国内小説 - 中央公論新社作品一覧

  • レイテ戦記(全四巻合本)
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    1巻5,280円 (税込)
    中公文庫『レイテ戦記』全四巻を合本したものです。既刊電子版と内容に変更はありません。 太平洋戦争最悪の戦場・レイテ島での死闘を、厖大な資料を駆使し、鎮魂の祈りを込め描く戦記文学の金字塔。毎日芸術賞受賞作。巻末に、講演「『レイテ戦記』の意図」、インタビュー「『レイテ戦記』を語る」、大西巨人との対談「戦争・文学・人間」、エッセイ「『レイテ戦記』を直す」を付す。 一 第十六師団 昭和十九年四月五日 二 ゲリラ 三 マッカーサー 四 海軍 五 陸軍 六 上陸 七 第三十五軍 八 抵抗 九 海戦 十 神風 十一 カリガラまで 十二 第一師団 十三 リモン峠 十四 軍旗 十五 第二十六師団 十六 多号作戦 十七 脊梁山脈 十八 死の谷 十九 和号作戦 二十一 ブラウエンの戦い 二十二 オルモック湾の戦い 二十三 オルモックの戦い 二十四 壊滅 二十五 第六十八旅団 二十六 転進 二十七 敗軍 二十八 地号作戦 二十九 カンギポット 昭和二十年一月二十一日―四月十九日 三十 エピローグ  連載後記  あとがき  改訂版あとがき  補遺  講演「『レイテ戦記』の意図」  インタビュー「『レイテ戦記』を語る」(聞き手・古屋健三)  対談「戦争・文学・人間」(大西巨人・大岡昇平)  エッセイ『レイテ戦記』を直す 付録  太平洋戦争年表  レイテ島作戦陸軍部隊編成表  書誌
  • 星三百六十五夜 春・夏/秋・冬
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    1巻3,960円 (税込)
    浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。 夏の夜空に数多の伝説が浮かび上がる。 虫の音を聞きながらほの青く光る秋空を眺め、 息づまるように美しい冬の星空に出会う。 星を愛し続けた詩人から、星を愛するすべての人へ、 ”星の抱影“が古今東西の詩文をまじえて綴る星日誌。 〈春・夏〉と〈秋・冬〉の巻を1冊にまとめて、365日の内容を収録。 巻末付録:国立天文台副台長・渡部潤一教授解説 〈春と夏の星空案内〉 〈秋と冬の星空案内〉
  • ゆめはるか吉屋信子(上中下合本) 秋灯机の上の幾山河
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    1巻3,850円 (税込)
    歴史に戦争に女同士の恋愛に……大好きな作家の人生を辿るおせいさんのまなざしが熱く、やさしい。 ――柚木麻子(上巻帯より) 男性中心の文壇に挑み続けた二人の女性作家。信子と聖子の「出会い」から生まれた奇跡のような評伝。 ――斎藤美奈子(中巻帯より) 大正、昭和と絶大な人気をほこった小説家・吉屋信子を敬愛してやまない著者が、その真の姿を描き尽くす。 栃木女子高校時代から頭角を現した吉屋信子は、竹久夢二の誘いで上京し、生きる道を模索する。『花物語』の連載から、やがて本格的な長編小説の執筆、そして流行作家へ。長谷川時雨、林芙美子、宇野千代ら作家や、生涯のパートナー門馬千代など、同時代に生きた女性達の姿も活き活きと描かれる。 吉屋信子の本格評伝にして、近代女性文壇史。さらには作家・田辺聖子が、男性中心の文壇で軽視されがちだった信子の作品に光を当てるフェミニズム文学批評の書。 〈解説〉上野千鶴子
  • 「スカイ・クロラ」シリーズ 全6巻合本版
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    1巻3,300円 (税込)
    ※中公文庫「新装版 スカイ・クロラ」シリーズ全六巻を合本。既刊電子版と内容に変更はありません。※ 最終作まで思いどおりに展開できた作品で、これ以上のものを書くのは、今後は難しいかもしれません。 ――森博嗣(巻末インタビューより) 大人になれない僕たちは、戦闘機に乗り戦うことしかできないのだ――永遠の生命を持つ子供たち「キルドレ」が戦争を請負う社会。指令を受け空へ出勤し、夜は同僚たちと歓楽街へ出かける。そんな彼らにとって生死とは、そして自我とは。戦闘機を駆る子供と地上で暮らす大人たちの物語。著者最高傑作シリーズ! 収録作品 ナ・バ・テア None But Air  〈解説〉吉本ばなな ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven  〈解説〉室屋義秀 フラッタ・リンツ・ライフ Flutter into Life  〈解説〉荻原規子 クレィドゥ・ザ・スカイ Cradle the Sky  〈解説〉押井守 スカイ・クロラ The Sky Crawlers  〈解説〉鶴田謙二 スカイ・イクリプス Sky Eclipse(短編集)  ジャイロスコープ Gyroscope  ナイン・ライブス Nine Lives  ワニング・ムーン Waning Moon  スピッツ・ファイア Spit Fire  ハート・ドレイン Heart Drain  アース・ボーン Earth Born  ドール・グローリィ Doll of Glory  スカイ・アッシュ Ash on the Sky  〈解説〉杉江松恋 巻末インタビュー(聞き手:清涼院流水) 『ナ・バ・テア』について 『ダウン・ツ・ヘヴン』について 『フラッタ・リンツ・ライフ』について 『クレィドゥ・ザ・スカイ』について 『スカイ・クロラ』について 『スカイ・イクリプス』について
  • 都筑道夫の小説指南 増補完全版
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    1巻3,080円 (税込)
    エンタテインメントの先駆者が伝える、本当に面白い小説の書き方と読み方とは? ミステリイ、SF、怪談、ショート・ショート、時代伝奇……様々なジャンルの実作者・実験者として活躍し続けた著者ならではの、「これから書きたい人」へのアドバイスを網羅。定評ある名著に初書籍化となるエッセイ・対談を大幅増補した決定版。これぞまさに「エンタテインメントの書き方」という名のエンタテインメント! 没後二十年記念刊行。(解説・佐々木敦) 【目次】 1 エンタテインメント小説の書き方を伝授しよう ※ 2 都筑道夫の小説指南 3 わが小説術 ※ 4 対話篇  ほんとうに怖い話が好きだ!(対談/高橋克彦)  現代ミステリーの問題点(対談/佐野洋)※  都筑道夫に教えてもらったこと(対談/鏡明)※  ポオさん、お顔を見せて見せてください!(架空対談/エドガー・アラン・ポオ) (※は書籍[ほぼ]初収録)
  • 散華 紫式部の生涯 (合本)
    5.0
    1巻2,970円 (税込)
    藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。 姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。 永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • 鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパ-ティーへようこそ
    5.0
    蓮實重彦、大岡昇平、西江雅之、篠山紀信ら9人のゲストを迎えて、70年代後半から80年代前半に収録された若き日のおはなし。野球のこと、時間のこと、言葉のこと、写真のこと、そして映画のことなどを忌憚なく語り合う、知的興奮に満ちた鼎談集。鼎談のお相手との思い出を語り合う「目白姉妹の語り下ろし対談」も収録!
  • 銀座で逢ったひと
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    関容子氏が、銀座で逢ったひととの思い出を綴る、PR誌「銀座百点」人気連載エッセイの書籍化。特別な街への憧れが募る1冊。 登場する人物 吉行淳之介/丸谷才一/堀口大學/戸坂康二/ドナルド・キーン/梅原猛/池内紀/色川武大/小松左京/井上ひさし/石垣りん/早坂暁/十七代目中村勘三郎/初代中村獅童/六代目中村歌右衛門/十二代目市川團十郎/四代目中村雀右衛門/二代目尾上松緑/十八代目中村勘三郎/沢村貞子/岸田今日子/加藤治子/池内淳子/太地喜和子/岡田嘉子/長岡輝子/平幹二朗/池部良/小沢栄太郎/小沢昭一/北村和夫/加藤武/桂米朝/古今亭志ん朝/安野光雅/岩城宏之/五十嵐喜芳/兄、眞之助
  • 定年物語
    3.3
    1巻2,310円 (税込)
    正彦さんが定年を迎え、さてこれからは、一緒に旅行を……と期待していた二人。しかし、折しも世の中はコロナで自粛中。そんな中で、新たなフェーズに入った二人の生活は? 俳句、骨董と、趣味の道をきわめる正彦さんと、二次元コードに苦しめられたり、日々のちょっとした生活の変化を楽しんだりする陽子さんの日常を綴る、シリーズ最新作。
  • 空の王
    3.0
    1巻2,310円 (税込)
    昭和11年夏、満洲国・奉天の街。新聞社の飛行士・鷲尾順之介は、殺人事件に端を発した銃撃戦に遭遇し、謎めいた美貌の歌手・宋麗淋を偶然助けた。それは運命の出会いだった。一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉は、同志とともに「ある計画」を遂行していた。そして、彼らの運命の糸は複雑に絡み始める――。ライバル社の行方不明機を発見した順之介は、突如現れた梶から銃を突きつけられる。内蒙古で「荷物」を引き取り、空輸しろと命令されるのだが……。否応なく操縦桿を握り、空へ上がった彼を待つ運命とは? そして、次々と明らかになる、驚愕の真実とは!? 壮大なスケールで描く冒険エンタテイメント!!
