社会学作品一覧

  • アブラヤシ農園問題の研究Ⅰ【グローバル編】--東南アジアにみる地球的課題を考える
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    1~2巻4,180円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なぜ、東南アジアでアブラヤシ農園が急拡大しているのか? その世界への影響と問題解決の方向は? 学問分野・社会的立場の垣根を超え、グローバルな視点から焦眉の課題の解明に挑む。  インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国では、パーム油原料のアブラヤシを栽培する農園が日本の国土面積の半分以上の規模に広がり、現地の自然や社会を大きく変えている。本書は、アブラヤシ農園拡大の原因と影響を文理両分野のグローバルな視角から解明し、それが引き起す問題を解決する方途を探る。姉妹編のⅡ【ローカル編】と併せて世に問う。
  • 国家興亡の方程式 歴史に対する数学的アプローチ
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 歴史を自然科学のように研究することはできるだろうか?  本書の著者、ピーター・ターチンは、歴史×数学という新しい枠組みで、この問いへの回答を試みる。このようなアプローチの重要性を示すことからはじめ(1章 取り組むべき課題・問題を明らかにする)、数学の簡単な紹介の後(2章 地政学)、歴史文献の圧倒的なレビューと精緻なモデル化で理論の検証を行う。  まずは「地政学」である。国境線や国家の置かれた地形によって国家の興亡を説明できるだろうか? 社会学的な記述を数式に落とし込んで分析した結果、国家の興亡が繰り返されてきた過去の歴史を再現するには何かが足りないことが示唆された(3章 集合的連帯)。  そこで注目したのが記号的に区分された集団(エトニー)が連帯して行動を起こす力である。これをもとに、メタエトニー辺境理論という新たな理論を提案する(4章 メタエトニー辺境理論)。これを実際の歴史と照らし合わせることで、高い説明力を持つ理論であることが確認された(5章 メタエトニー辺境理論の実証検証)。  次に、記号的に区分された集団であるエトニーがいかにして形成されるかを考察するために「民族運動学」を展開する。これは、ある民族がいかにして帝国に取り込まれるか、あるいは新たな宗教に改宗するかといったことを説明するための理論である。複数のモデルを作成し、それを実データと対比することで、自分の周囲の人の動向に歩調を揃える「自己触媒モデル」の説明力が高いことが示された(6章 民族運動学)。  そして、人口と国家の動態とを結びつける「人口構造理論」を展開する。人口をエリートと農民の2階級に分けて考えることで、エリートのふるまいが国家の衰退に対して強い影響をあたえることが明らかとなった(7章 人口構造理論)。また、この「人口構造理論」から、長期にわたる人口の増減が歴史上普遍的な流れであることが示唆され、再び実データと対比することによってその傾向を確認した(8章 永年サイクル)。  本書のしめくくりとして、ここまでに築きあげた理論を用いて、フランスとロシアの歴史を紐解いていく。ここで作り上げた3つの理論が、両国家の歴史をみごとに描くことが示されると同時に、理論の改善すべき点も示唆された(9章 ケーススタディ)。  最後に、本書の全体を振り返るとともに、この新しい研究分野を「動的経済史」と呼ぶことが提案される(10章 結論)。
  • 〈メディア〉の哲学 : ルーマン社会システム論の射程と限界
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    1巻4,224円 (税込)
    常識的な「メディア」観の問題性を抉り出し、しりぞけた上で、それに変わる新しい「メディア」理解の構図を対置、と同時に難解を以て知られる理論社会学者ニクラス・ルーマンの一つの解読の試みも行う。
  • ポスト青年期を生きる高学歴独身女性たち
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    1巻4,290円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代日本の高学歴独身女性たちはどのようにライフコースを歩み、切り開いているのか。居住地や地域移動は彼女たちのキャリア選択をどのように分岐させるのか。就職・転職・親子関係と結婚をトピックに、20-30代女性への反復的インタビュー調査結果から分析。
  • 母性の抑圧と抵抗
