作品一覧

  • 維新の夢 ──渡辺京二コレクション1 史論

    維新の夢 ──渡辺京二コレクション1 史論

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻1,606円 (税込)
    『逝きし世の面影』の著者渡辺京二は、日本近代史の考察に、生活民の意識を対置し、一石を投じてきた思想家である。その眼差しは表層のジャーナリズムが消費する言説の対極にある。本巻には、西欧的な市民社会の論理では割り切ることのできない、大衆の生活意識にわだかまる「ナショナル」なものを追求した「ナショナリズムの暗底」、明治国家への最大の抵抗者としての西郷隆盛を常識的定説から救抜する「逆説としての明治十年戦争」、北一輝と日本近代の基本的逆説の関連を問う「北一輝問題」など、日本近代史を根底から捉え返すことを試みた論考を集成する。
  • 近代の呪い

    近代の呪い

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻814円 (税込)
    『逝きし世の面影』の著者が人類史の視点から近代を総括する注目の講義録。私たちはどこから来て、どこへ向かおうとしているのか──。この混沌たる時代を生き抜く現代人のための必読の書。 私たちはどこから来て、どこへ行こうとしているのか──。無限の経済成長にのみ幸福を見る時代は終わった。単線的な進歩主義に基づく近代史観から脱し、人が人らしく生きうる共同社会を取り戻すために、近代化の意味を再び問い直すときがきている。豊かさの背後に刻まれた呪いを自覚し、これからを生きる術を考える。
  • 幻影の明治

    幻影の明治

    ビジネス・実用

    3.5
    1巻1,144円 (税込)
    時代の底辺で変革期を生き抜いた人びとの挫折と夢の物語から、現代を逆照射する日本の転換点を描き出す。『逝きし世の面影』の著者による、明治150年の今年必読の評論集。
  • 原発とジャングル

    原発とジャングル

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    原発に象徴されるのは現代の科学物質文明で、ジャングルに象徴されるのは物質文明に侵されていない民の生活。ジャングルの民は豊かではないが、共同体の信頼のもと朗らかに暮らしている。文明か未開か、進歩か後退か、という二元論ではなくて、便利さや科学の進歩を肯定しながら、真の仲間を作ることが可能か。 近代の意味を様々な角度から考えてきた著者が、エヴェレット『ピダハン』、カルロ・レーヴィ『キリストはエボリに止まりぬ』、ハンナ・アーレント『人間の条件』など、さまざまな書物をひもときながら、近代の普遍的な問題を問う。
  • 神風連とその時代

    神風連とその時代

    ビジネス・実用

    3.0
    1巻1,320円 (税込)
    明治九年、熊本の旧士族約一七〇名が決起し、政府に反旗を翻した神風連の乱。 彼ら敬神党はなぜ軍事的成算をかえりみずに蜂起したか。 神秘的秘密結社とも解される彼らの祖師、国学者・林櫻園の思想を読み解き、その「反時代的反乱」の淵源にせまる。 著者による、執筆当時の未公開日記を初収録。 〈巻末エッセイ〉橋川文三 〈解説〉髙山文彦  〈目次〉 第一部 神風連伝説 蜂起のあと 神風連百年 第二部 神風連とその時代 第一章 見神者 第二章 肥後冨勤皇党 第三章 熊本敬神党 第四章 反乱 第五章 予兆 註(第二部) あとがき 新版のためのあとがき 日記抄 解説 髙山文彦 巻末エッセイ 『神風連とその時代』にふれて 橋川文三
  • 増補 近代の呪い

    増補 近代の呪い

    ビジネス・実用

    -
    1巻1,584円 (税込)
    『逝きし世の面影』の著者による生きづらさの根源を問う講義録。スタジオジブリ「熱風」掲載のインタビュー「近代のめぐみ」を収録。
  • バテレンの世紀

