がある)との立場に立つ。 従来、日本の占領と改革は最高の成功例(著者はこれを「無条件降伏モデルのサクセスストーリー」と呼ぶ)と考えられてきた。しかし、第二次世界大戦後のアメリカは、世界の各地でこの日本風占領モデルを再現しようとしては、失敗を重ねている。これこそがつまり、日本の改革がアメリカの外力によって成し遂げられたものではなく、日本政治体制が従来から持っていた潮流によって、占領があろうとなかろうと、いずれにしても成し遂げられたことであるということの証左ではなかろうか(少なくとも、部分的には)。アメリカが日本の占領と改革を再評価し、この「発見」をしない限り、また「民主化」の名のもとに、幾多の命が奪われていくことになるのだろう。
第二次大戦後から独立回復にかけての日本が書かれています。天皇と天皇制をめぐる日本側とGHQの動きも復習するには手頃です。
学校の歴史では、近代、現代をほとんど教えない。 過去の失敗を繰り返さないという意味での歴史の役割が断絶している。 本書は、学校で教えなかった歴史をつなごうという意味で有用だ。
[ 内容 ] 新憲法の制定、婦人参政権、教育の民主化、農地改革、財閥解体など一連の戦後改革は、占領政策によるものとされてきたが、本当にそうなのだろうか。 改革の原点は占領政策ではなく、総力戦時代の社会から継承したものの中にあった。 占領開始から五五年体制成立までの戦後一〇年を斬新な視点で描きだす。 ...続きを読む [ 目次 ] 第1章 戦後国際体制の形成と日本の敗戦 第2章 非軍事化と民主化 第3章 新憲法の形成へ 第4章 政党勢力と大衆運動 第5章 中道内閣の展開と自由主義派の結集 第6章 戦後体制の形成 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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