【感想・ネタバレ】シリーズ日本近現代史 3 日清・日露戦争のレビュー

あらすじ

立憲国家となった日本は,日清戦争,北清事変,日露戦争とほぼ5年ごとに大きな戦争を繰り返し,台湾と朝鮮という2つの植民地を獲得した.帝国議会が開かれた国内では,藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方,国民統合の動きも見られる.「輝かしい明治」像を問い直しながら,「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の20年を描く.

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Posted by ブクログ

断絶した個別の戦争史ではなく、一貫した日本の舵取りの難しさを感じた。良心もあったけど、主流にはならない。主流はプラグマティズムときどき奢りである。朝鮮、清の蹂躙ぶりの原因がつぶさに記述されていないのが残念。しかし、やっと日本の歴史がおぼろげながら浮かび上がってきた。天皇の責任は重かったのだな。

天皇史上初の神前結婚式
・不潔と匂いと優劣と殺戮
・十九世紀以降のアジアの危機は日本が呼び起こした。
・国語の誕生

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2014年03月28日

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ネタバレ

 日本近代史において、初の近代的戦争であった日清戦争。これは朝鮮を巡る戦争であり、そして東アジア内の列強の動きを大きく変えた事項であり、日本国が「大日本帝国」となる大きな転換点であった事を学べる本。
 これを読んでいてどうしても気になったのは、短期決戦志向。太平洋戦争に関する話題を読んでも出てくる、日本軍の死傷者の中の戦闘以外での(病気など)死亡の多さ。。アホか、と本読んでいる今は言えるけれども。現実、何かあった時対応できるだろうか。今の原発事故でもロジスティックをろくに考えない政府対応があったから、どうしても気になってしまうのかな…?

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2011年06月01日

Posted by ブクログ

自分の知識の乏しさゆえに、読むのがしんどい本でしたが、得るものは多かったように思います。
とくに、日清戦争後の、日本の文化や社会の変化については、これまで点でしかなかった知識が、自分の頭の中でいろいろとつながったように思います。

それにしても、当時は、帝国主義が世界に幅を利かせていたとはいえ、日本は、戦争をしたくてたまらかったのですね。
とくに日露戦争については、社会状況がもう少し健全であれば避けられたはず(日本は戦わずして、日露関係を有利に進められたはず)、ということを知り、狂った社会の怖さを改めて感じました。

現代社会でも、「国家はまともだ」とは必ずしもいえないと思いますが、当時に比べると、ずっと平穏でまともであるように思います。
ただし、いわゆる会社のような組織には、狂った部分がまだまだ残っているように思っていまして、社会全体の心理的安全性が十分なレベルに達するには、まだまだ時間がかかるように思いました。

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2024年11月30日

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このページ数で二つの戦争を詳細に書くのは難しいだろう。

流れを追っただけの感じはする。

しかし5年ごとに戦争をした日本。

まさに激動の時代だった。

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2012年04月29日

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日清戦争・日露戦争が、東アジアの勢力図を塗り替え、大日本帝國が「帝国」と化す原因となったことを明らかにしている。近時の植民地支配正統化論とは全く異なった論調に貫かれた、優れて学術的な内容。

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2011年12月31日

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[ 内容 ]
立憲国家となった日本は、日清戦争、北清事変、日露戦争とほぼ五年ごとに大きな戦争を繰り返し、台湾と朝鮮という二つの植民地を獲得した。
帝国議会が開かれた国内では、藩閥政府と民党のせめぎあいが続く一方、国民統合の動きも見られる。
「輝かしい明治」像を問い直しながら、「大日本帝国」が姿を現した世紀転換期の二〇年を描く。

[ 目次 ]
第1章 初期議会
第2章 条約改正
第3章 日清戦争
第4章 台湾征服戦争
第5章 日清戦後と国民統合
第6章 民友社と平民社
第7章 日露戦争と韓国併合
おわりに―「輝かしい明治」論とナショナリズム

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月19日

Posted by ブクログ

岩波新書が今順次刊行している「シリーズ日本近現代史」の?です。日清・日露戦争の時期、要するに19世紀の終わりから20世紀の初頭にかけての、日本が西洋に追いつき自他共に認める列強の一国として世界に進出していく時代です。著者はこの時代を「戦後が戦前だった時代」つまり、日清戦争終了後は「戦後」であったが、それは次にくるロシアとの朝鮮半島および満州を争う「戦前」であった時代という視点から本書を上梓しています。内容は日清戦争の「戦前」であった初期議会から日露戦争の「戦後」処理として韓国を併合するまでの20年強の通史で、細かい内容に深入りせず当該時代の概観が展望でき、日本史が専門外の私は授業するうえで大いに参考にさせていただきました。ですので、専門の方はちょっと物足りないかもしれません。

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2009年10月04日

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近現代史シリーズの第三弾。日清・日露戦争を中心に韓国併合までの社会の流れと、それに付随する思想界の流れなどが書かれている。

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2009年10月04日

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明治維新が起こってからの内容のため、政治絡みが強くなってしまう。また人物はあまり変わらないのに役職が変わってしまうため、整理するのに時間がかかる気がした。

