白井聡の作品一覧
「白井聡」の「眠れなくなるほど面白い 図解 資本論の話」「新しい戦前 この国の“いま”を読み解く」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
絶対マルクスの資本論を読めない私でも面白く読めた。
続編出ないかなぁ。
富と商品は違う
アダムスミスとマルクス
商品を増やしても富が増えるかは別
資本主義による包摂
形式的包摂から、実質的包摂
この包摂は終わりがなく、私たちは魂まで包摂されるのでは
資本主義の内面化
かつては、「ハマータウンの野郎ども」、デコトラのように、労働者階級にも自分たちの階級への文化、誇り、愛着があった。そこから、駆け上がることは目標憧れであり、しかし嫌悪すべきことで葛藤があった。
しかし、現代の我々は階級を駆け上がることを肯定的にしか捉えていないのではないか。
スキルがないから低賃金 低賃金だから価値が低い
そういう価値観も内面化しているのか。。。
商品の二重性 富や財とは違う
使用価値 質
交換価値 量
資本主義では、労働もまた、労働力商品
具体的有用労働 質
抽象的人間労働 量
労働力によって余剰価値を作れるのは、
労働に形成される価値が、労働力の価値より大きいから。
生み出す価値が給料より大きいから。
労働力の再生産に必要な労働時間によって規定されている。
この「必要」は弾力性がある。
労働者が贅沢を「必要」と考える必要がある。
それは、歴史的背景や文化的背景が決める
イギリスの食文化
エンクロージャーや共有地の私有化
庶民が共有地から食材を取ったり、祭りを開いたりできなくなった。食文化も途絶えた。
文化は富裕層など一部の人間だけでは維持できない
生産性の錯覚
必要労働時間 賃金分の生産をする時間
剰余労働時間 資本のため
奴隷制「ご主人様のために働くのやる気出ない」
封建制「ご主人様の畑は適当に耕すけど、自分の畑は頑張る」
資本制「自分のために仕事は全力」
資本制は必要労働時間と剰余労働時間が区別できない。
絶対的剰余価値 ひたすら労働時間を長くする 一定の「必要」の限界がある。休み 単身赴任無理
相対的剰余価値 生産力の増大
これが、イノベーション
かつては、相対的の方を伸ばそうとしてたこともある。。。
しかし、イノベーションしても結局すぐ追いつかれるため、一瞬しか美味しくない。
→外国貿易と同じ、時限的利潤は時間的差異があるから生じる
フォーディズム
中流階級作って消費者にしてみんなで豊かになろう!
終わった。その代わりに、ネオリベ
色々取り上げる
リキッドモダニティ
かつて、ソリッドモダニティだったのは、家や家電など売りたいものもソリッドだった。
労働力商品の価値の引き下げは、絶対的余剰利益の追求への回帰である。なぜなら、使い倒すから。
本源的蓄積 資本主義の原罪
土地から労働者を剥がす
はじまりの労働者
生産手段(家業)からも身分制からも自由
資本主義は資本家と自由な労働者が出会わないと始まらない
戦争は有効需要の不足への特効薬
階級闘争をしよう!
資本家を憎まない
「必要」をもっと拡大しなきゃ。
再分配機構の逆利用
例えば、良い公立小学校は金持ちしか住めない地域にある。みんなの税金で、、、
これって、「良い教育は私立で」よりヤバい
あと、金持ちというか資本家にかかる税金は労働者より低かったりする
マルクスは今後資本家間でも富の集約が進み没落したりして、どんどん限界が近づき破裂する
Posted by ブクログ
マルクスの資本論に関して、噛み砕いて説明している。非常にわかりやすい。
冒頭の満員電車で30代サラリーマンが必死に資本論を読んでいたというエピソードが、どうも頭から離れない。資本論というのは、資本主義とはどういうものであるか?ということを示した本であり、別に革命を目指すようなものでもない。
どうして我々労働者は、働いても報われないのか?という強烈な課題意識があると、資本論はスッと入ってくることがある。そういうことを言いたかったんだろうなと思う。
資本論の解説としても有用であるものの、本書で面白かった箇所を引用する。
>新自由主義が変えたのは、社会の仕組みだけではなかった。新自由主義は人間の魂を、あるいは感性、センスを変えてしまったのであり、ひょっとするとこのことの方が社会的制度の変化よりも重要なことだったのではないか、と私は感じています。
社会にとって有用なスキルがなければ、低賃金に甘んじるしかなく、それは自己責任だよね?という考えそのものが浸透している現代は、すっかりその価値観に毒されてるなと。
最近まで高みの見物をしていたホワイトワーカーも、その例外ではなくなってきた。お前は生成AIよりも有用であることを証明できるのか?という命題を突きつけられるからである。
改めて人間にとっての価値とは?という根源的な問いに向き合う時、それが現代の階級闘争なのかもなと。