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    1巻4,290円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 産み育てが自己責任化する社会の潮流のなかで、自己責任化した母性は、母親たち・女性たちにどのように作用し、抑圧としてあらわれてきたのか。それに対して、子どもを育てる母親たちはどう抗ってきたのか。 ケア・フェミニズムにおける母性や母親の捉え方の議論を丁寧に整理し、母親業の実践に政治的な価値を見出しエンパワメントとして用いる対抗のあり方を戦略的母性主義という視座から明らかにする。
  • 映像のアルケオロジー 視覚理論・光学メディア・映像文化
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    1巻4,400円 (税込)
    第15回日本社会学会奨励賞を受賞。 スマートフォンやパソコン、タブレットPC、プロジェクション・メディア……「スクリーンの遍在」と「映像の多様化」という現代のメディアをめぐる状況を理解するためには、テレビや映画ではなく、むしろ写し絵や幻燈、連鎖劇やキネオラマといった19世紀転換期の忘れられた映像文化に光を当てることが重要である――過去の映像メディアを同時代の社会制度や科学技術、大衆文化の連関のなかに位置づけることで、日本近代の豊かな視覚文化を照らし出す。歴史と現在を対置し、19世紀の多彩な映像文化こそが現代の映像環境を準備したことを示す、メディア研究の重要な成果。
  • 日本の初期テレビドキュメンタリー史
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    1巻4,400円 (税込)
    1957年からNHKで放送されたテレビドキュメンタリー・シリーズ『日本の素顔』は、戦後社会で映画とは異なる新たな表現を切り開いた。初期テレビ制作現場に集った人々はどのようにテレビドキュメンタリーを創造し、どのように『日本の素顔』を作り上げていたのか。 本書では、放送アーカイブを活用して現存する『日本の素顔』を視聴し、当時の資料を渉猟し、関係者へのインタビューを積み重ね、当時の制作現場での試行錯誤や模索、様々な実践に光を当てて、テレビドキュメンタリーという表現形式の独自性を明らかにする。 具体的には、大阪中央放送局の番組制作の実態、制作現場で立ち上がる規範や葛藤、『日本の素顔』唯一の女性プロデューサーの実践などから、東京中心の初期テレビドキュメンタリー史に東京/大阪、男性/女性、エリート/アシスタントという視点を挿入して、『日本の素顔』の複数性と重層性を浮き彫りにする。 これまでの初期テレビドキュメンタリー史では十分に記されてこなかった番組制作の営みや、ドキュメンタリーという表現が内包するグラデーションを可視化する労作。
  • 認知アポカリプス――文明崩壊の社会学
    3.0
    人類はいま史上最長の自由時間を手にしている。労働など生命維持のために必要な時間は1800年の48%から11%に減った(フランスでの統計)。先人には夢のようなこの時間が向かう先は、スマートフォンなどの画面である。そこでは正統な学知とデマが対等となり、世界を単純化するストーリーや、注意を惹くためだけに設計された広告が人の認知を奪い合う。AIが人間の仕事を代行するようになれば、自由時間はさらに飛躍的に増えるだろう。しかしそれは意味のあるものを生むために使われるのではなく、認知の争奪戦が繰り広げられる市場でただ蕩尽されて終わる可能性が高い。高度な文明の源泉は人間の脳である。気候変動などの危機を乗り越える可能性も、人間の脳からしか生まれてこない。この頭脳を働かせることのできる時間が最大化している現在、それを貪ることで利益を上げる経済モデルにわれわれは直面しているのである。この状況は、生存可能性を高めるものとしてヒトが具えてきた生物学的特徴が、テクノロジー社会とミスマッチを起こした結果でもある。この規制なき認知市場を放置することの意味を、われわれは真剣に考えなければならないだろう。現下の問題は、フェイクや陰謀論や反知性主義などすでに指摘されてきた弊害よりずっと根深く複雑だ。人類史上かつてない課題に、認知科学と社会学からアプローチする異色の試論。
  • 現代フランスのエリート形成 言語資本と階層移動
    -
    1巻4,400円 (税込)