  • 村田喜代子の 本よみ講座
    -
    1巻2,200円 (税込)
    小説からノンフィクションまで、自作も含め国内外のさまざまな作品を取りあげ、執筆のいきさつや作品の背景を考察することによって、読書の楽しみをもう一歩深める実践的な術を伝える。取りあげられた作品は、『ネバーホーム』『やんごとなき読者』『エリザベスの友達』『チェルノブイリ原発事故』『唱歌の社会史』『おーいでてこーい』『いつか深い穴に落ちるまで』『長崎の鐘』など多数。
  • 連鎖
    3.9
    1巻2,200円 (税込)
    食品会社の社長・篠原の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかった。手形が不渡りになり、自殺の恐れがあると、妻からの捜索願を受理していた大阪・京橋署の上坂と磯野は、自殺とみて捜査を始める。篠原をめぐる人間関係、巨額の保険金、そして手形の行方……絡まりもつれ合う糸をほぐすような調査から見えてくる真相、その連鎖から浮かび上がる複数の事件は。
  • アマゾニア
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    16世紀、太古からの伝説が未だ息づくアマゾン河流域――女人族の〈泉の部族〉は精霊の庇護の下、豊かに暮らしていた。大弓部隊隊長・赤弓は、家族を殺された怨みから宿敵〈オンサの部族〉を倒し、一族に平和をもたらす。その直後、大河を下り、飢えたスペイン人たちが現れた。赤弓は一行を撃退するが、傷を負って取り残された黒髭の男を見た 守護精霊〈森の娘〉は、なぜか掟を破り、彼を部族に迎え入れるよう命じる……。濃密な生命と精霊に満ちた密林に展開する魂の喪失と再生の物語。

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  • 波濤の檻 オッドアイ
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    事実無根のゴシップ記事によって活動停止を余儀なくされた特別強行捜査局。マスコミの追及を逃れるため、海上自衛隊の海賊対策派遣に参加を命じられた朝倉だが、派遣先のジブチで謎の部隊に拉致されてしまう。朝倉救助のために動き出す特捜局の面々、NCIS(海軍犯罪捜査局)、そして日本最強の傭兵代理店。特捜局は朝倉を奪還し、解体の危機を乗り越えられるのか――。
  • やさしい猫
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    家族三人で暮らしたい、 ただそれだけの望みを叶えるのが こんなに難しいなんて シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いて、すったもんだはありつつも、穏やかな日々が続くはずだったのに……。 出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。 そんな小さな幸せが突然奪われたのは、 クマさんがスリランカ出身の外国人だったから。 〈ハラハラしてます〉〈ラストがよかった〉〈知らないって恐ろしい〉 読売新聞連載中から反響続々 中島京子の長編小説最新刊
  • ぼくらは、まだ少し期待している
    3.6
    1巻2,035円 (税込)
    町田そのこ氏、おすすめ! 「自分を誰かに明け渡さない。それが、誰かを救うことにもなるのだ」 札幌の進学校に通う土橋輝明は、数学と生物が得意な高校3年生。同学年の特進クラス国立文系で第一志望は北大文学部という秦野あさひとは、「優等生」同士ということで、学校行事にペアで駆り出されることも少なくない「腐れ縁」だ。ある日、あさひに相談を持ち掛けられた輝明は、予想外の内容に驚き、思わず席を立ってしまう。翌日、彼女が失踪したことを知った輝明は、片親の違う弟で「料理研究部」では彼女の後輩でもある吉川航とともに、その行方を追い始める。彼女はどこへ消えたのか? 輝明は東京へ、そして沖縄へ向かう。徐々にあさひの過酷な生い立ちを知るにつれ、輝明は……。 親に期待できなくても、人生を諦めなくていい――名作『氷の海のガレオン』『悦楽の園』の著者、10年ぶりの新作長篇。 【目次】 前口上 起 二○一三年七月中旬、北海道札幌市 承 二〇一三年七月下旬、埼玉県所沢市 転 二○一三年七月下旬~八月上旬、沖縄県那覇市~慶良間諸島 結 二○一三年十二月下旬、北海道札幌市 納め口上
  • 陽炎の闇 オッドアイ
    -
    1巻2,002円 (税込)
    横須賀で行われた海上自衛隊の観艦式。警備についた朝倉は、NCISのハインズから捜査協力の依頼を受ける。式に参加している米海軍空母内で殺人事件が起こったというのだ。急遽空母に乗り込んだ朝倉だが、事件への関与が疑われるロシア人スパイを追う矢先、艦内で第二の殺人が――。米国、ロシア、そして中国。各国の思惑が渦巻くなか、「特別強行捜査局」は真実に辿り着けるのか。25万部突破の人気シリーズ第10弾!
  • 中国行きのスロウ・ボート
    NEW
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    夏の芝生、雨の午後。その手触りは決して褪せることがない―― 〈これが記念すべき、安西水丸さんとの初仕事〉 村上春樹の最初の短編小説集を当時の装幀のまま単行本で復刻。 復刊に寄せて、著者による序文を新たに収録。
  • シャーロック・ホームズの凱旋
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    「天から与えられた才能はどこへ消えた?」 舞台はヴィクトリア朝京都。 洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!? ----- この手記は脱出不可能の迷宮と化した舞台裏からの報告書である。 いつの間にか迷いこんだその舞台裏において、私たちはかつて経験したことのない「非探偵小説的な冒険」を強いられることになったわけだが、世の人々がその冒険について知ることはなかった。スランプに陥ってからというもの、シャーロック・ホームズは世間的には死んだも同然であり、それはこの私、ジョン・H・ワトソンにしても同様だったからである。 シャーロック・ホームズの沈黙は、ジョン・H・ワトソンの沈黙でもあった。 -----(本文より) 謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、ついに開幕! 目次 プロローグ 第一章 ジェイムズ・モリアーティの彷徨 第二章 アイリーン・アドラーの挑戦 第三章 レイチェル・マスグレーヴの失踪 第四章 メアリ・モースタンの決意 第五章 シャーロック・ホームズの凱旋 エピローグ
  • 風に立つ
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度――補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて……。家族だからこそ、届かない想いと語られない過去がある。岩手・盛岡を舞台に、揺れ動く心の機微を掬いとる、著者会心の新たな代表作!
  • 4アウト ある障害者野球チームの挑戦
    -
    1巻1,980円 (税込)
    3アウトをくらっても、またやりなおせる――。 実話をベースにした、奇跡の大逆転の物語! ―逆境に立ち向かう、すべての人へ― 「バカヤロウ、野球ができるやつはみんな、弱者なんかじゃねえ」。熱血監督のもと結成された弱小の障害者野球チーム「東京ブルーサンダース」。勤務先の事故で利き腕を切断、脳梗塞で半身不随、水頭症による歩行困難……諦め、挫折、敗北をくりかえしてきた男たちが、野球や仲間を通して自信と希望をとりもどし、「障害者野球リーグ」日本一を目指す。そして奇跡の瞬間が――。
  • ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言 ~新感覚文豪ゲームブック~
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    こりゃいける、と君は思う。君は自分が本気を出せば、近いうちに文学賞を獲れると確信する。いや、芥川賞も夢ではないと思う。君は芥川賞を獲って君の好きな女の子の神になり、いけすかないインテリ風読書家どもを圧倒し、彼女に愛を告白しようと決めた。(本文より) 君は、美人読書家を振り向かせるため、彼女が神の如く崇める芥川賞作家を目指すことにした――。 君の選択で運命が変わる。最短2ターンでゲームオーバー(!)。抱腹絶倒、死屍累々の新感覚文豪ゲームブック誕生!
