フェルディナント・フォン・シーラッハの作品一覧
「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の「神」「カールの降誕祭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
タイトルのない26の掌編集。
講演会やインタビュー、プライベートな旅などで世界各地を転々と訪れる私。
具体的に「作家」という職業が言及されていたかどうかあやふやだが、なんとなく本人を想起させるようなメタフィクションめいた様相が漂う作品。
その土地土地で出会ったエピソードがシーラッハならではの研ぎ澄まされた文体で紡がれる。
読む度に毎回凄いなぁと思う。
こんなにも端的に、ある意味ぶっきらぼうとも思えるほどに余計な装飾がなく直接的な言葉の集まりなのに、その連なり、間、行間が作り出す文章に心が吸い寄せられる。
何を意味したいのかはかりかねる物語もあれば、奇妙な味風ミステリめいたオチのあるものもある。
1ページばかりのものもあれば20ページ程のものもある。
読み終えてから1週間くらい経った後にこの感想を書いているが、実は話の内容は殆ど頭の中に残っていない。
その文章を読んでいる時間そのときは凄い濃密な時間を体感していたはずなのに、さらっと過ぎ去っている。
唯一無二だわぁ。
何より毎回この雰囲気を漂わせることに成功している酒寄さんの訳に称賛を覚える。
いつか『犯罪』からまた読み直したい。