アンソロジー「短編宇宙」に収録の、二人が主人公の話が気に入ったので、読んでみた。
いやこれは参りました。
設定は近未来だけど、要は学園ラブコメというか青春グラフィティというか、家庭の事情とBL(そこに葛藤はないので、同棲であることが問題にならなくなった未来という時代設定と思われる)という要素は絡むも
...続きを読むのの、恋愛メインの割とシンプルな内容。
そういう話はあまり興味ないのに、これはグッときまくって、参りました。
文庫の帯には「宇宙一ピュアで切ない恋の軌跡」と陳腐なこと書いてるけど、いや、判る。そうかもしれない。
嬉しい楽しいの感情はハイテンション(あくまで内心)な一方、辛いことは淡々と状況だけを語り、でもその状況が本人にとってキツイことは確実に伝わり、ふとしたキッカケで泣き出して止まらなくなる主人公にグッとくる人は多いだろう。
ストレートに言葉にしない感情を、想像させるのがとてもうまい。
仮名遣いというか、普通は漢字で書くところち平仮名多用されてるのは何か意味あるのか、ちょっと不思議だけど。
あと、萩原の失神は結局何だったのか、明らかにされないのは気になるかな。