  • ヨルノヒカリ
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    いとや手芸用品店を営む木綿子は、35歳になった今も恋人がいたことがない。台風の日に従業員募集の張り紙を見て、住み込みで働くことになった28歳の光は、母親が家を出て以来“普通の生活”をしたことがない。そんな男女2人がひとつ屋根の下で暮らし始めたから、周囲の人たちは当然付き合っていると思うが……。不器用な大人たちの“ままならなさ”を救う、ちいさな勇気と希望の物語。
  • カモナマイハウス
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    空き家の数だけ家族があり、家族の数だけ事情がある――。 不動産会社で空き家のメンテナンス業に携わる孝夫。両親の介護を終えた妻・美沙は、瀟洒な洋館で謎の婦人が執り行う「お茶会」に参加し、介護ロスを乗り越えつつあった。しかし、空き家になっている美沙の実家が、気鋭の空間リノベーターによって遺体安置所に改装されようとしていることを知り……。元戦隊ヒーローの息子・ケンゾー、ケンゾーを推す70代の3人娘「追っかけセブン」など、個性豊かな面々が空き家を舞台に繰り広げる涙と笑いのドラマ、ここに開幕!
  • ギャラリスト
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    芸術は、カネだ―― 旧態依然とした日本の美術界を、天才ファンドマネージャーが食い荒らす。 圧巻の芸術系経済小説! 日本画最後の巨匠・門馬岳雲の作品が、クリスティーズのオークションで売り飛ばされた。それも、日本では考えられない安値で。これを契機として暴落する日本の美術市場。仕掛け人は天才ファンドマネージャー・江波志帆。彼女の狙いはいったい……?グローバル化が押し寄せる美術市場で、画商たちの戦いが始まる!
  • 食われる国
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    この国にはもう、抵抗する力がない。 人種差別、AI裁判、民間刑務所、洗脳教育―― 俺たちは、求められるようにしか生きられないのか。 2050年。日本の国力は低下し、海外資本が大量に流入。人口も減少し、かつて栄えた都市も今や廃墟と化していた。刑事である谷悠斗は池袋で発生した外国人拉致事件を追ううち、中国資本「未来集団」が経営するカジノに潜入することになる。これが地獄の始まりだった。 不当逮捕された悠斗は民間刑務所に収監される。洗脳とも言える教育の果てに「未来集団」の一員として、日本国土の買収を繰り返すことになる――。 悠斗に、この国に希望はあるのか? 荒廃が待つ未来の中に微かな光を示す傑作長編。
  • イオカステの揺籃
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    バラが咲き乱れる家で、新進気鋭の建築家・青川英樹は育った。「バラ夫人」と呼ばれる美しい母。ダムと蕎麦が好きな仕事人間の父。母に反発して自由に生きる妹。英樹の実家はごく普通の家族のはずだった。だが、妻が妊娠して生まれてくる子が「男の子」だとわかった途端、母が壊れはじめた……。平穏だった“家族”の崩壊が、いま始まる――。『オブリヴィオン』『銀花の蔵』の著者による、身も心も震える圧巻の家族小説!
  • 灰かぶりの夕海
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    どうして彼女がここにいる。 俺の前から、永遠にいなくなってしまったはずの彼女が――。 千真の前に現れた少女は、かつての恋人と同じ姿、そして同じ《夕海》と名乗った。だが彼女は、二年前に死んでいる……。 更に、仕事中に遭遇した殺人事件――密室の中で死んでいたのは、恩師の亡き妻とそっくりな女性だった。 彼女たちの正体は? そして、この世界には《ナニ》が起きているのか? 注目作家・市川憂人が描くのは、《世界の色》がガラリと変わる驚愕必須のミステリ。
  • 星三百六十五夜 春・夏
    -
    1~2巻1,980円 (税込)
    浮き立つような春の夜空に輝く幾千の星。 夏の夜空に数多の伝説が浮かび上がる。 星を愛し続けた詩人から、星を愛するすべての人へ、 ”星の抱影“が古今東西の詩文をまじえて綴る星日誌。 3月~8月を収録。 巻末付録:国立天文台副台長・渡部潤一教授解説〈春と夏の星空案内〉
  • タラント
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    あきらめた人生の、その先へ―― 片足の祖父、学校に行けなくなった甥、〝正義感〟で過ちを犯したみのり。小さな手にも使命が灯る、慟哭の長篇小説。 「今、だれもがスタートを待っている」 周囲の人々が〝意義ある仕事〟に邁進する中、心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。実家に届く不審な手紙、不登校になった甥の手で、祖父の過去が紐解かれるとき、みのりの心は、予想外の道へと走りはじめる。
  • 竜血の山
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    水銀、この美しい毒に囚われた二人の青年の数奇な運命―― 昭和13年、鉱山技師の那須野寿一は、北海道東部の山奥で、巨大な水銀鉱床と地図にない集落を発見する。〈フレシラ〉という名のその集落には、ある秘密を抱えた一族が暮らしていた――。 フレシラの鉱夫となった一族の青年アシヤ。寿一の息子で、水銀に魅せられた源一。太平洋戦争、朝鮮戦争特需、水俣病の公害問題……昭和の動乱に翻弄された二人の青年の、数奇で壮絶な生き様を描く! 【目次】 第一章 赤い岩 ―昭和13年 第二章 水飲みたち ―昭和17年 第三章 不死身の鉱夫 ―昭和18年 第四章 冷たい山 ―昭和24年 第五章 ある母子 ―昭和26年 第六章 人間の血 ―昭和34年 第七章 湖底 ―昭和38年 第八章 飛ばない鳥 ―昭和39年 第九章 きらめく水のほとり ―昭和43年
  • むーさんの自転車
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    高円寺の商店街で育った正雄は、実家の和菓子屋が倒産したため、米屋のむーさんと、長野へ移り住む。小林一茶を愛するむーさんとの暮らしと別れを経て、高円寺へと戻る正雄の成長を描く人情溢れる「平成版・純情商店街」。夏井いつきさん推薦!