    フランス社会は学歴に強く支配されていて、学歴と職業が直結している。そのため、グランゼコールという難関の高等教育機関に入るための厳しい選抜競争を勝ち抜いた人々は自他ともにエリートであると認められている。現代フランスでエリートになるには、どのような能力が求められるのだろうか。 本書では、ピエール・ブルデューとジャン=クロード・パスロンが提示した「言語資本」概念を下敷きにして、グランゼコール入学試験の際のフランス語の運用能力に着目する。選抜におけるフランス語の重視度や運用能力の獲得過程を調査するため、入学試験を分析し、名門グランゼコール在学/卒業生とその親、受験準備学級の教師たちに対するインタビューを実施する。 そして、現代フランスでエリートになるためには、フランス語の卓越した運用能力が専攻を問わず重視され、それ自体が資本として機能していることを明らかにする。また、言語資本は出身家庭で獲得され、継承されるだけではなく、学校教育でも獲得できる非-世代継承的な側面があり、またその内実が変容していること、それによって移民家庭などの恵まれない階層出身者であってもエリートへの階層移動が可能になっていることを照らし出す。
  • フーディー グルメフードスケープにおける民主主義と卓越化
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 食を自分のアイデンティティやライフスタイルとして捉える人々=フーディー。その言葉や存在は、TBSドラマ『グランメゾン東京』や三越伊勢丹運営の食メディア「FOODIE」、雑誌の特集で、日本でも知られるようになった。 高級店を訪れる一方、オーガニック食品やローカルフード、「手作り」にも引かれ、郷土料理やエスニック料理も味わう。「良い食べ物」を食べて学ぶことに強い関心をもつ彼/彼女たちの実態とは、いったいどのようなものか。 現代アメリカのフーディーの生活世界、セレブシェフへの熱狂、レストラン批評やフードブログの隆盛に、雑誌記事やテレビ番組、フーディー当事者へのインタビューから多角的に迫る。そして、「食の民主化」と「エキゾチシズム・真正性への希求」という食文化の両義性と、両者の緊張関係を析出する。 フーディーをめぐる食文化から階級や人種、ジェンダーの問題系を浮き彫りにして、そこに潜む社会的な不平等や雑食的な文化資本、卓越化の戦略を明らかにする「食の社会学」。
  • 趣味の社会学 文化・階層・ジェンダー
    3.0
    1巻4,400円 (税込)
    「日本に経済格差はあるが、文化的には平等である」――戦後、こういった神話が語られてきたが、はたして本当に平等と言えるだろうか。平等だと言うことで、どういう現実が覆い隠されてきたのだろうか。 ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』の問題意識と方法を共有しながら、社会調査や計量分析を基に、日本の文化資本の機能を読み解く。 芸術・音楽・読書などの趣味とジェンダー/ライフスタイルの関係、趣味を通じた友人のネットワーク形成、家庭の文化資本が学歴や地位の形成に及ぼす効果とその男女差などの分析を通して、日本における文化的オムニボア(文化的雑食性)という特性とジェンダーによる文化の差異を浮き彫りにする。そして、日本で文化の再生産が隠蔽されてきたメカニズムを解き明かす。
  • VIP――グローバル・パーティーサーキットの社会学
    5.0
    元モデル研究者が超富裕層のパーティー界に潜入し、「モデルとボトル」の世界を分析。いかにして女性美は男のステータスに転換されるか?┴「蚊に刺され、午後の暑さで汗まみれになった私が目を覚ますと、午後5時だった。ここはマイアミのスター島にある別荘のゲストハウス。…26歳のクラブプロモーター、サントスにくっついて3日前にマイアミに到着して以来、私はクラブからクラブへ、ホテルのペントハウスからパフ・ダディの早朝プールパーティーへと、パーティーをはしごしまくっていた。…私は世界のVIP向けのパーティーシーンに潜入し、彼らが膨大な可処分所得をどう使っているのか、そして自分の金を無駄に投げ捨てるという、第三者から見れば馬鹿げている現象についてどう思っているのかを理解しようと試みた。…そこでは女性の身体が男性のカネに照らして査定される。次々と運ばれるシャンパンのボトルは…名声と男性優位のヒエラルキーシステムの中枢にある一種の儀式なのだ」(プロローグ)
  • 液状不安
    3.0
    確実性・安定性・計算可能性を喪失して流動性が高まった現代社会で、不確実性を象徴する「不安」は多様な形で、多様な場面で私たちの生活とともにある。死・悪・自然災害・テロ・世界経済・金融市場などを素材に不安の源泉を明視し、不安に抗する思考を描き出す。

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  • 女性の仕事と日本の職場――均等法以後の「職場の雰囲気」と女性の働き方