    バテレンの世紀

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻3,960円 (税込)
    大航海時代、日本もまたグローバルプレーヤーだった。世界が海で繋がった世紀を、ポルトガル海上帝国の構築、イエズス会の積極的布教、信長・秀吉・家康や諸大名ら権力者の反応、個性的な宣教師、禁教、弾圧、島原の乱、鎖国というキリスト教伝来をめぐる出来事を軸に、壮大な文明史的視点で振り返る「渡辺史学」の到達点!
  • 民衆という幻像 ──渡辺京二コレクション2 民衆論

    民衆という幻像 ──渡辺京二コレクション2 民衆論

    ビジネス・実用

    5.0
    1巻1,606円 (税込)
    冬の夜、結核療養所で聞こえた奇妙な泣き声。日中衰弱しきって運び込まれた母娘は、朝を待たずに逝った。それを知った著者は、娘の体をさする瀕死の母親のやせた腕を幻視する──「小さきものの実存と歴史のあいだに開いた深淵」、それは著者の原点にして終生のテーマとなった。近代市民社会と前近代が最深部で激突した水俣病闘争と患者を描く「現実と幻のはざま」、石牟礼道子を日本文学に初めて現れた性質の作家と位置付けた三つの論考、大連体験・結核体験に触れた自伝的文章など39編からは、歴史に埋もれた理不尽な死をめぐる著者の道程が一望できる。
  • 無名の人生

    無名の人生

    ビジネス・実用

    3.9
    1巻815円 (税込)
    「成功」「出世」「自己実現」など、くだらない――。名著『逝きし世の面影』の著者、初めての語りおろし。戦前の最先端都市、大連で少年期を過ごし、その後の熊本への引揚げですべてを失い、戦後を身ひとつで生きぬいてきた著者が「自分で自分の一生の主人であろう」とした半生を元に語る幸福論。
  • 逝きし世の面影

    逝きし世の面影

    ビジネス・実用

    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。
  • 夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺

    夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺

    小説・文芸

    3.5
    1巻2,178円 (税込)
    『逝きし世の面影』著者は真の読書人としてこよなくファンタジー小説を愛した。知識と考察をあまねく注いだ傑作評論。解説:鈴木敏夫
  • 私の幕末維新史(新潮選書)

    私の幕末維新史(新潮選書)

    ビジネス・実用

    4.5
    1巻1,760円 (税込)
    「幕府は薩長に倒されたのではなく自壊した」「尊王攘夷が盛り上がった理由は日本人の“京都敬い”」「吉田松陰の面白さは馬鹿げていて愚直なところ」「外国人が幕末の人々に感じた頭の良さと狡猾さ」「大久保にない西郷の人間的な魅力」……『逝きし世の面影』の著者が、黒船来航で始まる激動期を独自の視座から捉え直す。
  • 私の明治時代史(新潮選書)

    私の明治時代史(新潮選書)

    ビジネス・実用

    4.0
    1巻1,815円 (税込)
    「日本にイスラム革命のような復古運動が起こった」「女官に囲まれ化粧をしていた天皇が突然、軍服姿に変身」「自分の命を国家に捧げる日本人はまるで古代のスパルタの民のようだった」……神風連ら士族反乱から日露戦争勝利・大アジア主義まで、一等国への道をひた走った「若き日本」の軌跡を辿る「幻の連続講義」第二弾。

ユーザーレビュー

  • 逝きし世の面影

    Posted by ブクログ

    ◯それでも人々は楽しく暮らしており、食べたいだけ食べ、着物にも困ってはいない。それに家屋は清潔で、日当たりもよくて気持ちがよい。(102p)

    ◯ 幸福よりも惨めさの源泉となり、しばしば破滅をもたらすような、自己顕示欲にもとづく競争がここには存在しない。(124p)

    ◯バードは日光の町に立ち寄ったとき、街路が履き清められてあまりにも清潔なので、泥靴でその上を歩くのが気がひけたと言っている。(135p)

    ◯ すこしも錘をあげる努力をしないで歌を唱うのは、まことにばからしい時間の浪費であるように思われた。時間の十分の九は歌を唱うのに費やされたのであった(239p)