  • コミックス作家 川村リリカ
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    三十歳の美しいコミックス作家・川村リリカと、同い年の敏腕編集者・野崎百合子。「俺」「お前」と呼び合う可憐な二人が、喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。「それはそのままタイトルになるね」「なるね。メモしとこう」。物語はどのように生まれるのか。創作の秘密が垣間見える連作集。 〈挿画〉牛久保雅美 【目次】 きみはミステリーだよ いまのような密会の時間 荒野は誘惑する スクランブルド・エッグス二個をかきこむ 苦手なものはありますか 豆腐とケチャップで微笑する 梨を切ろうとしたとき オーガズムと自分の現在 裸でプッタネスカ 青い色にからめ捕られて フレンチフライドポテト 雨のコカコーラ
  • 浪漫疾風録/星になれるか(合本)
    -
    1巻1,936円 (税込)
    翻訳ミステリ雑誌『EQMM』編集長を経て日本におけるハードボイルド小説の先駆者となった直木賞作家の自伝的実名小説。 一九五六~六四年の疾風怒濤の編集者時代を描いた『浪漫疾風録』と、『傷痕の街』でのデビュー後、六四~七八年の綺羅星のような作家たちの交遊を描いた『星になれるか』の合本。 ■目次 ◎『浪漫疾風録』 地獄へようこそ/悪戦苦闘/汗みどろの日々/粋で貧乏で/色やら恋やら/走り出す人々/ミステリ戦国時代/さらば編集者/あとがき ◎『星になれるか』 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章
  • 廉太郎ノオト
    4.2
    1巻1,925円 (税込)
    廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
  • 二人目の私が夜歩く
    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    この物語には、二人の「私」と、二つの「真実」がある。 結城真一郎氏絶賛! 読み始めて思った。「王道の辻堂作品だ」と。 読み終えて思った。「まんまと騙された」と。 昼と夜で、一つの身体を共有する茜と咲子。 しかし「昼」が終わりを告げたとき、予想だにしなかった「夜」の真相が明かされる――。
  • 煌夜祭
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    魔物の姫に会ったあの時、人生のすべてをかけて、彼らを救うと心に決めた―― ここは生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り継ぐため、年に一度、冬至の晩に煌夜祭が開かれる。今年もまた人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語の幕が上がる。 『レーエンデ国物語』で話題沸騰の著者の原点となるデビュー作に、外伝「遍歴(ピルグリム)」「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」を加えた決定版。
  • 葬式同窓会
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    卒業後7年ぶりに再会した、北海道立白麗高校3年6組の元クラスメートたち。それは同窓会ではなく、クラス担任だった水野先生の葬儀だった。思いがけず再会した皆は、高校時代の思い出話に花を咲かせる。そして水野が授業中におこした〝事件〟が切っ掛けで不登校になったクラスメートがいたことを思い出す――。かつて高校生だったものたちを睨む〝過去〟。大人になるとはなにか、そして生き直すことは出来るのか。誰もが自分に問いかけた思いを描く、青春群像劇の傑作。
  • 闇医者おゑん秘録帖 残陽の廓
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    数千の男女が蠢き、夥しい金が動く。 幻の花が咲く街・吉原。 遊女たちの命を次々に奪う病の正体は!? おゑんは、複雑な事情を抱える女たちを診ることを生業とする闇医者だ。吉原の廓・美濃屋で花魁の安芸を診察した帰り、甲三郎と名乗る謎めいた男がおゑんに声をかけてくる。美濃屋の主・久五郎と吉原の惣名主である平左衛門のもとにいざなわれたおゑんは、三日前に倒れた遊女・春駒を診て欲しいと二人に頼まれる。しかし、これまでおゑんが見たこともない症状で病み窶れている春駒は、治療も虚しく命を落としてしまう。平左衛門によると、最近、同様に亡くなった遊女は春駒で三人目だという――。 「婦人公論」人気連載、待望の書籍化。
  • 藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房
    4.1
    1巻1,870円 (税込)
    「好きでやってることだすけな、仲間っこが来てければ嬉しいよ」 趣味もなく学校でも進路に迷っていた綾。でも「ひし形屋」で、より子先生に南部菱刺しを教わって、世界が一変した!?「魔女の菱刺し工房」 母が認知症となり、接し方に悩む香織。より子先生と一緒に無心で刺している中、あるアイディアを思いつく。「ひょうたん」 長らく引き籠もっていたより子の孫・亮平。より子は静かに亮平を見守っていたが……。「真麻の聴色」 苦しい時、嬉しい時、そして誰かを想う時。布の目を数え、模様を作る――。 青森の南部菱刺しをテーマに描く、手芸×再生の四篇。
  • カラスは言った
    3.5
    1巻1,870円 (税込)
    「横山さん、第一森林線が突破されました。至急連絡をください」 世の中から距離を取っていた僕と、事件の渦中にいるカラス。 追われるまま向かった先には、刺激点で危険で、でも、ちょっと楽しい世界が広がっていた。 そして旅の終着点で、僕を待っているものは?
  • 幾千年の声を聞く
    3.4
    1巻1,870円 (税込)
    16歳での衝撃デビューから5年。この才能は、誰も予想しなかった進化を遂げた。 世界の中心に聳える巨大な〈木〉。人々は枝の上に家を建て、各地から人が集まり、やがて国ができ、文明ができた。だが、他国から〈木〉のもとを訪れた学者は気がつく。 「こんなものは本来、地球に存在しえない」。 この〈木〉はいったい何なのか?  宗教の長となった少女、天文学に人生を捧げる青年、革命組織に身を置く男―― 数奇な運命に巻き込まれた人々の叡智と苦悩が積み重なり、やがて壮大な謎が解き明かされていく。 これは力ではなく、知性で世界を変えようとした人たちの、幾千年の物語。
  • 伊藤ふきげん製作所 思春期をサバイバルする
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    思春期の「あのふきげん」とどう向き合うか。 家庭に1冊、備えて安心、悩める母の奮戦記。 子どもがつまずき、傷ついたとき、ベッド手ただただ、話を聞くこと。 体の変化を受け止めること。子どもを、そして自分自身を肯定すること。 いつかはきっと、笑顔になれる。 過激でまっとうな比呂美さんの子育て! 新収録を加えエッセイ増量。長女カノコからの一文も。 パワーアップして名著復刊。 〈読者の声続々!〉 「こんな母であってほしいと願ったし、こんな母でありたいと今は思います」 「いきなり海外で学校生活。姉妹と母親のしんどさがひしひしと伝わる」 「産む前に読んで、育てたあとに読んだら、別の本みたいで二度美味しい!」
  • ブラック・ムーン
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    祖国を無くしても、記憶を失っても、 染みついた誠だけは消えない。 「百舌」シリーズの逢坂剛が放つ、至高のエンターテインメント! 新選組副長・土方歳三は箱館で落命した――はずだった。頭部に被弾し記憶を失った土方は、内藤隼人と名を変え、彼を慕う時枝ゆらとともにアメリカ西部へと渡る。 隼人は自らの命を狙う元新撰組隊士・高脇との決闘の末、谷底に落下した。 瀕死の隼人を救ったのはトウオムア(黒い月)と名乗る謎の女性。彼女の目的は一体? そして隼人の行方不明により、ゆら、ピンキー、ボナーらにも、大きな転機が訪れる。 サムライたちの旅は、いよいよ佳境に迫る!
  • 小鳥、来る
    4.5
    1巻1,870円 (税込)
    夏休みが始まった。9歳のおれは、父を倒す日をじっと待っている―― 勉強ができるまーちゃん、毎日万引きするしらとり兄弟、 学年一強い女子のしまだ、何度も車にはねられるたけし。 動物園には誰よりも賢そうなゴリラがいた。 小さくてもタフな子どもたちの物語。 ブレイディみかこ氏、推薦! 「大人より賢くてタフな生き物のおかしくて悲しいさえずり。 ファックな世でも子は育つ!」
  • アフリカッ!
    3.3
    1巻1,870円 (税込)
    いざ地上最後のフロンティアへ。総合商社のシステムエンジニアだった村上大輝は、念願叶いアフリカ開発部へ。新規のビジネスモデルを探すべく人類発祥の地へと飛ぶ。ところが文化の違いは想像以上。地元民を相手に、いったいどんな商売が可能なのか? ついには自ら病に倒れてしまい――エチオピアからケニア、ロンドン、そしてザンビアへ。若き日本の商社マンが、世界を舞台に暴れまわる!? 国際開発コンサルタントの著者が贈る、痛快お仕事小説。
  • 恋シタイヨウ系
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    私たちの住む太陽系と似ているけれど、ちょっと違う「タイヨウ系」では、惑星間をさまざまな宇宙船が飛び交っている。人類は地球から他の星々へ自由に移住し、小さな町を作ったり、地元の住人と交流したり――。月、水星、金星、火星、太陽、木星、土星、天王星、海王星、冥王星。十の星で生きる人びとのさまざまな恋愛模様を、小説と短歌でファンタジックに綴る。ポップで、あたたかな、雪舟えまワールドへようこそ! 穂村弘氏、タカノ綾氏推薦。 目次 月 ナチュラルシティー 水星 あたらしい先生 金星 流星と見まごう船で 火星・太陽 僕らは愛の気流のなか 木星 おやすみ猫たち 土星 友好銀河にあこがれて 天王星 あなたが見えます 海王星 生まれ変わる僕ら 冥王星 王妃の愛  (全9話) 247ページ
  • 清十郎の目
    -
    1巻1,870円 (税込)
    山形のとある地方都市で、一介の労働者として生きていく上で最低限の生活を営んでいた青年・清十郎。成長するにつれ、成金や差別など不平等な社会に疑問を抱くようになり、ある日突然、持ち場を脱走してしまう。逃亡後の生活で、革命思想を持つ仏僧・剛寿や、寒村から身売りされた娼婦・桔梗との出会いに感化された清十郎は、日々困窮していく民を救うため、世直しを唱える剛寿のもと、町の支配勢力に立ち向かうことを決意するが――。
  • 蓮の数式
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    35歳のそろばん塾講師・千穂は不妊治療を始めて10年。夫と義母からの度重なる嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫の運転する車がひとりの男と接触してしまう。「金で解決しろ」と事故の処理を押し付けられた千穂は、男の不可解な行動を見て算数障害なのではないかと気づく。男の苦悩を理解し手をさしのべようとする千穂だったが、その行動を訝しみ嫉妬する夫は、異常な行動に出て千穂を追い詰める。これまで抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を引き起こしてしまうのだった――。愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる! 文芸評論家たちから絶賛の気鋭が放つ最新長篇。
  • 雪の階(上下合本)
    -
    1巻1,826円 (税込)
    親友の死は本当に心中だったのか。天皇機関説をめぐる華族と軍部の対立、急死したドイツ人ピアニストと心霊音楽協会、穢(けが)れた血の粛正をもくろむ「組織」(グルッペ)……。謎と疑惑と陰謀が、陸軍士官らの叛乱と絡み合い、スリリングに幻惑的に展開するミステリー。柴田錬三郎賞、毎日出版文化賞をダブル受賞、ミステリー各誌ベストテン入り!〈解説〉加藤陽子
  • 君が笑えば
    3.6
    1巻1,815円 (税込)
    幼なじみの鏡子とさやかは、鏡子の元恋人・耕太を巻き込むささいな諍いをきっかけに絶縁。互いに別々の道を歩み始める。鏡子はニューヨークでジャズピアニストに、さやかは岡山でシングルマザーに、耕太は東京でカメラマンに。歳を重ね人生の曲がり角を迎えた3人は、予想だにしなかった形で再び交わり合うことになり――。まだなにかを諦めるほど歳を取ったわけではない。しかし、無防備に新たな一歩を踏み出すほどの若さはない。微妙な年齢を迎えそれぞれの場所で立ちすくむ者たちは、秘めた情熱と葛藤を抱え、どこに向かうのか。
  • 山の上の家事学校
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。忙しすぎて“生活”が後回しになっている、大人たちへの応援歌!