    -
    1巻4,510円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の民間企業における企業文化・職場風土・雇用慣行は、働く女性の就業・出生行動にどのような影響を与えているのか。また、「職場の雰囲気」はいかなる要素で醸成されるのか。学際的なアプローチと新たな理論を用いて、理論と実証の両面から女性の労働と職場規範の関係を明らかにする。
  • メディア論の冒険者たち
    3.0
    1巻4,620円 (税込)
    メディアについての議論百出諸説紛紛。ベンヤミン、マクルーハン、ボードリヤール、エーコ、マクロビー、キットラー、マノヴィッチ、ラマール、ホイ……。彼ら/彼女らがメディアに関して紡いだ思考の核心を浮かび上がらせる。第一線で活躍するメディア研究者が執筆するメディア論を知り学ぶための最強テキスト。 【主要目次】 はじめに(伊藤 守) Ⅰ メディア論の目覚め ガブリエル・タルド:モナド論からメディア論へ(伊藤 守) ヴァルター・ベンヤミン:媒質から複製技術メディアへ(竹峰義和) テオドール・W・アドルノ:同一化と抵抗の弁証法(竹峰義和) レイモンド・ウィリアムズ:テレビのフォームとフォーメーション(山田雄三) マーシャル・マクルーハン:メディア論の発見者(門林岳史) Ⅱ メディア論の展開 ジャン・ボードリヤール:モノの記号論からメディアのシミュラークル論へ(塚原 史) ウンベルト・エーコ:偶然からのメディア論!?(西 兼志) スチュアート・ホール:イデオロギー分析としてのメディア論へ(有元 健) アンジェラ・マクロビー:フェミニスト・カルチュラル・スタディーズの広がる領野(河野真太郎) レイ・チョウ:眼差す力とメディア(本橋哲也) フェリックス・ガタリ:Machine=「機械」の思想(伊藤 守) フランコ・ベラルディ(ビフォ):アウトノミア運動と自由ラジオ(毛利嘉孝) ポール・ヴィリリオ:メディア技術の速度(今関裕太) Ⅲ デジタルのメディア論 フリードリヒ・キットラー:メディアの系譜学と技術への問い(大宮勘一郎) ベルナール・スティグレール:〈アテンション〉からのメディア哲学(西 兼志) マーク・B・N・ハンセン:テクノロジーと身体の媒介者(増田展大) レフ・マノヴィッチ:デジタル文化のメディア論(堀 潤之) アレクサンダー・ギャロウェイ:脱中心化以後のコントロールはいかに作動するのか(松谷容作) マシュー・フラー:ソフトウェア・スタディーズを組織するメディア実践者(毛利嘉孝) Ⅳ メディア論の最前線 トーマス・ラマール:アニメを通して思考するメディアの理論化(藤木秀朗) ヘンリー・ジェンキンズ:媒介(メディエイト)される文化(渡部宏樹) ロザリンド・ギル:変容し続けるメディア・ランドスケープと女性性(飯田麻結) サラ・バネット=ワイザー:メディア文化と両義性の政治(田中東子) ジョディ・ディーン:メディア論と左翼政治の交点に立つコミュニスト政治学者(水嶋一憲) エルキ・フータモ/ユッシ・パリッカ:メディア考古学はどこへ向かうか(大久保 遼) ブライアン・マッスミ:〈不安/怖れ〉とテクノロジー(伊藤 守) ユク・ホイ:宇宙技芸の多様性(原島大輔) おわりに(伊藤 守)
  • 産業変動の労働社会学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 アニメ産業は受注産業であり、その不安定な構造の中でも、長らく常時の生産ラインを抱えることなくフリーランスを中心として労働力を満たしてきた。だが、アニメ産業は同時に熟練した労働者が必要な労働集約的な産業でもある。そうした産業が継続されるには、労働者が長期にわたって「働き続けたい」と思う必要がある。一見すると不安定な状況下で就業継続しているアニメーターの「当事者の論理」に注目することで、フリーランスのキャリアを社会学的に捉える意義と可能性を提示する。
  • ライブハウスの人類学
    4.0
    1巻4,620円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 閉鎖的で非合理な「場」として語られるようになったライブハウス。社会の周縁へと押しだされながらも、その場へ集う人びとの実践を考察することで、協働的な「自分達にとっての価値」が生まれる道程を捉える。
  • サードプレイス――コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」
    3.6