Posted by ブクログ
武器としての「資本論」
著:白井 聡
出版社:東洋経済新報社
政治学者である、白井氏が資本論のエッセンシャルを解説されている書です。
冒頭に、「生き延びるための『資本論』」とある。
資本論挫折組としては、この上もないありがたい書であるが、こんな内容が含まれていたなんておもいもよりませんでした。
また、3冊ぐらいかとおもっていましたが、岩波『資本論』は全9冊とあり、かなりの分量であったこと改めてびっくりしました。
なぜ、資本論がこれまで読み継がれているのか、それは、経済概念の何かしらの本質をつかんでいるからこそ、今もなお、読まれるだけの価値があるという。それが、生き延びるための資本論なのです
資本制社会とは、商品の生産と交換が行われている社会、商品の生産、流通、消費を通じて行う社会が資本主義社会である。
その原則のもとに、資本論は、唐突に商品で始まる。
次に商品に対して、労働。まるで簿記である
商品交換のよいところは、あとくされがないこと、それに対して、共同体内部でのやりとりは、あとくされあり
剰余価値を生み出すことが、資本主義のキモである。
教育の荒廃の最大の原因は教育の商品化である。教育の商品化をやめない限り、教育は立て直せない
資本はとにかく増えること、増えることで豊かになるということは資本の目的ではない。増えることこそ、資本の目的である
機械は人を楽にしない。機械が、AIが働いてくれるから、人はもう働かないでよい、とはならない
資本主義の下では絶対にそうならない。どんどん機械化が進んでいるのに、私たちの労働が時間の面では全然楽になっていないのが、その証拠です。
日本の労働者階級は過去30年間ずっと退却し続けている
資本のために、生産性をあげているのに、自分のために、生産性をあげているのだという錯覚がある
技術革新はなぜ人を幸福にしないのか
生産性が上がるということは、労働価値が下がるということ
生産性向上とは、労働のダンピングです。
国内の高い労働力から海外の安い労働力に置き換える
日本政府がやろうとしている外国人労働者受け入れも同様、安価な労働力の輸入
日本の高度成長が終わったのは、農村の過剰人口に基づく労働力を使い果たしから。要するに安い労働力がてにはいらなくなったから。
イノベーションによって生まれる剰余価値は、たかが知れている
資本家が安価な労働力で商品を生み出すと、いずれ、商品を買う人がいなくなってしまいます。
そこで、労働者=消費者戦略、そのためには、労働者にある程度厚遇しないと、資本家も共倒れになってしまいます。
労働者と、資本家との格差の拡大を解消する方法
マルクスは、階級闘争といっている、いわば戦争です
そして、国家の介入で平等化を図ること、社会保障政策です
富は次第に少数の資本家に集約されていく、それによって資本主義は進んでいく
その先にあるのは、窮乏、抑圧、隷従、堕落、搾取といっています。
さらにその先にあるのが、その状況を是正する出来事になります。
資本家に人格はいらない。資本が人格化されているだけだ。
つまり、資本論には、二面性がある。階級闘争VS構造主義である
労働者階級を破壊してしまうこと、産業化が、大衆文化を破壊してしまうことにつながる
そして一度破壊されてしまうと、そのダメージからは、容易に立ち直ることはできない
つまり、生産力を爆発的に上昇させ、かつての人類には想像すらできなかったような物質的な豊かさをもたらしながら、そのただ中に、貧しさを作りだしてしまっている。
目次
はじめに 生き延びるための「武器」としての『資本論』
第1講 本書はどのような「資本論」入門なのか
第2講 資本主義社会とは? ――万物の「商品化」
第3講 後腐れのない共同体外の原理「無縁」 ――商品の起源
第4講 新自由主義が変えた人間の「魂・感性・センス」 ――「包摂」とは何か
第5講 失われた「後ろめたさ」「誇り」「階級意識」――魂の「包摂」
第6講「人生がつまらない」のはなぜか ――商品化の果ての「消費者」化
第7講 すべては資本の増殖のために ――「剰余価値」
第8講 イノベーションはなぜ人を幸せにしないのか ―― 二種類の「剰余価値」
第9講 現代資本主義はどう変化してきたのか ――ポスト・フォーディズムという悪夢
第10講 資本主義はどのようにして始まったのか ――「本源的蓄積」
第11講 引きはがされる私たち ――歴史上の「本源的蓄積」
第12講 「みんなで豊かに」はなれない時代 ――階級闘争の理論と現実
第13講 はじまったものは必ず終わる ――マルクスの階級闘争の理論
第14講 「こんなものが食えるか!」と言えますか? ――階級闘争のアリーナ
ISBN:9784492212417
判型:4-6
ページ数:292ページ
定価:1600円(本体)
2020年04月23日第1刷発行
2020年07月17日第7刷発行