【感想・ネタバレ】逝きし世の面影のレビュー

あらすじ

昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。

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Posted by ブクログ

逝きし世の面影
著:渡辺 京二
出版社:平凡社
平凡社ライブラリー 552

考えさせられる書でした。

江戸から明治に変わったときに、日本は気が付かないままに重要なものを失った。
同時代を生きた日本人にはわからなくても、異文明からやってきた外国人は分かった。
その手がかりをその外国人が残した書籍から解読していくのが本書である。

江戸時代は、世界に稀なる、稀有の文明の時代であった。それがじわじわと滅んで、明治・大正・昭和へと進んでいく。日本文化は変わらないが、江戸の文明は滅んだというのが本書の主張なのである

荒々しい日本の自然が生んだものは、共同体として生きることを選んだ日本人の誠実さや、あきらめだったと感じました。昔から、贅沢に暮らすことが幸せではなく、少し窮屈ではあるものの、共同体として生きることを日本人は体得していたんだと思います。

日本が近代化を進めるにあたって、少しずつなくなっていったものがそこにありました。

滅んだもの

・個人が共同体のために犠牲になる状況で、各人がまったく幸福で満足しているように見えること
 満足しており幸福であるという印象

・贅沢に執着心をもたないこと、簡素、単純極まりないもの
 清潔な家屋、広々とした部屋、部屋には家具らしいものがほとんどないこと
 清潔感、街路を掃き清めるという心、生活習慣

・落ち着いた色の服装を好むこと
 将軍から庶民まで、質素でシンプルである、富者も貧者もいない
 本物の平等感、われわれは皆おなじ人間であると心の底から信じる心

・平和で、争いの少ない和やかな社会
 礼儀と優雅にみちた気品のある民
 平等で自律的な人々と社会

・忍耐強い勤労
 穏やかな表情

・きわめて優秀な農業技術
 欧州の農民よりも幅広い独立性を享受している日本の農民

・生活に隠しどころのない裸体の風習、混浴
 人情と情愛にもとづく妥協と許し合い、その情愛を保証する性生活
 女郎屋を政府が管理する異質な社会

・ムスメという独特な魅力、自由気ままを満喫している
 日本の女は美しいというより、感じがいい
 実質的な男女平等、隔離部屋もベールもない
 たてまえとしては、男に隷従をしているが、現実は、自由で、男に対しても平等かつ自主的である

・日本のこどもは、まるで成人した大人のように賢明で落ち着いている
 日本のこどもは、小さな大人である

・江戸は、自然の楽園
 鳥類の天国、爬虫類や虫ですら、殺生をしない日本人
 日本の建築美は自然と相互に調和している美である
 人々の楽しみは、四季の自然を楽しむことである
 馬、牛、鶏は、家族であり、決して殺して食べるための対象ではない
 それらは、いい値で売買されてはいたが、外国人が食用として求め得るのであれば、いくら積まれても売ることはしない。それは、家族であるからだ

・日本人の寛容性、無宗教観、諦めにも似た死生観

目次

第1章 ある文明の幻影
第2章 陽気な人びと
第3章 簡素とゆたかさ
第4章 親和と礼節
第5章 尾雑多と充溢
第6章 労働と身体
第7章 自由と身分
第8章 裸体と性
第9章 女の位相
第10章 子どもの楽園
第11章 風景とコスモス
第12章 生類とコスモス
第13章 信仰と祭
第14章 心の垣根

あとがき
平凡社ライブラリー版 あとがき

解説 共感は理解の最良の方法である 平川祐弘

参考文献
人名索引

ISBN:9784582765526
出版社:平凡社
判型:B6変
ページ数:606ページ
定価:1900円(本体)
2005年09月09日初版第1刷
2023年10月29日初版第42刷

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2026年09月04日

Posted by ブクログ

ずっしりと、どこまでも重い読後感を残す本だ。
自分が読んだもの、触れたものはなんだったのか、繰り返し問わざるを得ない本。

異邦人たちが、見て、感じて、書き残した幕末から明治初年の日本の人びとと風景。
そこには、確かな手触りと懐かしさの実感がありながら、夢まぼろしのように儚く、現実とは思えないような妖しさがつきまとう。
著者自身が何度も断っているように、もちろん単なる日本礼賛のための本ではない。

日本が近代化(西洋化)することと引き換えに、滅んでしまった文明とはどのようなものだったのか。
そして、そもそも、近代化とはどういう人類史的な出来事だったのか。
もはや後戻りはできないことが明確に分かっているからこそ、失われたものの重みが私たちの心を深々と刺すようにのしかかってくる。