    第一の家、第二の職場とともに、個人の生活を支える場所として都市社会学が着目する〈サードプレイス〉。そこでは人は家庭や職場での役割から解放され、一個人としてくつろげる。著者オルデンバーグが、産業化‐効率化‐合理化を進めてきたアメリカ社会と、そのもとに展開されてきた都市計画が生んだ人々の孤独の問題を批判しつつ、地域社会を再び活気づけるための〈サードプレイス〉として注目するのが、地域に根ざし、長く人々に愛されつづけている地元の飲食店だ。「見知らぬ者どうしの気楽で面白い混交」を創り出し、情報交換・意見交換の場所、地域の活動拠点としても機能する、地元の飲食店や個人商店ならではの特質が社会学の知見をもとに照らし出される。第I部では、〈サードプレイス〉の機能、特徴、物理的な条件が詳細に解説され、第II部では、イギリスのパブやフランスのカフェなどの具体例から、文化や国民性が生み出す〈サードプレイス〉のヴァリエーションが紹介される。さらに第III部では、社会・政治面での〈サードプレイス〉の課題とその解決策が論じられる。 全編を通じ、オルデンバーグが〈サードプレイス〉に向ける期待は揺るぎない。そこには長年「とびきり居心地よい場所」に親しみ観察してきた者の実感と、「コミュニティの問題は住民の力で解決できる」という市民魂がみなぎっている。店舗設計、都市計画、マーケティング、地域社会づくりの分野に刺激を与えつづけてきた書の待望の邦訳。
  • 情報文明論
    4.0
    1巻4,697円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「社会システム論」とその「文明論」への発展。日本の近代文明の特質を明らかにしつつ、文明の進化の諸層と、来たるべき「智識文明」の在り様を探る。著者多年の理論的考察の集大成。
  • 排除と抵抗の郊外 フランス〈移民〉集住地域の形成と変容
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    1巻5,060円 (税込)
    第16回大佛次郎論壇賞、第33回渋沢・クローデル賞受賞! 2015年パリ同時多発テロ以来、注目を集める「ホームグロウン」の若者たち。そのような移民・マイノリティの若者が集住する「郊外」はどのように形成されたのか。「郊外」を起点にフランス主流社会とマイノリティの亀裂をたどり、暴力の背後にある排除と抵抗の実態にせまる。 【序章「フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う」より】 「しかしこの悲劇(出版社注:2015年パリ同時多発テロ)は「グローバル・テロリズム」とそれに抵抗する「民主主義」というような図式には容易に収まりきらない背景を持っている。それは過去30年にわたって深まってきた、フランスの主流社会と移民・マイノリティの間の亀裂である。実行犯の多くは、ヨーロッパで生まれ育った「ホームグロウン」のエスニック・マイノリティの若者たちであった。彼らをこのような暴力へと向かわせる社会構造とはいったい何なのだろうか。 本書は、フランスで現在「紛争」と化している事態を、マジョリティとマイノリティの間にある「亀裂」という角度から考察していくものである。」 【主要目次】 序章 フランス主流社会とマイノリティの亀裂を問う 1 フランスの移民統合の理想と現実――OECDの比較調査から 2 移民からエスニック・マイノリティへ――呼称変化とアプローチの転換 3 郊外「セーヌ・サン・ドニ県」への注目 1章 フランス郊外研究の視座――空間と結びついたマイノリティの差別と排除 1 日本とは異なる郊外像 2 モラル・パニックとメディア、政治空間 3 先行研究における「郊外」の位置づけ 4 本書の枠組み――差別、排除、レイシズム 5 本書の方法と構成 2章 多様化する郊外とマイノリティ 1 「移民」と「郊外」の関係を整理する 2 郊外をめぐる複数の空間的アプローチ 3 「移民」と居住の多様化――中産階級の台頭 4 「移民」カテゴリー内部における分極化の進行――郊外貧困地区の状況の悪化と時間的変化 5 「郊外問題地区」の類型化とセーヌ・サン・ドニ県の事例 3章 排除空間の形成と国家の役割――フランス的例外か? 1 「マイノリティ集住地区」としての郊外はどのように形成されたのか 2 工業地区の郊外 3 団地の郊外 4 移民の郊外 5 結びにかえて――排除空間としての郊外と国家 4章 「赤い郊外」の変容と都市政策の展開 1 問題設定 2 「都市政策」の誕生と展開 3 脱工業化のインパクトと「赤い郊外」の変容 4 市政と住民をつなぐ新たな媒介の模索 5 「都市問題」という解読格子の誕生と定着 6 階級問題から「都市問題」へ――「赤い郊外」における解読格子の変化 5章 再生事業と住民コミュニティへの影響 1 地域社会の底上げか、下層マイノリティの排除か? 