塩原通緒の作品一覧
「塩原通緒」の「疫病の世界史」「技術革新と不平等の1000年史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「塩原通緒」の「疫病の世界史」「技術革新と不平等の1000年史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
立教大学英米文学科卒。『宇宙の扉をノックする』(リサ・ランドール)、『ワープする宇宙―5次元宇宙の謎を解く』(リサ・ランドール)、『マヨラナ 消えた天才物理学者を追う』(ジョアオ・マゲイジョ)、『ミラーニューロンの発見』(マルコ イアコボーニ)などの翻訳を手がける。
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Posted by ブクログ
「あーこれこれ、これが言いたかった」が詰まった一冊。
どんなものでもいいけど、データから何かモデルを作ったことがある人なら納得できる内容よねー。
データを用いてモデルを作ろうとする時点で、ある種の論理/倫理/バイアスに縛られている。というより、まずはモデルありきなんだろうなぁ。仮説を立てて、データを集めて、正しい結果が得られるかどうか確認する。(いわゆるPDCAサイクルというやつだ)
それが選べる中で最良である手段なのはわかるけど、一方で最初に立てた仮説が軸になってしまう。そのモデルが過去の現象を上手く説明できてしまえば修正する必要もない。
『ブラック・スワン』のタレブが「過去50年間で、金融市場における10日間ほどの“極端な日”がトータルのリターンの半分を占めている」と語っていたけど、たぶんこれがモデルとリアルの乖離を何よりも示した一文なんだろう。
モデルはモデルでしかないが、それに寄りかからなくては回せない社会という構造の危うさ。(というよりこれは人の「予測」から来る本能的な動きだと思うけど)
正直この問題点は筆者もうまく回答できておらず、「ロバスト性を持たせる」というのも現実的じゃない気がするなぁ。
まぁここらへんは、モデルを作る人間が責任を持ち、モデルを使用する私たちは客観性を念頭に置くしかないんだけども。
Posted by ブクログ
チョムスキー帝国を瓦解に導く強力な一撃。キーワードは、ジェスチャーゲーム、即興、ボトルネック、チャンキング。なにも難しい概念ではない。これらをもとに、人間の言語に関してまったく新しい視点が提供される。
人間どうしの意思疎通の基本は身振りや音声を用いた即興的なジェスチャーゲーム。クリスチャンセンとチェイターはそう主張する。そのゲームが何度も繰り返されて様式化し(簡素なものへと変化し)、多数の人々の間で共有されれば、それが言語になる。世界に何千という言語があるのも、それぞれの人間集団が即興的なやりとりのなかでそれぞれの言語を生み出し、受け継いできたからだ。
読みどころは4章と5章。チョムスキーのいう普遍文法も、言語の生物学的説明も、再帰性こそ言語の特徴だという彼の主張も、ことごとく粉砕される。読み進むにつれて、チョムスキー説についていままでぼんやり疑問に思っていたことが解消されてゆく。
言語は文化だ。なるほど、言われてみればその通り。その主張や説明の8割は納得できる。ただ、あとの2割は(もう少し考えてみる必要があるので)保留かな。それに言語習得の臨界期にも言及してほしかった。
(7章、デンマーク語が母語話者にとってもひじょうに難しいという話はおもしろい。デンマーク語は著者クリスチャンセンの母語だ。)