近代という時代の病を考えるとき、何度も参照されなければならない本だと思う。

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2026年08月25日

匿名

ネタバレ

20年以上に渡り、知る人ぞ知る、というのには異様な存在感を放ち続ける大著。これを完成させた作業量には感嘆するし、著者の考察も鋭くかつ温かみがあり、これを世に出してくれたことには感謝の念があるのは確かだが、江戸期を喪われた文明としてセンチメンタルに解釈するのは、結論に至れなかった人の、放棄とまではいかなくとも他者、後世への委託であるし、オチの無い尻切れ蜻蛉な読後感が強いのは否めない。
江戸期の日本人が持っていた、高い幸福感や自然への同化能力は、メカニズムとして科学する時代になってきており、もはや19世紀の西洋人の記録を含め史料という紙を突き合わせるだけの従来の歴史学は水掛論の温床になるだけである。
20世紀の知識人たちの一方的な支配を痛切に切り崩した功績は大だが、人類が真に次のステップに移るまでの間、この本の内容は保留のような扱いで冷凍されるだろうと思う。著者が言うポストモダン、踏破され尽くした近代というのは、まだ終了していないのだ。

#切ない #じれったい

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

2005年、平凡社ライブラリー。
元は1995年から週刊エコノミストに連載されたもので著者は熊本在住、市井の研究者だという。

幕末明治の外国人による日本見聞記を邦訳、原著も含めて広く渉猟し、当時の日本人、とくに庶民の人と暮らしそして社会を描きだたもの。
良いことばかりではないことを意識しつつ、いかに平穏で美しく豊かな社会であったか。それは一つの文明であったとし、自身もその時代に生きたかったと。テーマに分け14章に描き出す。
章立ては次の通り。第1章ある文明の幻影、第2章陽気な人びと、第3章簡素とゆたかさ、第4章親和と礼節、第5章雑多と充溢、第6章労働と身体、第7章自由と身分、第8章裸体と性、第9章女の位相、第10章子どもの楽園、第11章風景とコスモス、第12章生類とコスモス、第13章信仰と祭、第14章心の垣根。
とても良い本だとおもうが、巻末の解説が、戦後の左翼インテリが云々と無関係に述べ、せっかくの清涼な読後感を台無しにしている。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

      -2008.06.03記

著者渡辺京二は、幕末から明治にかけ来日した多くの外国人たちが書き残した記録や文書、邦訳されているものだけでも130にも及ぶ夥しい資料を踏査、彼ら異邦人たちなればこそ語り得た、この国の姿、庶民たちの生活実相を、12の章立てで本書を構成、近代日本の夜明け前の風景が一大絵巻の如く眼前にひろがる感がある。

1. ある文明の幻影
-まずは本章の最後に置かれた著者の言を引く。
私の意図するのは古きよき日本の愛惜でもなければ、それへの追慕でもない。私の意図はただ、ひとつの滅んだ文明の諸相を追体験することにある。外国人のあるいは感激や錯覚で歪んでいるかもしれぬ記録を通じてこそ、古い日本の文明の奇妙な特性がいきいきと浮かんでくるのだと私はいいたい。そしてさらに、われわれの近代の意味は、そのような文明の実態とその解体の実相をつかむことなしには、けっして解き明かせないだろうといいたい。
-また、本章半ばあたりに展開される論
文化人類学の青木保によれば、翻訳-interpretation-不可能性の自覚こそ、異文化の核心に近づくための前提である。
Singular-風変わりな-とかstrange-奇妙な-というのは、理解不能あるいは理解の必要のないものとして対象を突き放す-そういいたければ差別する-態度の表白でもありうるが、おのれの異質なものに接した驚きを起点として、おのれの文化的拘束を自覚し、他文化をその内面に即して理解しようとする真摯な努力に道を開くものでもありうるのだ。

◇オズボーン-Sherard Osborne、1822~75-と、オリファント-Laurence Oliphant、1829~88-はともに、
1858-安政5-年、日英修好通商条約締結のため来日したエルギン卿使節団の一員。
Osborneに「A Cruisein Japanese Waters」、Oliphantに「エルギン卿遣日使節録」などの著書がある。
Os-
「この町でもっとも印象的なのは男も女も子どもも、みんな幸せで満足そうに見えるということだった」
「衣服の点では、家屋と同様、地味な色合いが一般的で、中国でありふれているけばけばしい色や安ぴかものが存在しない。ここでは、上流夫人の外出着も、茶屋の気の毒な少女たちや商人の妻のそれも、生地はどんなに上等であっても、色は落ち着いていた。役人の公式の装いにおいても、黒、ダークブルー、それに黒と白の柄がもっとも一般的だった。彼らの家屋や寺院は同様に、東洋のどこと較べてもけばけばしく塗られていないし、黄金で塗られているのはずっと少ない」
「あらゆる階級の普段着の色は黒かダークブルーで模様は多様だ。だが女は適当に大目に見られており、その特権を行使して、ずっと明るい色の衣服を着ている。それでも彼女らは趣味がよいので、けばけばしい色は一般に避けられる」
Ol-
「個人が共同体のために犠牲になる日本で、各人がまったく幸福で満足しているように見えることは、驚くべき事実である」
「われわれの最初の日本の印象を伝えようとするには、読者の心に極彩色の絵を示さなければ無理だと思われる。シナとの対照がきわめて著しく、文明が高度にある証拠が実に予想外だったし、われわれの訪問の情況がまったく新奇と興味に満ちていたので、彼らの引き起こした興奮と感激との前にわれわれはただ呆然としていた。この愉快きわまる国の思い出を曇らせる嫌な連想はまったくない。来る日来る日が、われわれがその中にいた国民の、友好的で寛容な性格の鮮やかな証拠を与えてくれた」