2 「ソーシャル・ミックス」の評価 3 住民はどこに行ったのか? 4 「ミックス」の実情と課題 5 都市政策と地域社会の再編 6章 郊外マイノリティの多様な抵抗 1 エスニック・マイノリティの若者たちをめぐる参加と抵抗 2 アソシエーション活動を通した抵抗――文化表現から政治活動へ 3 問題化される「参加」――ラップの事例 4 おわりに 7章 風刺新聞社襲撃事件と「見えない断絶」――フランス統合モデルの限界・弊害とマイノリティの疎外 1 追悼デモに来なかった「郊外の住民」たち 2 事件直後の「郊外の住民」の反応 3 「テロ対策」としての3つの改革――治安、教育、郊外 4 カラー・ブラインド原則とその実態――まなざしの人種化 5 文化的統合の深化と(それゆえの)問題化というパラドクス 6 ダブル・スタンダードが生み出す問題 7 プラグマチークな解決にむけた道のり 終章 脱領域的なマイノリティ研究をめざして 1 亀裂を生じさせる二重の「乖離」 2 郊外の比較社会学に向けて――変容する日本の郊外へのまなざし 3 「客観性」としてのマイノリティの視座 文献一覧 あとがき 地名・人名索引 事項索引
  • 芸術する人びとをつくる
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    1巻5,060円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本の美術教育は、芸術家としての生き方・あり方にどのような影響を与えているのか。美大生の子ども時代から大学卒業までの人生を手がかりに、「芸術家になる」過程を社会学的な視点から描き出す。
  • 〈悪女〉と〈良女〉の身体表象
    -
    女性にまつわる言説はなぜ良・悪という二項対立の構造でしか語られてこなかったのか。「悪女」や「良女」という概念を、文学作品や美術作品、女性芸術家、モダンガール、戦後の街娼表象などから検証し、女性身体とその表象をめぐる力学と社会構造を解き明かす。

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  • 貧困の計量政治経済史
    -
    1巻5,280円 (税込)
    多様な形態をとって現前化する貧困問題の一つ一つを,これまで用いられてこなかった歴史的資料を掘り起こして体系的にデータ分析することで精緻に描き出し,それぞれの問題が生じるメカニズムに新しい光を当てる.近代化や民主化の過程における貧困の諸相を明らかにして新規の知見をもたらす,斬新かつ包括的な実証研究.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 墓の建立と継承――「家」の解体と祭祀の永続性をめぐる社会学
    -
    1巻5,280円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「家」なき時代において、墓を建て、それを継承することの背景には、何があるのだろうか? 社会的アクターとしての地方自治体・石材店・仏教寺院に注目し、それらが参与することによって、墓を建て、継承するという営みの意味が変容する過程を、社会学の観点から明らかにする。
  • 記憶の社会的枠組み
    -
    エミール・デュルケムの集合意識論を批判的に継承し、フランス社会学派第2世代の中心を担ったアルヴァックス。近年、海外でも再評価が進むアルヴァックスが1925年に執筆した「記憶の社会学」の嚆矢が本書である。 社会のメンバーがみずからの過去を想起するとき、「記憶の社会的枠組み」がいかに機能するのか、過去の出来事の記憶を社会のメンバーはどう組織化し、「集合的記憶」を形成するのか、「集合的記億」は社会にどのような影響を及ぼすのか――。 アルヴァックスは本書でまず、個々人の夢や記憶などを論じるベルクソンやフロイトなどの哲学や心理学を緻密に検証する。そのうえで、「家族」「宗教」「社会階級」などを切り口に、社会集団にとって記憶が、人々を統合するばかりでなく、ときに分断もするというその社会的な機能を析出する。 記憶をどう継承するのか、歴史と社会の関係をどう考えていくのかが様々な局面で問われる今日にも、集合的記憶という視点から問題提起を差し向けるアクチュアルな古典的名著。
  • 古本屋散策
    3.0
    1巻5,280円 (税込)
    【第29回 Bunkamuraドゥマゴ 文学賞 受賞作品】蒐集した厖大な古書を読み込み、隣接する項目を縦横に交錯させ、近代出版史と近代文学史の広大な裾野を展望する。『日本古書通信』に17年間にわたり連載した200編を集成!