  • 田辺聖子のエッセイ 食べるたのしみ
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    人生には二つのたのしみがある。一つは食べること、もう一つはおいしいものをこしらえること――。 通いつめた神戸の市場、奄美の豪快な豚料理、夏のスダチ酒とぬか漬け、なんといっても大阪のうどん。つくるのも食べるのも大好きな著者の、食にまつわるエッセイを精選。「献立メモと買い物の記録」「おもてなし日記」を初収録。 Ⅰ 台所と女性/おにぎりと私/蜜柑の思い出/イチジクとうどん/すぎにし方恋しきもの/春の菓子さまざま/大阪のおかず/夏の食卓の楽しみ/思いがけぬ美味/たべる/ラーメン煮えたもご存じない/のこりもの/わたしの朝食/食事憲法/松茸の風流/とりこみ主義/「梅干し」と私/春野菜/過ぎた小さなことども/神戸    * 献立メモと買物の記録 Ⅱ 食べるたのしみ/駅 弁/ニューヨークのマグロ/中国式朝食/茫然台湾/むき身すり鉢一ぱい五文/手料理/大阪・私の好きな店/てっちりオバン/てっちりパーティ/大阪のうどん/食卓の光景/永遠の美女/トトト……/田舎の風流/オトナの酒 * おもてなし日記
  • 死ぬまで続く恋
    -
    1巻1,760円 (税込)
    イタリアからのメールがぷつりと途絶えた2021年。その日、スポーツクラブで思いがけずあの人の背中を見た。まさかこんなところに!? 次の瞬間、私にはわかった。あぁこれが彼からの「合図」なのだと――。 1975年、伊紙でペンパルを募った33歳の主婦・伶子。数多の返信の中でも、パオロという男とは、不思議なほど文学や芸術の好みが一致した。育児に追われつつも勉学への志断ちがたく煩悶する伶子に、サラリーマンの夫はまったく無頓着で、海の向こうの男へと精神的傾倒を深めていく。 転機は78年、ついにふたりは対面した……。
  • 田辺聖子のエッセイ 女のイイ顔
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    ――ええ顔になってる。うまいトシのとりかたをしてる……いいなあ。いい顔になったなあ。 恋に仕事に趣味に家事に。結婚に妊活に子育てに介護に終活に……。 いつだって忙しく悩みはつきない。そんな女性の人生を、「まいにちバラ色」がモットーの著者が、あたたかく見つめたエッセイを精選。 肩の力を抜いて、みんなが「イイ顔」になりますように。 楽しく生きるヒントに満ちたアンソロジー。 巻末エッセイ:佐藤愛子「お聖さんの幸福」 【目次】 Ⅰ 女のイイ顔 とりあえずお昼/キラキラ生きる?/バラ色の人生/可愛い女からいい女へ/女のイイ顔/マンガになる顔/神戸の女性たち/幸福について―かるく一杯/私、これが好き―かるく一杯/女の自然 Ⅱ 結婚は楽し 恋愛の性・結婚の性/別れも楽し/おすすめ三十代結婚/「へーえ」の銀婚/ Ⅲ 老いてなおバラ色 老いる/オバンの夢/熟年と出家/「とんだりはねたり」と老いの花/「ヨタ」に生きる/乗り換えの多い旅/老いの現場報告/そのときはそのとき/九十年ひとむかし/万夫みな可憐―わが〈おっちゃん〉を見送るの記 Ⅳ 独りも楽し また、可/……(テンテン)/日本の後家/独楽/彼の口癖 Ⅴ 我が頭なでてやる 書くことに捧げた私の「夢見子」人生/人生の贈りもの/我が頭なでてやる―幸せのヒント
  • 最後のひと
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    75歳になって、86歳のひとを好きになって、何が悪いの? 燿子がついに出会った「ぴったりな人」。 人生仕上げの情愛がもたらすものは――。 ベストセラー『疼くひと』で70代女性の性愛を描いた著者が、 実感を込めて後続世代に送る、希望の物語 奇跡の出会い、周囲の偏見、肉体的交わり、終活への備え…… 「人は老いても、毎日を幸せに生きる権利がある」を合い言葉に、 燿子と理一郎がとった選択は?
  • まるい三角関係 三者三様おしゃべり三昧
    -
    1巻1,760円 (税込)
    「お題ナシ、すべてアドリブ」で繰り広げられる、二人のゲストとの気ままなおしゃべり。『婦人公論』好評連載のシリーズ第3弾。 【ゲスト】(敬称略) ・片桐仁 & 片桐はいり ・いとうせいこう & バービー ・博多華丸・大吉 ・よゐこ(有野晋哉 & 濱口優) ・齋藤孝 & 為末大 ・黒沢かずこ & 鈴木拓 ・水道橋博士 & 近田春夫 ・高田文夫 & 中野翠 ・岩崎良美 & 細田守 ・江上敬子 & 白鳥久美子 ・綾小路翔 & ヒャダイン ・天海祐希 & 草笛光子 ・さだまさし & 笑福亭鶴瓶 ・細野晴臣 & リリー・フランキー
  • 水底のスピカ
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    その転校生は、クラス全員を圧倒し、敗北させた――。夏休み明け、北海道立白麗高校2年8組に、東京からひとりの転校生がやって来た。汐谷美令――容姿端麗にして頭脳明晰。完璧な彼女は学校中から注目を集めるが、些細な事からクラスで浮いた存在になってしまう……。学校祭準備で美令と友人となった、クラスで孤高を演じる松島和奈。そして美令が孤立する原因を作ってしまった、クラスのカースト上位である城之内更紗もまた、美令、和奈と深く関わってゆく。それぞれ秘密を抱える三人が向かう先に待つものは、そして美令の「私、神様の見張り番をしているの」という言葉の意味とは……。今、彼女たちの人生で、もっとも濃密な一年が始まった――。誰もがあの時を思い出す、青春群像劇の傑作! 最高に美しいラストシーンを、ぜひご堪能ください!! 「 今、私がひとりではないことが、奇跡なのだ――」
  • 孤島の飛来人
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    「飛ぶのが、怖いの?」 仕事で空を飛んで、この島にやってきた「僕」に人生2度目の決行のときが近づく。 無人のはずの北硫黄島に住む人々、戦争の記憶、看守と囚人、6色の風船……。人はなぜ飛ぼうとするのか、そして飛ぼうとしないのか。 文藝賞受賞第1作に書き下ろし「孤島をめぐる本と旅」を収録
  • 旅立ちの日に
    3.9
    1巻1,760円 (税込)
    「――あなたに出会えてよかった」 東京湾を横断するフェリーが発着する小さな港町・金谷を舞台に、約30年に亘って、紡がれる出会いと別れ、そして再生の物語。――愛する妻、大好きな母を失った血の繋がらない父子。挫折し故郷に戻ったバレリーナと、寄り添う書道の先生。映画好きの同級生に恋した女子中学生の一大決心。卒業式間近に親友となった二人の男子高校生。余命宣告を受けた元妻と数十年ぶりに偶然再会した男。彼らを見守るフェリー乗り場の総合案内係・椿屋誠。無機質に見えた彼の心と表情も、人々の出会いと別れに触れ、やがて……。