◇ブラック-John Reddie Black、1826~80-は、1860年代初めから15年を超える滞在。著書「ヤング.ジャパン」
「思うに、他の国々を訪問したあとで、日本に到着する旅行者たちが、一番気持ちのよい特徴の一つと思うに違いないことは、乞食がいないことだ」

◇いわゆるジャパニーズ.スマイルについて-フランス人画家レガメ-Felix Regamey、1844~1907-著書「日本素描紀行」
日本人のほほえみは、「すべての礼儀の基本」であって、「生活のあらゆる場で、それがどんなに耐え難く悲しい状況であっても、このほほえみはどうしても必要なのであった」。それは金で購われるのではなく、無償で与えられるのである。
このようなほほえみ、後年、不気味だとか無意味だとか欧米人から酷評される日本人の照れ笑いではなく、欧米人にさえ一目でわかったこの古いほほえみは、レガメが二度目の来日を果たした1899-M33-年には、
「日本の新しい階層の間では」すでに「曇り」を見せ始めていた。少なくともレガメの眼にはそう映った。

◇リュドヴィク.ボーヴォワル-Ludvic Beauvoir、1849~1929- 1867-慶応3-年来日、著書「ジャポン1867」
彼にとって、日本は妖精風のLilliput-小人国-であった。
「どの家も樅材で作られ、ひと刷毛の塗料も塗られていない。感じ入るばかりに趣があり、繊細で清潔且つ簡素で、本物の宝石、おもちゃ、小人国のスイス風牧人小屋である。‥日が暮れてすべてが閉ざされ、白一色の小店の中に、色さまざまな縞模様の提灯が柔らかな光を投げる時には、魔法のランプの前に立つ思いがする」
「漆塗りの小さな飾り物、手袋入れの箱、青銅のブローチ」など、「つまらぬものだが可愛い品々」、この「こまごまとした飾り物」こそ彼が発見した日本だった。彼はそういったものに「眼がまわらんばかりに酔わされた」、漆器にいたっては、彼の魅了されぶりは「まさに熱病そのものであった」

◇エミール.ギメ-Emile Guimei、1836~1918-世界有数の東洋博物館として知られるギメ博物館の創設者。1876-M9-年来日、滞在3ヶ月。著書「1876ボンジュールかながわ」
「東京日光散策」日本の第一印象は「すべてが魅力にみちている」、古代ギリシャのような日本人の風貌や、井戸に集う「白い、バラ色の美しい娘たち」や、ひと目で中を見通せる住居の、すべてが絵になるような、繊細で簡素なよい趣味や、輝くばかりの田園風景について、惜しみない讃嘆の声をあげる。サンパンの漕ぎ手たちが発する「調子のとれた叫び声」、重い荷車を引く車力が一引きごとに繰り返す「ソコダカ.ホイ」という歌に似た叫びや、漁師たちの櫓のひとかきごとに出す「鋭い断続的な叫び」、ホテルの窓の下を通る「幅の広い帯を締め、複雑な髪を結った」女たちの笑い声や陽気で騒々しい会話や、宿屋で見送りの女中たちが叫ぶ「サイナラ」という裏声にいたるさまざまな音に心奪われ、ギメにとって日本はなによりもまず、このような肉感的な物音のひしめく世界として現れた。
彼は、鎌倉の八幡宮や大仏を見たあと、片瀬の宿屋に泊まった。床について灯りを消すが、耳慣れぬ物音が続いて眠れぬ夜を過ごした。
まずは波の音-海が震えている、その規則正しい音に混じって、ジ.ジというリズミカルな「一種の鳴き声が家の周りを走る」。そして「木から木へ飛び移る恐ろしい呻き声」、その正体は、風が聖なる杉林を揺り動かし、山が震え唸っているのだ。「星がきらめく夜空の下で、山が海に応え、陸と海とが」二重唱を歌っているのだった。日本の夜にはさまざまの霊や精が呼吸していて、人々はその息吹に包まれて眠るのだと感じて、感銘を覚えずにおれなかったのだ。