    ◯ 江戸の独自性は都市が田園によって浸透されていることにあった。(448p)

    ◯今日では月の光が座敷を照らすことはないし、「月の盛」に寝られぬ思いをする者もいない。(467p)

    ◯ 徳川期の日本人は、人間をそれほどありがたいもの、万物の上に君臨するものとは思っていなかった。(505p)

    ★開国期に日本を訪れた外国人たちの記録によって、かつての日本人の姿が浮かび上がる。

    ★江戸時代には身分の差があって、庶民には自由はなく、貧しく、厳しい生活だった。そんな間違ったイメージは吹き飛ばされる。庶民は豊かで美しい自然にかこまれて、自由に、心穏やかに、楽しく笑って、幸せに暮らしていたのだ。

    ★江戸の頃には、個人と共同体の垣根が低く、いわば村が丸ごと家族のようなものだったのではないか。だからプライバシーもなく、物を置いておいても盗まれない。老若男女が混浴してもヘイチャラである。いやいやそもそも個人の概念がないのでは。人間も自然の一部、そんなに崇高なものと思ってない。だからこだわりがなく、あっけらかんとしている。などなど、私は研究者でも何でもないが、妄想が楽しい読書であった。

    ★もちろん現代の方が裕福で、便利で、健康的で、自由で、刺激的な生活であることだろう。大切な人を亡くすことも少ないだろう。それでも、もしも、江戸時代よりも幸せに思えないとしたら、それはまだ進歩の途上なのだと思いたい。

    0
    2026年10月04日
  • 逝きし世の面影

    Posted by ブクログ

    逝きし世の面影
    著:渡辺 京二
    出版社:平凡社
    平凡社ライブラリー 552

    考えさせられる書でした。

    江戸から明治に変わったときに、日本は気が付かないままに重要なものを失った。
    同時代を生きた日本人にはわからなくても、異文明からやってきた外国人は分かった。
    その手がかりをその外国人が残した書籍から解読していくのが本書である。

    江戸時代は、世界に稀なる、稀有の文明の時代であった。それがじわじわと滅んで、明治・大正・昭和へと進んでいく。日本文化は変わらないが、江戸の文明は滅んだというのが本書の主張なのである

    荒々しい日本の自然が生んだものは、共同体として生きることを選んだ日本人の誠実さや、あきらめだったと感じました。昔から、贅沢に暮らすことが幸せではなく、少し窮屈ではあるものの、共同体として生きることを日本人は体得していたんだと思います。

    日本が近代化を進めるにあたって、少しずつなくなっていったものがそこにありました。

    滅んだもの

    ・個人が共同体のために犠牲になる状況で、各人がまったく幸福で満足しているように見えること
     満足しており幸福であるという印象

    ・贅沢に執着心をもたないこと、簡素、単純極まりないもの
     清潔な家屋、広々とした部屋、部屋には家具らしいものがほとんどないこと
     清潔感、街路を掃き清めるという心、生活習慣

    ・落ち着いた色の服装を好むこと
     将軍から庶民まで、質素でシンプルである、富者も貧者もいない
     本物の平等感、われわれは皆おなじ人間であると心の底から信じる心

    ・平和で、争いの少ない和やかな社会
     礼儀と優雅にみちた気品のある民
     平等で自律的な人々と社会

    ・忍耐強い勤労
     穏やかな表情

    ・きわめて優秀な農業技術
     欧州の農民よりも幅広い独立性を享受している日本の農民

    ・生活に隠しどころのない裸体の風習、混浴
     人情と情愛にもとづく妥協と許し合い、その情愛を保証する性生活
     女郎屋を政府が管理する異質な社会

    ・ムスメという独特な魅力、自由気ままを満喫している
     日本の女は美しいというより、感じがいい
     実質的な男女平等、隔離部屋もベールもない
     たてまえとしては、男に隷従をしているが、現実は、自由で、男に対しても平等かつ自主的である