  • モノクロの夏に帰る
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    海の向こうでは、戦争で毎日人が死んでいる。 でも遠くない将来日本からは、戦争を経験した人がいなくなる。 まだ若い僕たちは、この事実とどう向き合えばいいのだろう。 「僕は祖父の戦争体験を捏造したことがある」 戦時中のモノクロ写真をカラーにして掲載した『時をかける色彩』という写真集が刊行された。祖父母ですら戦争を知らない二十代の書店員がそれを店頭に並べたことで、やがて世界が変わり始める。保健室登校の中学生、ワーカホリックのテレビマン、アメリカから来た少年と、福島で生まれ育った高校生。遠い昔の話のはずだった「戦争」を近くに感じたとき、彼らの心は少しずつ動き出す。 平和を祈る気持ちが、小さな奇跡を呼ぶ。 読み終えたとき、少しだけ世界が優しく見える感動の青春小説。
  • 99年、ありのままに生きて
    -
    1巻1,760円 (税込)
    大正・昭和・平成・令和 4つの時代をかけぬけて――「今、生きていてよかったと、つくづく思います」。デビューまもない36歳のエッセイから、99歳の最後の対談まで。人々に希望を与え続けた、瀬戸内寂聴さんの一生を辿る決定版。
  • 化物園
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。だが侵入した家の猫に引っかかれ、逃げた先で奇妙な老人に出会い……「猫どろぼう猫」 自尊心が高く現実に向き合えない王司。金目的で父の死を隠蔽した後、家にやってきたのは……「窮鼠の旅」 〈お手伝いさん〉として田舎の館に住み込むことになった、たえ。そこでの生活は優雅だが、どこか淫靡で……「風のない夕暮れ、狐たちと」 その他「十字路の蛇」「胡乱の山犬」「日陰の鳥」「音楽の子供たち」全七篇。 恒川光太郎が描く《化物》たちの饗宴を、ご覧あれ。
  • おしゃべりな部屋
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近藤麻理恵が片づけてきた1000以上の部屋にまつわる実話を基に、 川村元気が紡ぐ7つの部屋の物語。 気鋭の絵本作家・大桃洋祐のカラーイラストを40点以上収載。 読売新聞連載時から話題沸騰の小説がついに単行本化! わたし、橙木ミコには、誰にも言えない秘密がある。 部屋にある、モノの声が聞こえてしまうのだ。服や靴、本や家具がみな、話しかけてくる。 わたしは、依頼された家の“片づけ”を手伝う仕事をしている。 今、わたしの隣にいる片づけの相棒はボクス。おしゃべりな小箱だ。 どうして、片づけが仕事になったのか? どうやって、モノの声が聞こえるのか? そもそも小箱が相棒って、どういうこと? きっとあなたは不思議に思うだろう。けれども、これはどれも本当の話。 わたしが片づけてきた部屋は、千を超えた。 服を手放せない主婦、本を捨てられない新聞記者、なんでも溜め込んでしまう夫婦、好きなものが見つけられない少女、死の間際に片づけを決意する老婦人……。 部屋の数だけ、そこに暮らす人と、おしゃべりなモノたちとの思い出がある。 今からすこしだけ、その話を聞いてもらえたらと思う。 これはわたしが実際に体験した、すこし不思議な七つの部屋にまつわる物語だ。
  • もう別れてもいいですか
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    離婚したい。でも、お金がない―― 『老後の資金がありません』の著者が女を奴隷扱いする男たちとの決別を描く、ベテラン主婦のハッピー離婚戦線。 決断は、幸福のはじまり! 50代、女の再出発を描いた傑作長篇。 夫は暴力も振るわないし、今のところは浮気も新たなキャッシングも発覚していない。そんな状態で離婚したいと思うなんて、世間の常識から外れているのではないかと思い、ずっと苛まれてきたのだが、今まさにその迷いが吹っ切れた思いだった。 だって、一緒にいるだけで息がちゃんと吸えなくなる。 (本文より)
  • 星を掬う
    4.3
    1巻1,760円 (税込)
    辛かった哀しかった寂しかった。 痛みを理由にするのって、楽だった。 でも……。 千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、自分を捨てた母・聖子がいた。 他の同居人は、娘に捨てられた彩子と、聖子を「母」と呼び慕う恵真。 「普通」の母娘の関係を築けなかった四人の共同生活は、思わぬ気づきと変化を迎え――。 町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。
  • 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか
    4.1
    1巻1,760円 (税込)
    昭和、平成、令和――時代は変わっても、実家から送られてくる小包の中身は変わらない!? 業者から買った野菜を「実家から」と偽る女性、父が毎年受け取っていた小包の謎、そして、母から届いた最後の荷物――。 家族から届く様々な《想い》を、是非、開封してください。
  • 捜査一課OB ぼくの愛したオクトパス
    3.5
    1巻1,760円 (税込)
    初老の巡査長・鉄太郎と、若手キャリアの警部・賢人が取り組む連続強盗傷害事件の捜査は難航していた。そんな折、賢人と母の久子は瀕死のタコを海で助け、自宅で飼うことに。夫を亡くしてから元気のなかった久子が、タコにソクラテスと名付け世話をするうちに明るさを取り戻していくのを見て、最初は馬鹿にしていた賢人もタコの持つ不思議な能力を認めるようになっていった。鉄太郎の身勝手な捜査に振り回されて悩んでいた賢人は、ソクラテスとの触れ合いによって事件解決のヒントを得て、次第に犯人に迫っていく――。 「SRO」「警視庁ゼロ係」など人気シリーズの著者、最新作書き下ろし!
  • 最高のアフタヌーンティーの作り方
    4.2
    1巻1,760円 (税込)
    老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームへ異動した涼音。夢にまで見た職場で初めて提出した企画書は、シェフ・パティシエの達也に却下される。 悩む涼音だが、お客様、先輩、そして達也の隠れた努力を垣間見ることで、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を練り直し……。 頑張りたい。だからこれは、自分への最高のご褒美! 「マカン・マラン」シリーズが大ヒット 心に染みると評判の著者待望の新作!