◇チェンバレン-BasilHall Chamberlain-1873-M6-来日、1911-M44-年までの長きを滞在。-著書「日本事物誌」「明治旅行案内」
「古い日本は妖精の住む小さくて可愛いらしい不思議の国であった」。しかし「教育ある日本人は彼らの過去を捨ててしまっている。彼らは過去の日本人とは別の人間、別のものになろうとしている」

◇ポルスブルック-Dirkde Graeffvan Polsbroek、1833~1916-オランダ商館員。-著書「ポルスブルック日本報告1857-1870」
「私の思うところヨーロッパのどの国より高い教養を持っているこの平和な国民に、我々の教養や宗教が押しつけられねばならないのだ。私は痛恨の念を持って、我々の侵略がこの国と国民にもたらす結果を思わずにいられない。時がたてば、分かるだろう」

◇エドウィン.アーノルド-Edwin Arnold、1832~1904-1889- M22--年来日。原書「Japonica」
「地上でParadise-天国-あるいはLotusland-極楽-にもっとも近づいている国だ」と賞讃し、「その景色は妖精のように優美で、その美術は絶妙であり、その神のように優しい性質はさらに美しく、その魅力的な態度、その礼儀正しさは、謙虚ではあるが卑屈に堕することなく、精巧であるが飾ることもない。これこそ日本を、人生を生き甲斐あらしめるほとんどすべてのことにおいて、あらゆる他国より一段と高い地位に置くものである」
「あなた方の文明は隔離されたアジア的生活の落ち着いた雰囲気の中で育ってきた文明なのです。その文明は、競い合う諸国家の衝突と騒動の只中に住むわれわれに対して、命を甦らせるようなやすらぎと満足を授けてくれる美しい特質を育んできたのです」
「寺院や妖精じみた庭園の睡蓮の花咲く池の数々のほとりで、鎌倉や日光の美しい田園風景の只中で、長く続く荘重な杉並木のもとで、神秘で夢みるような神社の中で、茶屋の真っ白な畳の上で、生き生きとした縁日の中で、さらにまたあなたの国のまどろむ湖のほとりや堂々たる山々のもとで、私はこれまでにないほど、わがヨーロッパの生活の騒々しさと粗野から救われた気がしているのです」などと、歓迎晩餐会でスピーチをしたが、
翌朝の主要各紙の論説は、彼が日本の産業、政治、軍備における進歩にいささかも触れなかったことに、日本の軽視であり侮蔑であると憤激した。

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2022年10月17日

Posted by ブクログ

幕末から明治末年までの間に日本を訪れた外国人による日本人への眼差し。ディスカバージャパンならぬディスカバージャパニーズ。彼らの見た「幸福な日本人」は我々と同じ民族なのか?違う民族なのか?著者は言います。「文化は滅びないし、ある民族の特性も滅びはしない。それはただ変容するだけだ。滅びるのは文明である。」同じ時期に海を渡った浮世絵やパリ万国博覧会に出品された超絶技巧の伝統工芸品はタイムカプセルのように150年の時を超え里帰り出来るモノとしての文化だけど、本書に記録されているのは二度と戻らないココロとしての文明なのでしょうか?ピサロに滅ぼされたインカ帝国は、実はスペイン人が持ち込んだ感染症によっての滅亡したのである、と言われていますが、資本主義という成長至上主義はここに描かれる「幸福な日本人」にとっての感染症だったのでは?インディオがなぎ倒されるように「幸福な日本人」も絶滅したのでは?それとも今を生きる日本人の心の奥底には、「幸福な日本人」のDNAは生きているのか?今年のノーベル医学賞のスバンテ・ペーボが証明したホモ・サピエンスにネアンデルタール人が繋がっているように。本書を読みながら思い出していたのは、実は『人新世の「資本論」』です。資本主義を超えた幸せの体現が150年前の日本人の姿にあるのでは?機嫌よく、陽気で、人見知りしないで、深く考えない暮らし。たぶん、違うと思いますが…。ちょうどこの本を読んでいる時に朝日新聞の土曜日版「be」での原武史の連載「歴史のダイヤグラム」に編集者としての著者と作家としての石牟礼道子の2ショットの写真が出ていたのですが、我々の暮らしの底流には、この時代の心が生きている、という想いがこのコンビを成立させているのではないか?と思いました。

