詩集・俳句 - 筑摩書房 - ちくま学芸文庫作品一覧

  • 詩の構造についての覚え書 ――ぼくの《詩作品入門》
    4.0
    詩を、作者の心情の直接的発露であり、それを伝える手段だとする見方は根強い。だが、詩において言葉は日常の用法とは異なる態度で取り扱われる。それゆえ、著者が「詩は表現ではない」と明言したとき、旧来の詩観は大きく揺さぶられることとなった。言葉を関係性によって捉えることが重視され、「作者─発話者─主人公」の区別に紙幅が費やされる。これらを通し、われわれは詩がどのようにして成り立つのか、その秘密に近づけるだろう。詩とはいったい何か。この問題を追究したものとして本書に並び立つ書はいまもって少ない。実作者も鑑賞者も一度は読んでおきたい詩作品入門。解説 野村喜和夫
  • 解説 百人一首
    -
    現代語訳と易しい語句説明、そして歴史的背景や古文の読み方、楽しみ方も根本から学べる「解説」と「余録」つき。遊びながら、寄り道しながら、子どもたちが自ら学ぶ力を養うという、受験教育とは一見対極にある方法をとりながら、灘校を第一級の進学校になるまで導いた、その授業とはいったいどんなものだったのか? 橋本流教育実践が凝縮された、古文入門の決定版。
  • 紀貫之
    3.5
    紀貫之は「古今集」の重要な歌人かつ中心的な編者であり、「土左日記」の著者としても知られ、また「伊勢物語」の作者にも擬せられている人物である。しかし「下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集」と正岡子規によって痛罵されて以来、つねにその言葉がつきまとい、正当な評価が妨げられてきた。はたしてそうだったのか? 本書は、詩人の魂による繊細な鑑賞によって「子規以来」のイメージを覆し、貫之が「フィクション」として豊かな才能に恵まれていたことや古今集の特徴である象徴と暗示を体現した歌人であったことなどを、精緻に論証していく。貫之の復権を成さしめた画期的歌人論。読売文学賞受賞。
  • 古今和歌集
    -
    最初の勅撰和歌集『古今和歌集』の全歌訳注。序詞・枕詞・縁語・掛詞・見立て・擬人法などの表現技法によって鮮明かつ複雑に詠まれた歌々の世界を、正確な現代語訳と注解、補注などによって明らかにする。発想や表現技法、鑑賞・読解の要点を簡潔に解説し、歌語研究をふまえた堅実で独自な著作として高い評価を受けた名著。本文庫での刊行に当たって全篇を見直し、新たに「四季の景物一覧」を設け、「歌語索引」を補訂し、「参考文献」を書き下ろした。
  • 宋詩選
    -
    唐詩の時代より、「詩」という形式が広く親しまれるようになり、作者も作品もはるかに数多かったと言われる宋代。本書では、この安定した中国的国家体制が敷かれていく時代を、北宋と南宋に大別し、おのおの約30人ずつの数作を選ぶ。自分が好きな詩に限って選んだと述べつつ、王安石、黄庭堅、蘇軾、陸游ら、偉大なる詩人たちの名作を解釈し訳出する。巻末につけられた編訳者による「解説」は、親しみやすい調子で書かれた充実の宋詩論かつ漢詩概説にもなっている。
  • 中国名詩集 ――美の歳月
    5.0
    詩歌の歴史は、人々の美感や美意識の歴史である。とりわけ、中国古典詩は、「抒情の器」として数多の名詩を生み出してきた。本書は、そうした歴史のなかから、「詠懐」「山水」「情愛」「飲酒」「自適」など12の章に分類し、主要作品を紹介。個々の作品の鑑賞を通して、それぞれの主題に関わる詩的時間の推移が追体験されることを目指している。詩の選択にあたっては、中国の詩歌史における源泉的作品、典型的な表現効果のある作品、独自の表現効果をもつ作品、という3つの観点からなされた。中国詩の広さと高さを伝える珠玉のアンソロジー。
  • 枕草子 上
    5.0
    1~2巻1,430~1,485円 (税込)
    大人のための、新訳。北村季吟の『枕草子春曙抄』本文に、文学として味わえる流麗な現代語訳を付す。上巻は、第一段「春は、曙」から第一二八段「恥づかしき物」までを収録。全二巻。
  • 萬葉集に歴史を読む
    -
    古の人びとの愛や憎しみ、執念や悲哀――『萬葉集』には、数々の人間ドラマと歴史の激動が刻まれている。考古学的な知見を駆使して、はじめて美しい歌の背後に潜むこうした生の歴史が浮かび上がる。持統天皇が病をおして、死の直前に行った三河行幸の真の目的とは? 壬申の乱の知られざる背景から、遣新羅使の謎、東歌から読み解く関東の文化と経済まで。「古代学」を提唱する考古学の第一人者が、古墳をはじめとする考古学的資料と文字史料とを織り合わせ、従来の文学的理解では決して明かされなかった謎の数々と古の日本人の心に迫る。
  • 万葉の秀歌
    4.3
    宮廷の貴族が、秘めた愛や篤き友情を詠み交わした「相聞歌」。防人が異国の地で望郷の想いをうたった「防人歌」。農民が戯れに紡いだユーモアあふれる「東歌」。古えの日本の心を豊かに伝えてきた『万葉集』全4500余首より珠玉の252首をセレクト。万葉研究の第一人者があらゆる地域、階層の万葉人の心に寄り添い、歌に隠された数々のドラマや四季折々の日本の風景に想いを馳せながら、丁寧に味わい、深く読み解く。巻一から二十まで順を追って辿り、それぞれの巻の歴史的背景や、用語などの基礎知識を学びつつ鑑賞できる『万葉集』解説の決定版。
  • 梁塵秘抄
    4.0
    遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん――平安時代末に大流行した「今様」を時の帝王・後白河院が編纂した『梁塵秘抄』。目新しく派手な魅力をもつがゆえに今様と呼ばれた歌謡は、貴賎を問わず大流行した。その主な担い手は社会の底辺を生きる女性芸能者であったが、今様の魅力に取りつかれた院は、周囲に眉を顰められながらも、遊女や傀儡女を召しては習い、狂おしいまでの熱中ぶりであったという。本書には、みずみずしく時にユーモラス、また時に悲惨でさえある、『梁塵秘抄』の生き生きとした今様から代表歌を収録。懇切な解説によってその世界が現代によみがえる。

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