  • 君と、君がいる彼方
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    相原孝之は一級建築士で、妻の貴美子と中学1年生の娘・美加、小学2年生で料理好きの息子・康文の4人家族だ。ある日、息子が車にはねられ意識不明の重体に陥るが、時を同じくして、孝之の不倫や娘が学校でいじめられていることが発覚し、家族は瓦解寸前に。そんなとき、認知症の老人が相原家の前に何度も現れ、孝之の心にさざ波が立つ。孝之には幼い自分と母を捨て駆け落ちした父親がいたのだ。一方、康文の意識が戻らない中、老人とのふれあいを重ねるうちに、貴美子と美加の2人は驚くべき事実に気づくことに……。 不倫、いじめ、交通事故、そして認知症老人の作る手料理――崩壊寸前の家族に訪れた奇蹟の13日間。江戸川乱歩賞作家が満を持して贈る書き下ろし感動長編小説
  • 疼くひと
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    脚本家・唐沢燿子は古稀をむかえ、日に日に「老い」を感じていた。しかしSNSで年下の男と出会い、生活が一変する。70歳から始まった、身も心も溺れた恋の行方は……。大人の恋愛小説。
  • 優しいおうち 古民家再生物語
    -
    1巻1,760円 (税込)
    仕事人として年月を重ねるほどに、日本独自の建築法へと回帰する――。 体にやさしい建材を使った環境に負荷の少ない住まい。 木材の地産地消と、木組みの技術の継承。 住み手が愛着の持てる家づくりを目指して、全国の大工、建築士ら八人が、日本独自の建築法を活用しようと各地で奮闘する。実話をもとに彼、彼女たちの来し方を精緻に綴った「古民家再生物語」第二弾。
  • 古民家再生物語 古材を生かす、未来を建てる
    -
    1巻1,760円 (税込)
    仕事人として円熟するにつれ、「住宅の真価」が見えてきた 百年かけて、木材がその強度を増すように―― 体にやさしい建材を使った環境に負荷の少ない住まい。 木材の地産地消と、木組みの技術の継承。 住み手が愛着の持てる家づくりを目指して、住宅建築の現場で奮闘を続ける九人が 古い民家に未来を見出すまで。実話にもとづく物語  古い家を解体した際に出た古材を、早速新築やリフォームの現場で使ってみた。 するとどうだろう。家全体に生気が宿ったように感じられる。直線的な材木ばかり の空間に、ごつごつとした木肌や、うねりのある古材を入れることで、それまでな かった動きが生まれる。こんなに面白いものを使わない手はない。(本文より)
  • クラゲ・アイランドの夜明け
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    クラゲが好きだったあの子は、どうして死んだんだろう? 殺人、傷害、交通事故、違法薬物、違法労働、虐待、自殺者がゼロの海上コロニー――通称《楽園》。 その七つのゼロをはじめて「自殺」で破った少女・ミサキ。 彼女の死に疑問を抱いた僕は、彼女の行動を探りはじめる。そこには、七日前に現れた新種のクラゲが関係していた? 気鋭作家・渡辺優の描く、新世界。
  • 夏の迷い子
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    あのテレビ番組にお祭りの屋台、ほしかった玩具、胸躍らせたプロ野球、町並み、音楽、車、バブル。そして友達、初恋の人……。二度目の東京オリンピックを迎える、60年生きてきた定年世代の男達にあの日々が帰ってくる!? 過去の出来事・思い出と現実が交錯する、全7編収録の心にじわっと染み入る小説集。登場人物の中に、きっとあなたもいるはずです。【収録作品】アイドルを探せ/バス運転士/バブルの頃/テレビ男/聖火/ステイン・アライブ/夏の迷い子
  • 愛の色いろ
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    このシェアハウスで暮らす条件はただ一つ。 複数愛者(ポリアモリスト)であること。 ポリアモリーとは、性別を問わず、複数の人を同時に、誠実に愛するライフスタイルのこと。 一つ屋根の下で暮らす四人の男女。彼らが選択する生き方の先に見つけた新しい愛の形。愛とはなにかを問う書き下ろし小説。
  • 緑の花と赤い芝生
    3.6
    1巻1,760円 (税込)
    津村記久子さん大絶賛!「自分で選んだ人生を生きようともがく、対照的な二人の二十七歳。正確で精細に描かれた彼女たちの痛みと選択は、同じ壁の前でうつむく女の人たちの手を取るはずだ」 あたし、あんたみたいな女って大っ嫌い。だから、化けの皮を剥いでやりたかった。でも、こんなものが見たいんだったか……? 専業主婦の母に育てられた、リケジョでバリキャリの志穂子。 厳しい教師の母に育てられた、家庭に重点を置く杏梨。 女としてのスタンスが異なる二人が、志穂子の兄と杏梨の結婚で突然交わった時、彼女たちは何を思い、動くのか? 宰賞受賞作家・伊藤朱里の新作は、女性のリアルをえぐり出す。
  • 壁抜けの谷
    -
    1巻1,760円 (税込)
    「人間に本能なんかないよ」――死んだ友。その妻と娘と性交するぼく。あいまいな記憶。生者と死者が睦み合う、心地良くも危険なパレードがはじまる。存在することの根本を問いかける著者渾身の長篇小説。 「どのひともここへはまっすぐたどりつかれへん」 「長谷川が死んだらしいで」 「いうてみてよ。わたしとセックスしたんいつどこでよ」 「人間に本能なんかないよ」 「猫は死んだら大きな虎になるんや」 「あんたすぐそうやって男のこと好きになるよな」 「お母さん、武藤としたん??」 (本文より抜粋)
  • 清とこの夜
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    「大将、このお店、潰さないでよ」古びた居酒屋の無骨な店主・清を前に、常連客は今宵も上機嫌。定年退職を目前に妻の愛を確かめたくなった男、息子に捨てられたと嘆くシングルマザー、年の離れた妻が自慢の男と内心で夫に毒づく妻――それぞれの抱える願望や屈託が、酔うほどに顔をのぞかせて……。このカウンターで盃を傾ければ、人生の滑稽さがにじみ出る。哀切と笑いの酒場小説。
  • 僕とおじさんの朝ごはん
    3.8
    1巻1,760円 (税込)
    ケータリング業者の水島健一は、手を抜くことばかり考えているぐうたらな40代。最近、派遣先で「死ねる薬を持っていますか?」と聞かれることが続く。ケータリングの仕事をしている男が「楽に死ねる薬」を売り歩いているという噂がネット上で囁かれているらしい。ある日、健一は13歳の少年・英樹に出会う。過去の出来事をきっかけに心を閉ざしていた健一だったが、英樹と出会ったことで徐々に本来の自分を取り戻していく。さらに、派遣先で度々尋ねられる不可解な問いが意味を持ち始め――。「生きること」の意味を問う、書き下ろし感動長篇!
  • みなさんの爆弾
    3.1
    シングルマザーで官能小説家、初恋に暴走する中学生など、不器用な愛が弾ける女性たち。生きづらさも涙も明日の力こぶに変わる! はちきれそうな人生の輝きを詰め込んだ短篇集。 「初恋」         …12歳の体の中を暴れまわる“恋する本能”。女性同士だって関係ない。 「譲治のために」     …聡明で可愛い息子が、いつしか私の人生を狂わせていく。 「メアリーとセッツ」   …長いひきこもり生活が、正体不明の少年に打破されて―― 「官能小説家の一日」   …乳飲み子をあやし、今日も私はエロの本能を呼び覚ます。 「世界裏」        …若書きのホラー小説が、恐ろしき日常の裏面をくつがえし…… 「戦うなと彼らは言った」 …ファンタジー小説家は、いじめられた男子生徒の前でなにができるのか。
  • 50歳からの読書案内
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    50歳は「人生100年時代」の折り返し地点。大きな節目を迎え、後半戦をどう生きるか考えるとき、ヒントとなり支えにもなる本とは。各界の著名人が50歳以降も読み続け、読み返す座右の書50冊を紹介。絵本から古今東西の古典まで、人生経験に裏打ちされた大人のための読書エッセイ集。 (執筆者一覧) Ⅰ途上―折り返し地点をこえて見えるもの 藤森照信/関川夏央/北村薫/平田俊子/保阪正康/宮田珠己/養老孟司/俵万智/上野千鶴子/黒井千次 Ⅱ道標―人生の転機にノウハウ本は役立たない 冨山和彦/仲野徹/内田樹/原研哉/佐治晴夫/松田哲夫/末井昭/和嶋慎治/内田洋子/落合恵子 Ⅲ冒険―世界への窓はいつでも開いている 窪美澄/橋爪大三郎/近藤サト/小池昌代/酒井順子/三浦雄一郎/角野栄子/小林聡美/南伸坊/横尾忠則/小川洋子 Ⅳ再読―二度目からが本当の読書である 川本三郎/伊藤比呂美/鈴木保奈美/大竹しのぶ/宇能鴻一郎/松岡和子/竹内薫/中村桂子/小池真理子/里中満智子 Ⅴ再発見―その本は見事な変身をとげた 岡本裕一朗/若島正/ブレイディみかこ/中園ミホ/安田登/楠木新/金井美恵子/平松洋子/四方田犬彦
  • じじぃは蜜の味
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    「年寄りは自分達しか味わえない快楽を隠しながら生きている」 人気バンド・チューリップを率いた財津和夫も今年七五歳。夜中トイレに起きるし、病気自慢もしたいけど、老人になった今なぜか“ワクワク血湧き肉躍る気分”。頭の悪い不良だった一〇代、田舎っぺのままデビューした20代も振り返りながら、年寄りになってこそ見える音楽と人生、“老い楽”の面白さを語るエッセイ集。
  • ショローの女
    3.7
    1巻1,650円 (税込)
    新しい生活が始まった。 熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、 愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。 ハマる事象、加齢の実状、 一人の寂しさ、そして、自由。 老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。 熱く共感を集めて大好評の 『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く 〈伊藤比呂美の今〉
  • おじさんはどう生きるか
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    ピンチばかりの毎日に。 夫婦の冷戦、うす毛問題、時代とのズレ…… 迷える日常が楽しく化けるマナー考! ジェーン・スーさんとのナルホド対談収録 サインペンで胸毛を書いた10代。 バンド活動に苦心した20代。 おしっこをちびるようになった30代。 そして、生まれて初めて 母にプレゼントを贈った60代――  何度もの赤っ恥体験の末、今こそ綴る “意地を張らずに生きる” ヒント
  • 新装版 久遠(上下合本版) 刑事・鳴沢了
    -
    1巻1,650円 (税込)
    「最大の報復、それは刑事としてのプライドを奪うこと」。 堂場瞬一史上売上NO.1シリーズ、衝撃の最終巻。 突如、了の自宅を訪れた青山署の刑事たち。了が前夜会っていた情報屋の岩隈が殺害され、その容疑をかけられたのだった。次々と狙われていく関係者たち、残された謎の符号「ABC」――。背後に潜む復讐者の正体とは? 刑事として生まれた男、最大にして最後の事件。
  • 奔る男 小説 金栗四三
    3.8
    1巻1,650円 (税込)
    1912(明治45)年7月14日、ストックホルム五輪のマラソン競技スタート直前から、物語は始まる。日本初のオリンピック代表選手である金栗四三は、以後、1920(大正9)年アントワープ大会、1924(大正13)年パリ大会にも出場する一方、1920年の第1回箱根駅伝開催にも尽力。その他、現在のマラソンシューズの源流ともいえる「金栗足袋」を開発し、初めての女子連合競技大会を開催する。「日本初のオリンピック代表選手」にして「箱根駅伝の父」――進取の気性に富んだ「伝説のアスリート」が三度のオリンピックで刻んだ、不屈の軌跡。読売新聞人気連載、待望の電子書籍化。
  • マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ
    4.4
    1~4巻1,650円 (税込)
    元エリートサラリーマンにして、今はド派手なドラァグクイーンのシャール。そんな彼女が夜だけ開店するお店がある。そこで提供される料理には、優しさが溶け込んでいて――。早期退職者候補になった、仕事一筋の40代キャリア女性へは「春のキャセロール」を。手料理を食べなくなった中学生男子には「金のお米パン」。仕事に夢を見られない、20代のライターには「世界で一番女王なサラダ」。そして、病を抱え、倒れてしまったシャールへ、彼女に助けられた人々が素材を持ち込み、想いを煮込めた「大晦日のアドベントスープ」。じんわりほっくり、心があたたかくなる至極の4作品を召し上がれ!