    ・日本のこどもは、まるで成人した大人のように賢明で落ち着いている
     日本のこどもは、小さな大人である

    ・江戸は、自然の楽園
     鳥類の天国、爬虫類や虫ですら、殺生をしない日本人
     日本の建築美は自然と相互に調和している美である
     人々の楽しみは、四季の自然を楽しむことである
     馬、牛、鶏は、家族であり、決して殺して食べるための対象ではない
     それらは、いい値で売買されてはいたが、外国人が食用として求め得るのであれば、いくら積まれても売ることはしない。それは、家族であるからだ

    ・日本人の寛容性、無宗教観、諦めにも似た死生観

    目次

    第1章 ある文明の幻影
    第2章 陽気な人びと
    第3章 簡素とゆたかさ
    第4章 親和と礼節
    第5章 尾雑多と充溢
    第6章 労働と身体
    第7章 自由と身分
    第8章 裸体と性
    第9章 女の位相
    第10章 子どもの楽園
    第11章 風景とコスモス
    第12章 生類とコスモス
    第13章 信仰と祭
    第14章 心の垣根

    あとがき
    平凡社ライブラリー版 あとがき

    解説 共感は理解の最良の方法である 平川祐弘

    参考文献
    人名索引

    ISBN:9784582765526
    出版社:平凡社
    判型:B6変
    ページ数:606ページ
    定価:1900円(本体)
    2005年09月09日初版第1刷
    2023年10月29日初版第42刷

    0
    2026年09月04日
  • 逝きし世の面影

    Posted by ブクログ

    ずっしりと、どこまでも重い読後感を残す本だ。
    自分が読んだもの、触れたものはなんだったのか、繰り返し問わざるを得ない本。

    異邦人たちが、見て、感じて、書き残した幕末から明治初年の日本の人びとと風景。
    そこには、確かな手触りと懐かしさの実感がありながら、夢まぼろしのように儚く、現実とは思えないような妖しさがつきまとう。
    著者自身が何度も断っているように、もちろん単なる日本礼賛のための本ではない。

    日本が近代化(西洋化)することと引き換えに、滅んでしまった文明とはどのようなものだったのか。
    そして、そもそも、近代化とはどういう人類史的な出来事だったのか。
    もはや後戻りはできないことが明確に分かっているからこそ、失われたものの重みが私たちの心を深々と刺すようにのしかかってくる。

    近代という時代の病を考えるとき、何度も参照されなければならない本だと思う。

    0
    2026年08月25日
  • 私の幕末維新史(新潮選書)

    Posted by ブクログ

    この頃の話は教科書以外ではあまり知らなかった。みなもと太郎の風雲児たちを読んで、この本に行き着く。とても目からウロコと言った感想。江戸時代も暗黒時代ではなかったことがよくわかる

    0
    2026年07月02日
  • 無名の人生

    Posted by ブクログ

     亡くなられた時に、書店に置いてあり購入したが、今まで本棚のすみにしまわれていた。連休に取り出したらページが進み2日で読み終えた。今まで何度か取り出しては読み進めなかったのが不思議だ。
     渡辺京二は石牟礼道子の「苦海浄土」の編集者として世に送り出し、「ゆきし世の面影」の作者ですが江戸の昔は決して悪い時代ではなかったと田畑は庭園のように美しかったと書いてます。庶民の暮らしも近所付き合いも温かだった。中学生のころ体罰は受けたが暴力は決してよくないが良き思い出だとしてます。最近のイジメにもちょっと精神が弱いのではないかとも言ってるような。
     水俣闘争を戦った人ですが、決して体制に反駁してばかりの人ではないようです。組織には上下の秩序は必要としてます。
     180ページほどの本ですが、最終章の「無名のままで死にたい」項はたくさんの付箋と赤線を付けてしまいました。博学な多くの本を読まれた渡辺京二は先人として学ぶべきところが多いです。

    0
    2024年09月24日

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