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2022年10月05日

Posted by ブクログ

薄々感じではいたが、明治維新を経て日本は別物になった。日本近代は江戸という文明の滅亡の上に打ち立てられたのである。渡辺はその文明の諸相を追体験するために当時日本を訪れた異邦人の記録に頼った。それを読むと我々現代人も当時の異邦人と同じ視線で当時の日本を見ていることに気づく。
 江戸後期の日本は私にとっても憧れの時代である。何より羨ましいのは「この国民は確かに満足しており幸福であるという印象」と言うことだ。西洋思想と産業革命が入って来る前の日本が、どれだけ完成された文明を持っていたか。そこには欧米列強の開国要求や西洋文化、近代思想の流入という避けられないものがあって、なるべくしてなったものである。だからこそ儚くも愛おしい。今だからこそ知り、推測し想像しておきたい。我々が直接知らない昔の文明のこと。

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2022年03月24日

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明治維新はクーデターだったのか!
江戸時代の牧歌的風景、人情が著者ではなく第三者によって描かれている処に客観性を感じさせられる、名著だと思った。

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2021年09月22日

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幕末や明治の日本の民衆の快活で自由な、そして精神的に豊かな暮らしぶりを、その当時の来日欧米人の瑞々しい記録から明らかにする

この文化が自分たちのたった150年前のものであるということも、そしてそれが失われていることも、読んでいる私たち日本人の胸に迫ってくる。

明治以降西洋近代化を追求して今にいたるわけだが、本書を読むと、あのとき西洋化の選択をしない道もあったのかもなと思ってしまう。歴史にifはないけど、読み手にそう考えさせる良書。

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2021年09月20日

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江戸末期・明治初期の日本を訪れた西洋人が感じた「驚き」が、これでもかと紹介されている。日本人であるはずの自分だが、これを読むと、彼らと同じ目線で一緒に驚くことになってしまった。

「昔の日本ってこんな感じだよね」と漠然と考えているイメージ(たぶん、時代劇とかで作られたやつ)が吹き飛ぶ。当時の日本はこんなに不思議な国だったのだ。

逆にいうと、先祖代々続いていると思っていた「文明」が一度滅んでいたということ(少なくともそう言っていいほど「西洋化」してしまったこと)。そして、ほとんどの人が、そのことに気がついてさえいないこと。なによりも、それに驚く。

日本人ならこれは読むべき。

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2021年01月12日

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著書は慎重に、しかし「独自の視点を持つ観察者がいて必ず観察され、その視点から言及することを逃れる術はない」というその言及に当たる事実を忘れることはない。
その目線がいかに親日的、優しいと言われようと、そう言われる土壌が、反応する培地があるはずとしてすくい上げた中に、日本人の持っていた心性と、結びついた生活感覚や生活器具、またそれらを取り巻く価値観とコスモス(エコシステム)があったと見る。

他者からの目を(この場合幕末、明治期に来日し記載を残した、外国人の記録物)、徹底的に事実(言及された本文)として取り上げ、それを多く並べ、培地を探る。その培地から上記のような日本人の心性〜コスモスまでを浮かび上がらせる手法をとっている。非常に慎重。

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2021年01月08日

Posted by ブクログ

まず、大著であり読破するのは相当困難であると覚悟してください。あとがき、解説までで594ページ、活字のポイントも小さめで、相当に時間を要します。私はちょうど1週間かかりました。ですが、それだけの時間をかけて読む価値のある書籍であることは間違いないです。特に第一章がやや難解なので、なかなか読み進めないな、と思う方は第二章から読み始めてもよいと思います。具体的でわかりやすいです。

著者は『古き良き日本』を振り返る懐古の書として書かれたのかもしれませんが、これを読んで共感はしても、今さら便利な生活を捨てて江戸や幕末の生活にもどりたいと思う人はいないでしょう。それよりも私が印象的だったのは、ところどころに語られている日本人固有のマインドセットについてです。そこに注目する方が、この書籍を読む価値が上がると思います。『衣食足りて礼節を知る』と言いますが、足りてなくても礼節をわきまえていたのが、昔の日本人であったと知ることができましたし、それは少なからず今の我々の中にも宿っていると私は思います(やや薄れてきているのは否めませんが)。

ぜひ、一読をおすすめいたします。

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2020年09月06日

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江戸時代後期から明治時代にかけての日本を訪れた西洋人の日本に関しての著作をもとに、当時の日本がどういう国であったのかを解き明かそうという意図の本。
まず、この本を書くのはほとんど信じられないくらいの労力が必要だったであろうことが分かる。当時の西洋人の日本に関する著作を読み解き、それをカテゴリー別に分類し(本書は14の章だてとなっている。1つは全体のまとめなので、13のカテゴリーに分けて書かれていると読める)、そこから当時の日本の様子を浮かび上がらせる、という構成の本になっている。書けば簡単に思えるかもしれないけれども、とんでもない力業だと思う。
書名が秀逸だ。当時の日本というのは「1回かぎりの有機的な個性としての文明」を持った国であり、その文明は「明治末期にその滅亡がほぼ確認されていたことは確実」なものである。同じ日本であるが、現代の日本とは全く違う文明を持った国であったわけで、その姿を「逝きし世の面影」という詩的な書名に集約させている。読み終わってから、なんと秀逸な書名なのだろう、と感づく。
久しぶりに面白い本を読んだ、という感想。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

