プロフィール

  • 作者名:町屋良平(マチヤリョウヘイ)

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作品一覧

  • 1R1分34秒(新潮文庫)
    3.8
    1巻539円 (税込)
    デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、3敗1分けと敗けが込むプロボクサーのぼく。そもそも才能もないのになぜボクシングをやっているのかわからない。ついに長年のトレーナーに見捨てられるも、変わり者の新トレーナー、ウメキチとの練習の日々がぼくを変えていく。これ以上自分を見失いたくないから、3日後の試合、1R1分34秒で。青春小説の雄が放つ会心の一撃。芥川賞受賞作。(解説・町田康)
  • 愛が嫌い
    3.5
    1巻1,527円 (税込)
    おおきくなる、つよく逞しく、この夜を越えてゆけ。 自分の、ひとつひとつの輪郭がぼやけて、危機感をもてないまま 今日も一日をやり過ごす。就職して恋愛結婚して、その先に何があるだろう。 地震に金融崩壊。カタストロフに満ちた社会で、丁寧な明日をうまく保てない。 ある日、夜の川のたもとで出会った少年。女友達の幼い子ども。 そして舞い込んできたルームメイト。時を重ねて、夜の時間がほどけてゆく。 黄昏日本の、みずみずしさをたたえた青春物語。 「しずけさ」「愛が嫌い」「生きるからだ」の3作を収録した 新芥川賞作家の飛翔作。
  • 青が破れる
    3.7
    1巻748円 (税込)
    その冬、おれの身近で三人の大切なひとが死んだ――究極のボクシング小説!第53回文藝賞受賞のデビュー作。尾崎世界観氏との対談、マキヒロチ氏によるマンガ「青が破れる」を併録。
  • 生きる演技
    3.8
    1巻2,475円 (税込)
    家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平
  • 恋の幽霊
    3.5
    1巻1,899円 (税込)
    京、青澄、土、しき。高校で4人は出会い、恋に落ちた。身体が発熱し、恋愛のぜんぶを出し尽くしてしまった。あの事件が起こるまでは──。あれから15年。「あけましておめでとう! 久しぶり。みんなどうしてる?」京からのメッセージが、どん底のいまを動かしはじめる。
  • 坂下あたると、しじょうの宇宙
    3.5
    1巻715円 (税込)
    坂下あたるは、紙上に至上の詩情を書き込める天才高校生。一方、彼に感化されて詩作を始めた佐藤毅は、まったくといっていいほど評価されずに鳴かず飛ばずで、あたるの才能に、密かに嫉妬していた。そんなある日、あたるの文章がネット上で盗作・改ざんされる事件が起こる。2人で「犯人」を突き止めると、それはなんとあたるの作風を模倣したAIだった。本家の面白さを凌駕する模倣作に、あたるはとうとう書くことを止めてしまう……。果たして、毅は親友の危機を救えるのか? 17歳のすべてを「文学」に捧げる青春エンタメ小説。
  • しき
    3.8
    1巻792円 (税込)
    “テトロドトキサイザ2号踊ってみた”春夏秋冬――これは未来への焦りと、いまを動かす欲望のすべて。高2男子3人女子3人、「恋」と「努力」と「友情」の、超進化系青春小説。
  • ショパンゾンビ・コンテスタント
    3.5
    1巻1,595円 (税込)
    音大を中退した小説家志望の「ぼく」、同級生は魔法のような音を奏でるピアニストの卵。その彼女の潮里に、ぼくは片想いしている。才能をもつ者ともたない者。それぞれが生身のからだをもって何百年という時間をこえ体現する、古典を現代に生き継ぐことの苦悩と歓び。才能と絶望と恋と友情と芸術をめぐる新・青春音楽小説!
  • 生活
    4.3
    1巻3,300円 (税込)
    渋谷の隣、代官山の古い一軒家で父と暮らす椿は二十歳になったばかり。バイト代はほぼ服に費やし、友達に囲まれ、彼女ができたり振られたりの一見刺激的な日々。だがそれはいつまで続くのか。果たして「生活」と言えるのか――文芸の最先端を突き進む作家による、偶然と必然に彩られたジェットコースター・ストーリー。
  • ふたりでちょうど200%
    3.3
    1巻1,760円 (税込)
    転生したらまた友達になった件。――バドミントンのダブルス、アイドルと推し、人気俳優とリアリティショーYouTuber……。男らしくなれない男子ふたりの友情は、死んでも終わらない!
  • ほんのこども
    3.0
    1巻990円 (税込)
    横溢する暴力と身体、無垢なる魂の軌跡。第44回野間文芸新人賞受賞作! 元同級生あべくんからのメールにあった文章から着想したシーンをつないで、 商業作家はあべくん自身の人生を小説にしようとする。 父による母殺傷事件、両親がころしころされていたあべくんはやさしく恋するみたいに他の人体を壊す。 殴られても反発するようによろこぶ身体。やさしさや暴力で愛撫し合い痛みをこらえるようによろこぶ身体。 物語にかえろうとするから人生はつらく、日常が重すぎてひとをころしたくなる。 恋人をころして自分も死んだところで折り返し、あべくんの物語は無限に再生を繰り返す。 小説家があべくんなのかあべくんがかれなのか、やがてふたりの境界は曖昧になり、問い自体が意味を失う。 言葉を与えられていない領域に光をあて小説は紡がれ、大量虐殺の記憶が時空を架橋しやがて物語は侵蝕される。 ーー世界文学に接続する芥川賞作家の真骨頂・新境地。ーー 小説で考え、小説が考える。作者には小説に対する圧倒的な信頼がある。ーー保坂和志(野間文芸新人賞選評より) 鴻巣友季子さん絶賛!読書量と強靭な知性に瞠目! “すべてのポートレイトは画家の自画像であり、すべての小説は自伝を目指すと言う。おそらくすべての小説はどこかしら、一人称の失恋なのだ。” “小説でなにかを「再現」することは、過去のよみがえりのように見えて、未然の予告なのだ。すべてのフィクションは自伝を目指し、すべての自画像は他人の顔をしている。” “かきあうこと、傷しあうこと、死にあうこと。「かれ」と「私」、その人称空間のよじれは経験と真実味との落差そのものだ。落差から、小説は来る。”――鴻巣友季子(翻訳家)
  • ぼくはきっとやさしい
    3.4
    1巻1,540円 (税込)
    男メンヘラ、恋路をゆく!無気力系男子・岳文が恋に落ちるのはいつも一瞬、そして全力――第160回芥川賞受賞作家がおくる、ピュアで無謀な恋愛小説!
  • 私の小説
    -
    1巻1,980円 (税込)
    破壊的じゃない「私」の人生はつまんない――? 芥川賞をとってなお自分に自信が持てない作家が、この世界を言葉で立て直す。第48回川端康成文学賞受賞作を含む〈新しい私小説〉連作集。