個人的に政治よりも民衆の生活や感情について記しているものが興味深かった。

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2024年05月06日

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「日本の植民地支配は、台湾や韓国などの「遅れた」地域に最新の科学技術や社会制度を届けたのであり、欧米のような極悪な支配とは異なる、という言い訳が20世紀後半以降の日本に広まりつつあるが、とんでもない間違いである。」
「憲法の理念と植民地支配という矛盾を抱えた各国が、その思想的課題を解決するため自ら植民地の独立を認めるという経路を辿った諸外国と異なり、太平洋戦争における敗戦という外圧によって「安易に」植民地問題を解決できてしまった日本は、その歴史的経緯を何度でも思い出さねばならない。」

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2019年09月21日

Posted by ブクログ

<目次>
はじめに
第1章  初期議会
第2章  条約改正
第3章  日清戦争
第4章  台湾征服戦争
第5章  日清戦後と国民統合
第6章  民友社と平民社
第7章  日露戦争と韓国併合
おわりに

<内容>
淡々とした記述が進む。与えられたページ数と書きたいことの狭間で著者が悩んだ感じがする。しかし、リアルなおさえた記述が妙に響いたりする。日頃の授業で単純化された描写しかしてこなかったので、こうした本は役に立つ。

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2015年05月31日

Posted by ブクログ

 歴史を読むとは実に難しい。これだけ読み込んでも明治における「藩閥政府」と「政党」における権力関係がよくわからない。
 また、詳細に「元勲」や「政党」の動きが語られるのだが、その動きが何を意味するのかも、よくわからない思いを持ったが、「条約改正」が大きな課題であったこの時代背景を思うと、「国際社会」との関係が大きな意味をもっていたのだろうか。
 「日清戦争」や「日露戦争」についても、その経過は読めばわかるのだが、その「戦略目的」がよくわからない。当時の日本は、何のために「戦争」という最終手段に訴えたのだろうか。
 本書による当時の日本政府は、ほとんど迷いも無く戦争への道を進んだようにみえる。
 山縣有朋の「主権線」と「利益線」という主張は理解できないわけではないが、その後の歴史を見ると、「止めどもない進出」というリスクをだれもが考慮しなかったのだろうか。
 「日露戦争」が「祖国防衛戦争」であったという「司馬遼太郎の歴史観」がどうやら誤りであったことは、最近の研究でも明らかになりつつあるが、それならば1910年の「日韓併合」はどう考えれば良いのだろうか。
 本書は、近代日本史における「日清・日露戦争」と「日韓併合」を詳細に扱ってはいるが、その歴史的位置と意味には、あまり踏み込んでいないように思える。
 本書の「おわりに」において「1945年の敗戦という、いわば外圧によって台湾や朝鮮を手放すことになった近代日本は、安易に植民地問題を解決したのだという歴史的経緯を繰り返し思い出さなければならない」との考えには、日本の歩んできた道への批判的トーンを含んでいるが、ここまで歴史を深堀するならば、日本がどこで誤ったのかをも進んで語って欲しかったとも思った。

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2013年05月02日

Posted by ブクログ

日清戦争は、清の軍事力が弱体だと世界に暴露し、列強諸国に対抗する軍事力がアジアに存在しないことを伝えてしまったことにより、19世紀末以降のアジアの危機は、日清戦争によって生み出されたのである。日清・日露戦争で獲得した台湾と朝鮮の二つの植民地は、1945年の敗戦により手放すことになり、日本は大きな思想的課題を有耶無耶にしたまま「植民地問題」を解決したように振る舞うことで、今日まで関係各国とたびたび外交上衝突してきた。今、アジアの情勢は不安定化を増しているように見える。我が国はどのように対処していくのだろうか。

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2012年01月13日

Posted by ブクログ

既得権益としての「政府」を名乗る薩長閥と、民権運動の旗手としての民党が熾烈な議論を闘わせる初期議会は、しかし、勝利の美酒に酔いしれるままに軍国主義への道を突き進む……。戦中、戦間期の諸相を通して、やがて大正デモクラシーへと継がる自由民権と、やがて第二次世界大戦へと継がる植民地支配との矛盾を鋭くえぐる評論は、いかにもこの「シリーズ日本近現代史」らしい。

後の第二次世界大戦同様、日清戦争でも戦死者よりも遥かに多い病死者を出していた点、日露戦争でも拡大した戦線を支えるだけの兵站を維持できなかった点は、興味深い。自分自身を振返る機会もなく、日本はやがて訪れる破滅に向かっていく。

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2011年07月14日

Posted by ブクログ

シリーズ名 岩波新書. シリーズ日本近現代史 ; 3
注記 文献あり
注記 年表あり
ISBN 978-4-00-431044-0
入手条件・定価 780円
全国書誌番号 21208102
個人著者標目 原田, 敬一 (1948-)∥ハラダ,ケイイチ
普通件名 日清戦争(1894~1895)∥ニッシンセンソウ(1894-1895)
普通件名 日露戦争(1904~1905)∥ニチロセンソウ(1904-1905)
→: 下位語: 旅順攻略(1904~1905)∥リョジュンコウリャク(1904-1905)
→: 下位語: 奉天会戦(1905)∥ホウテンカイセン(1905)
→: 下位語: 日本海海戦(1905)∥ニホンカイカイセン(1905)
NDLC GB441
NDC(9) 210.65
本文の言語コード jpn: 日本語
書誌ID 000008473261

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2009年11月26日

Posted by ブクログ

日清戦争を機軸に日本史が書かれています。
日本史の授業を聞いたうえでならおもしろい内容です。
もうちょっと日露戦争が詳しかったらよかったのに

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2009年10月04日

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