 江戸末期〜明治初期に来日した西欧人たちの訪日記録をもとに当時の日本人の暮らしぶりを推しはかる本。文化人類学の、外からの視点を通すことで文化の特徴を記述できるようになる、というキモを本書は文献をタイムマシンに使ってやってみた形。
 我々の祖先を、比較的に現代の我々の価値観に近いだろう西欧人の目を通して、知るというのはなかなか興味深かった。イザベラ・バードの旅行記の翻訳をだいぶ前に読んで非常に面白かったが、記録者が違えば目の付け所も違う。本書では様々な記録者の文献を観点ごとに章を分けて引用して解釈することで、より全体像が見えた感じがした。
 当時の訪日外国人は別に参与観察のエキスパートでもないので割り引いて読む必要がある。割り引き方にところどころで怪しさというか我田引水の感はあった。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

7年前に買って、少し読んで長い眠りについていたのを発掘。通勤電車内で2週間かけて読んだ。
タイトルが素晴らしい。外国人の目で見たいわゆる「夜明け前」の日本。現代の私と繋がっていて、しかし大きな断絶のある人々の息遣いを感じるようだった。
忙しい人には、第1章と最終章読めば十分とも言えるかも。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

幕末から明治初期に来日した外国人の視線を通して、江戸時代後期に存在し、失われつつあった文明の姿を描こうという一冊。
欧米由来の「近代化」によって日本の精神世界が変質したこと、特に「ヒューマニズム=人間中心主義」の導入による変化を描く終盤はとりわけ興味深い。たとえば「東海道中膝栗毛」を例にとって、現代社会から見て江戸時代の人々の精神性が異質であることを示す部分など。

そこまで読み進めればかなり興味深いのだが、前半は「外国人が日本で驚いたこと」のまとめサイトみたいな記述が多くて退屈である。
著者は「失われた文明」と、ベースにある文化を区別して論じているというのだが、その区別は私には不分明に見えるので、そのような感想になる。

著者自身は「私の一貫した主題が現代という人類社会の特殊なありように落ち着かぬ自分の心であった」「私の関心は自分の『祖国』を誇ることにはなかった。」と書いて(平凡社ライブラリー版 あとがき)、この本が呼び起こした反応に対する違和感を表明しているけど、この本の書き方だとそういう反応(日本賛美的な?)を喚起するのも無理はないと思う。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

膨大な外国人から見た幕末から明治の変革期の日本人のありようの資料から、現代の日本人が失った子供のような無邪気な好奇心、他者との垣根の低さ、情熱、身体の逞しさなどが伝わり、文明とは時代と共に移り変わる部分もあることが生き生きと伝わってきた。個を大事にする文化が明治以降に入ってきて、良い面もたくさんある反面、失われた生命力とでもいうか、素朴な生きる力があったのだと気付かされ、現代を振り返って見ると若者の自死の増加など複雑な想いが湧く。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

江戸時代の日本の文明について書かれた本。前近代が近代に移行する直前の爛熟した文明について、当時の外国人の記述など資料を紐解きつつ解説している。現代の我々とは地続きでありつつも異質であり、当時の異邦人のように江戸文化を楽しめる本である。現代人の忘れてしまった人間らしい生き方を教えてくれるところもあり、示唆に富んだ本である。

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2023年05月03日

Posted by ブクログ

日本の原風景が日本に滞在していた外国人の記録を通して明らかにしている貴重な本。
現代日本の姿と対比すると有意義。特に仕事に誇りを持って個別に役割分担が細分化されていた個人事業の集積のような経済社会であった事が推測できるのが興味深い。

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2023年03月13日

Posted by ブクログ

読みごたえあり。
全部で600ページ近くあるし、理解するため砕きながら読むには少し難しい。
ただそういう吟味とは別に、江戸時代中後期から明治始めにかけて、日本人の生活や風俗,習俗はどうだったのか、またそれを当時日本に来ていた外国人にはどのように映っていたのかを知るところに焦点を当てれば、理解しやすいし、またとても面白い。
もちろん彼らにとって、長短どちらの面もあるようだが、概して非常に賛美していると感じた。
ただ、どちらかと言えば精神的にナイーブで、西洋人には少し劣った民族と映っていたように感じた。逆にそれが彼らにはとても新鮮で、忘れられた精神上の桃源郷のように思えたのかも知れない。