ユーザーレビュー

  • しき

    Posted by ブクログ

    4.5/5.0

    すごい!
    学校にはあまり馴染めない男子、女子のささやかな日常が刻々とリアルに緻密に記されている。
    大人になって振り返っても不思議な青春時代のあれこれがこの小説の中には確かに息づいている。

    0
    2025年10月16日
  • 生活

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    特に印象に残ったのは、衿さんの留学が決まりお別れする場面。なんかしみじみとさせられいつも以上にゆっくり噛みしめ、もう1度さらにゆっくりと読み、その画を思い浮かべ、すぐ横でその場面を見ていたかのような感覚がするぐらいにまで入り込んでいた。
    そこからまさか刺されるだなんて…落命しないでくれと心の中で声に出したりとすっかりここでの生活の住人になった気分だったが、まさかそこからCIを初め、失踪し、総合格闘技にまで話は及び『!』と『?』を何度も味わいながら迎える終盤のグルーヴ感とそのピーク感には、これは幸福の最高値を塗り替えたのでは?と思ったほどでした。大満足!

    0
    2025年07月10日
  • 生きる演技

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最近の芥川賞の中で、読みやすさの正反対にある町屋さんの渾身の長編。読みごたえがあった。読みにくいとの評判が多々あるが、癖があるだけで、非凡かつ特徴的な文章で興味深いし、何より物語の推進力やリーダビリティがあって、個人的に好きな部類。いわゆる戦犯裁判の東京立川憲兵隊事件、住民による捕虜殴打事案の文化祭での芝居化を進めつつ、俳優の卵の高校生2人が育った劣悪な環境下での高校生活が描かれる。灰色のような生活感のなかで、ある行為がクライマックスにおいて突如はじけ飛び散る効果は凄かった。純文好きにはとてもおすすめ。

    0
    2025年06月30日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     21歳のプロのボクサーの一人語り。自分の状況を見つめながら、相手を想定しながら、どう戦うのかを思い巡らしながら、ボクサーの日常の生活やトレーニング、減量の方法などを語る。あくまでも戦う姿勢を堅持している。ぼくはデビュー戦でKO勝ちした後は勝てていない。敗者の言葉が連なる。そして、言語化できるものを言語化して表現する。結構タフな文章の構成の仕方がある。戦いのシミュレーションが構築されていく。しかし、勝てない。勝てないが故に、なぜ負けたかを分析する。負けるにはたくさんの原因がある。戦うのは、自分であり、実に孤独な戦いでもある。メンタルは自分で強固にするしかない。ここまで、緻密に語るには、自分の体

    0
    2025年06月05日
  • 1R1分34秒(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    負け越してトレーナーに見放されたボクサーが、新しいトレーナーと共に次の試合に向けて、と言うストーリー。話自体は単純だが、主人公はボクサーとしての自分を見失っており、それを取り戻すというのがある。スポーツ小説のようで純文学という感じ。

    場面の切り替わりが独特で、少し戸惑ったが面白かった。ページ数も短いのですぐに読める。

    0
    2025年03月15日

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