  • 白いジオラマ
    3.3
    1巻1,650円 (税込)
    元刑事で、現在は神奈川県小田原市鴨宮で「防犯アドバイザー」を務める麻生和馬は、元引きこもりの孫・新城将に言った。「二万円やるから、俺のバイトを引き受けろ。張り込みだ」。無茶振りされた孫は、ある老女の〈捜査〉ならぬ〈調査〉を開始する。やがて、箱庭=ジオラマのような街の〈断層〉が浮き彫りになる――。姿を消した独居老人の行方は、そして、暗い顔で子ども食堂に通う少女に笑顔が戻る日はくるのか?
  • じゃがいもびいき 美食の国のふだんの味、三つ星の味
    3.0
    1巻1,650円 (税込)
    食卓を支える定番の味、名シェフならでは一皿、 クラシックな調理法、多彩な品種と歴史の話―― 〈目次より〉 窓辺の植木鉢でとれたじゃがいもの味/ラグビー・ボールのようにふっくら、しゃれたポム・スフレ/イタリアで出会った素敵なポテト・サラダ/伝説的なじゃがいものピューレ/ポール・ボキューズの名物料理、じゃがいもが鱗(うろこ)のほうぼう/じゃがいもの花とパルマンティエとルイ十六世/海藻のゴエモンを肥料に高級じゃがいもは海辺に育つ/とろけるチーズと山のじゃがいも/ケンブリッジ大学のフィッシュ・アンド・チップス/トリュッフと南仏のじゃがいものピューレ/ニョッキといも団子 ほか
  • 専業主婦になりたい
    3.5
    1巻1,650円 (税込)
    バツイチで出戻りの菫(すみれ)には、愛する子供と常識はずれの恋人がいて……。女の日常はかくもドラマチック! コミカルで、ちょびっと涙のお茶の間劇場開幕。
  • 小説集 Twitter終了
    -
    恋も友情もあった。人生があった。ここだけが、私たちの居場所だった。 2023年夏、突如として「X」と名前を変えられ、姿を消した世界最大のSNSプラットフォーム、Twitter。たったひとりの人間の思惑によって、居場所を奪われた人たちがいた。無邪気に飛び回る青い鳥を、140字でしか気持ちを伝えられない世界を、愛し続けた作家たちが紡ぐ「Twitterなき世界」の物語集。 収録作 青井タイル 「オタクどもの精霊降臨日(ペンテコステ)」 Twitterが終わろうとしている今、オタクたちはどう生きるか。 足立いまる 「それじゃあまた、Twitterという天国で会おう」 昔、相互フォローになった女性から、突然DMが送られてきた。 乙宮月子 「近くて遠い二人の距離」 学生時代からの友人は、今はインスタグラマーをやっている。 根谷はやね 「もう一人のあなたを作る方法」 誰からも愛される同級生が死んだ。私は彼女のアカウントを発見した。 九科あか 「結論から言うと、ツイッターが一番性に合いました」 私がやってしまったことを告白する相手は、あなたがいいと思ったんです。 斜線堂有紀 「Twitterが終了したので、ここでしか繋がっていなかった助手との関係が切れた。」 探偵と助手として多くの事件を解決したのに、俺はあいつのことを何も知らない。
  • 更年期障害だと思ってたら重病だった話
    3.6
    1巻1,540円 (税込)
    心臓よ、お前だったのか。指輪がきつくなったのも、爪の形が変わったのも、ペンを握りにくくなったのも、すべて年のせいだし、更年期だし、太ったせいだと思っていた。しかし、心臓よ、お前だったのだな!47歳。これまで仕事も家事も懸命にやってきた。一度も止まらず、脇目も振らず、なにからなにまで背負いながら……。ある日突然体調をくずし、病院に駆け込んだ。診断結果は「心臓弁膜症」。突然人生の大展開を余儀なくされた村井さんがたてた目標は、「ひとりで入院し、ひとりで歩いて、元気に退院する」こと。共感必至の人気WEB連載、書き下ろしを加えて待望の書籍化!
  • 獅子座、A型、丙午。
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    いつだったかドラマの演出家の男性に言われたことがある。「有名な旦那さんがいて、お子さんも育てて、女優もやって、すべて手に入れてますね、完璧じゃないですか」 びっくりした。私ってそう見えるんだ。外から見えるものを数えたら、確かにそうかもしれないな。でもね。私にも事情がある。やりたいことができなくて眠れないほど悔しいことも、逆立ちしたって手に入らない憧れも、自分の不甲斐なさにのたうちまわる夜更けもある。そう反論するのはわがままだろうか。――本書より
  • 富士
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    悠揚たる富士に見おろされる戦時下の精神病院を舞台に、人間の狂気と正常の謎にいどみ、深い人間哲学をくりひろげる武田文学の最高傑作。自作を語る「富士と日本人」、担当編集者・村松友視によるエッセイ「終章のあとのエピローグ」などを収めた増補新版。
  • 愛なき世界(上下合本)
    5.0
    恋のライバルが、人類だとは限らない。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋の教授、サボテン好きの後輩男子たちと研究に没頭する本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか――藤丸青年の求愛行動から真理の探究まで、すべての事件は研究室で起きている。世界の隅っこが輝きだす植物学会賞特別賞受賞作。〈付録〉「藤丸くんに伝われ 植物学入門(上・下)」〈解説〉伊与原新
  • 散華 紫式部の生涯(上)
    3.6
    1~2巻1,430~1,540円 (税込)
    藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。 姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。 永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • ゆめはるか吉屋信子 秋灯机の上の幾山河(上)
    -
    1~3巻1,430円 (税込)
    私なりの吉屋さんをさぐりあてたい――。吉屋信子(一八九六~一九七三)を敬してやまない著者が、満を持して贈る本格評伝。栃木女子高校時代から頭角を現した信子は、竹久夢二の誘いで上京し、生きる道を模索する。岡本かの子や野上弥生子らとの出会い、『花物語』の連載。やがて長篇小説の懸賞応募を目指すが、父の危篤の報が……【全三巻】
  • ないものねだるな
    3.1
    1巻1,430円 (税込)
    コロナ禍で激変した生活、母亡き後の実家の片づけ、忍び寄る老化現象…なんのこれしき!奮闘の日々。読むと気持ちが楽になる、アガワ流「あるもので乗り越える」人生のコツ。『婦人公論』人気連載エッセイ書籍化、待望の第3弾。
  • すばらしい新世界
    4.0
    1巻1,361円 (税込)
    ヒマラヤの奥地へ技術協力に赴いた主人公は、 現地の暮らしに触れ、深く人々に惹かれてゆく―― 人と環境との関わりの先に 新しい世界への光を予感させる長編小説

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