しかし昭和時代、田舎ではまだそのような風習が残っていた気がする。
もちろんITとテクノロジーが進歩した現在では、見る影もないが。

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2023年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸時代後期に日本を訪れた外国人による、日本の庶民生活の見聞録。
長くて読みにくいけれど、拾い読みだけでも十分に楽しめた。 

決して豊かとは言えないけど、最低限の衣食住に満ち足りた表情をしていた庶民。勤勉さ礼節は浸透しているが、仕事はほどほどに子どもから老人まで楽しんで生活をしている。またよく手入れされた自然と共存している生活の景色は美しい。

この本の中での証言を繋ぎ合わせると、この上ないユートピアに感じる。タイムスリップできるならこの時代に行って見てみたい。

確かに日本の庶民にも格差はあり、決してこのように満ち足りた生活を送れている集落だけではなかったと思う。それに、比較対象としての海外が、近代化に移行中という労働者階級にとって厳しい状況にあったということも当時の日本の生活をいいものとして捉えられた理由の一つだとも思う。

それでも、混乱のイメージがあった幕末にこのような庶民の生活が存在していたことに新鮮な驚きがあるし、「逝」っていまったとは言え、そのような性質をもった民族が祖先だと思うと少し嬉しくもある。

マニアックな本だけど、おすすめしたくなる。

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2022年02月24日

Posted by ブクログ

文庫本なのに600ページぐらいあります。買うとき背表紙の説明文とかもはや見てません。表紙に風情があったのと、この分厚くてごつい本を読んだという事実が欲しいがために手に取りました。


内容はふつうに良かったです。現代において「幸せとは何か?」を考えるときの参考になる気がします。

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2022年02月17日

Posted by ブクログ

あるレビューが頭から離れずにいた。
「長い上に読みにくい。訪日外国人の手記を集めて粉々に砕いて部分部分に埋め込んでしまっている」
それでも何とか読み切れたのは他でもない、外国人によるきめ細やかな記録のおかげだ。

彼らの観察眼はとにかく鋭い。着物の色から庶民が発した言葉まで、日本各地を旅した彼らの成果をまとめたら一冊見事なガイドブックが出来上がるのではないか。
当時の物・事を詳しく知りたいのなら第三者の記録をあたるのがやっぱり一番。お辞儀の仕方ですら、時代劇で見るのとは違うことが分かる。

レビューさんの仰る通り、確かに外国人の手記を集めただけのように見えて読みづらい。
ただ彼らの声を追うごとに時代小説を読んでいる時よりも現代の日本とは別世界に思えてきたし、純粋に自分もその世界を旅してみたくなった。
基本的に錠が備え付けられていないという江戸期の家屋に、明け方彼らが堂々と入場してみたら家の者が快く迎えてくれた…というどちらがまともなのかが分からなくなる記述もあったりと、コミカルな一面もあったりする。

「人びとを隔てる心の垣根は低かった」

彼らの記録した日本人はよく笑い、伸び伸びとしていて好奇心も旺盛。当時の感覚では「他藩=外国・海外=別の惑星」だったとどこかで読んだ気がするが幕末に明治維新とピリついた時代だったにも拘らず、みんな心に余裕があって臆さずに(異星人に等しい)外国人をもてなしていた。攘夷だの佐幕だのと騒いでいたのは実質志士達だけだったのでは?とさえ思えてくる。

「エルフ・ランド(妖精の国)」「みんな幸せで満足そうに見える」「この国では、暇なときはみんな子供のように遊んで楽しむのだという」「ここには詩がある」
思わぬ日本人像で実際戸惑った。あの底抜けの優しさにはこちらも心地良くなったが、この頃の人間にはどうしても戻れない。片や現世での生き様も考えものだ。
どんな人間でありたいか。逝きし150年前の人達は考えもしなかっただろうな。

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

既に失われた明治以前の日本人の暮らし向きや価値観を、当時の日本を訪れた外国人の手記・著書から紐解く。
今となってはいかに西洋由来の価値観が日本の日常に浸透しているかを自覚できる。ナショナリストが唱える「日本人らしさ」が空虚に響くほど、本書が紹介する失われた時代の営みは日本人の自分にも驚きを与えてくれる。

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2020年06月05日

Posted by ブクログ

半七捕物帳の時代の副読本として読む。
本書は江戸後期から明治初期に日本を訪れた外国人による日本訪問の記録を集めて、近代化以前の日本の面影を描写してみようという試みである。
この手の「日本」をテーマにし、良き点を書いた本は、どうしても左翼知識人からはオリエンタリズムに過ぎないと批判され、自国の文化を誇らしいと思いたい右翼に賞賛される。しかし、あくまで近代化によって消滅した文明を描くことで現代の参照にしたいという興味であって、それらの議論には興味がないという宣言をしている。第一章はこの立場表明に費やされている。
この第一章が難関で、今まで何度か断念していた。
あとは読みやすく、興味ある項目から拾い読みしても面白いと思う。幸福そうでみんなが満足しているという、日本はどんなところだったか。

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2020年05月19日

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ヤマザキマリの望遠ニッポン見聞録の参考文献だったのんで読む。◆MMの登録ユーザー数が200越で吃驚。

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2020年07月27日

Posted by ブクログ

近代化・西洋化に伴い滅んだ「日本の文明」を、幕末・明治期の外国人の訪日記から考察。

外国人が驚愕・混乱・嘲笑・嫌悪・称讃する当時の「日本の文明」は、2026年現在を生きるわたしにとっても驚きばかり。せこくて、だらしなくて、だが正直で自由——かつての日本人の生き方が少し羨ましくなった。

著者は公平な立場から各記録を引用し、意見を述べているようだが、あまりに的外れと思しき箇所については辛辣www

小泉八雲&セツ夫妻をモデルにした朝ドラ『ばけばけ』(ふじきみつ彦, 2025〜2026)が放送されている現在。個人的にはタイムリーな読書となったが、八雲は特殊すぎるのか本書では全く引用されず。

ただし、長い! 読み終えるまで半年近くもかかってしまった! また、わたしが買った一冊には「読書人垂涎の名著」と書かれた帯が巻かれていたが……それほど珍しくて優れているのか?

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2026年02月17日

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幕末から明治にかけて来日した外国人から見えた日本人像をまとめた一冊。序盤は日本人の良さや日本の魅力を伝えていた。
4章より少し助長になり読むことを断念してしまった

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2026年02月13日

Posted by ブクログ

幕末から明治初期にかけて日本をおとずれた外国人の印象記を渉猟し、それらの記録で語られている、現在はうしなわれた「文明」について論じている本です。

著者は日本人の歴史研究者のなかに、サイードの「オリエンタリズム」の考えかたを流用して、江戸時代の日本および日本人を称賛する外国人のことばを否認する傾向が見られることを指摘し、それを批判します。たしかに、そうした賞賛のことばをひっくり返して否定しさえすれば、日本の伝統の「本質」が把握されると考えるのはまちがっています。

しかしその一方で著者は、「私の関心は自分の「祖国」を誇ることにはなかった」といい、「私は現代を相対化するためのひとつの参照枠を提出したかったので、古き日本とはその参照枠のひとつにすぎなかった」と述べています。

外国人によって賞賛される日本および日本人にかんするさまざまなエピソードは、自分たちとは異なる文化に出会った彼らの驚きが出発点となって語られた言説であり、それによって日本および日本人についてのなんらかの本質的な規定をそこから引き出しうるようなものではありません。著者自身も、「私はことごとに「日本」を問題にしなければならぬ状況にうんざりしている」と、率直に語っています。本書に引用されている数々の証言は、個々人の体験という一点景にすぎないとはいえ、同時にそれは点景として把握された事実でもあります。

前近代の文明から遠く離れてしまった現代の日本に生きるわれわれにとっても、外国人の訪問者とおなじく、それらの点景を通じて日本の過去を知ることも可能であり、また過去から学ぶことも可能でしょう。著者がめざしたのは、そうしたしかたで現代のわれわれがそのなかで生きている文明を相対化する準拠点のひとつを示すことであり、それ以上でもそれ以下でもなかったと考えます。

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2024年10月03日

Posted by ブクログ

開国後に訪日した外国人の書き記した文献や絵画から当時の日本を眺めることができます。

現代の日本人はストレス過多で、人の目を気にして自分の気持ちを押し殺しながら日々の糧のために生きていると感じているのですが、
この本に書かれた日本人は愛嬌があり寛容で働きながらも祭りや季節の行事を楽しんでいて、何やら違う民族の話を聞いてるような感覚になります。
けれども、本来そう言った気質があったということは、現代日本人にも素質はあるのではないか?と希望を見出せるのではないでしょうか。
困難なことでもその中から独特な発想で解決を導き出したり、遊びが好きな気質などがそれに当たるかと。
昔に戻ることはできませんが、目指すことはできます。過去称賛ではなく、良いものに目を向けそれを伸ばしていく。本書からはそんなきっかけが得られるかもしれません。

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

江戸から明治期に日本を訪れた外国人が日本に関して著した書物を、テーマごとに紹介する。
もっとも、単に外国人の日本評を紹介するだけではなく、日本の知識人にありがちな文明開化以前の日本に関する否定的な評価に対する批判や、オリエンタリズム批判に対する批判を目的としている。

知識人の文章にありがちな、冗長で過剰な表現や比喩がやや鼻につく。

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2023年05月07日

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