  • 視覚都市の地政学 まなざしとしての近代
    -
    1巻5,390円 (税込)
    20世紀初頭から現代まで、東京はいかに〈まなざしの場〉として経験=構成されたのか? 街頭、百貨店、映画館、テレビ、テーマパークなど各所における〈まなざしの政治〉を固有の地理的文脈のなかで明らかにし、地政学的展望へと向かう。『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』以降の20年にわたる都市論の集大成!

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  • 模倣の法則 新装版
    5.0
    発明と模倣/差異と反復の社会学をつくりだし、近年、全世界で再評価される忘れられた大思想家・タルドの主著にして歴史的な名著、新装復刊。
  • 増補版 熊野・新宮の「大逆事件」前後
    -
    1巻5,500円 (税込)
    大逆事件の「前夜」と「事件以後」が豊富な資料と証言、犀利な分析によって正確・精細に描かれる。当時の新宮を中心とする時空間が生々と甦り、「事件」の"事実"ではなく"真実"が姿を現わし始めるのだ。
  • 人びとのなかの冷戦世界 想像が現実となるとき
    5.0
    1巻5,500円 (税込)
    冷戦とは何だったのか.大国同士の駆け引きや政治リーダーを主人公とする従来の物語とは一線を画し,無数の名もなき人びとの日常的な想像と行為の連鎖と,現実政治との影響関係から冷戦初期の歴史を描く.恐怖,不安,敵意,憎悪,願望……現実は人びとにどう想像され,それは増幅拡散してどのように新しい現実を生み出していったのか.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 個人化社会
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 高度に情報化され、個々人の選択と責任がきわめて重視される現代社会を生き抜く人々のありようを「個人化」という視角から読み解き、家族や宗教、貧困、労働、自由、愛、セックス、暴力など多様な素材をもとに流動性が高まり不安定で不確実な社会状況を透視する。

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  • シンボリック相互作用論の世界
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    1巻5,500円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、「シンボリック相互作用論」の、おそらくわが国で最初のアンソロジー。シンボリック相互作用論の現段階の研究動向をさぐり、そこにおける問題点や課題などを明らかにする。

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  • 都市データパック 2016年版
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ご注意ください!】 ・本コンテンツは冊子版の約1800ページを電子化した大型電子雑誌です。ご利用いただく環境によっては、ダウンロードに時間がかかったり、一部ページの濃淡が明瞭でない場合がございますが、あらかじめご了承ください。 ・本コンテンツに都道府県・市区名を含む収録情報の検索機能はございません。目次から掲載ページをお探しください。 ●●2016年版の特徴●● ・豊富な社会・経済データと独自調査による多彩な地域情報で全国813市区を各2ページで多面的に紹介。豊富な統計データもさらに充実。 ・16年6月20日までの市町村合併に完全対応。 ●●目次●● ★巻頭特集1 地方版総合戦略  策定状況と最重要政策分野 ★巻頭特集2 全都市ランキング  ●住みよさランキング  ●財政健全度ランキング  ●成長力・民力度ランキング ★813市区の最新情報 <主な収録項目> ●コメント編 市名の由来/沿革/地理的条件/特性・現状と問題点/課題と今後の展望/振興方針・計画 など ●多彩な地域情報  ホームページURL/市役所の住所・電話番号/市長(氏名、就任年月、プロフィールなど)/  議会(議長、議員数など)/交通網/主要事業所/特産品・地酒/観光/主要プロジェクト/  イベント2016年度開催予定/わがまちの日本一/出身著名人 ●最新調査結果  公共料金/子育て支援策/高齢者支援策/ふるさと納税/移住・定住支援/職員採用/生活保護など ●データ編  住みよさランキングデータ/面積/人口(総数・増加率・密度)/人口構成/自然増加率/社会増加率/  平均年齢/昼夜間人口比率/世帯数/高齢者世帯数/年少・生産年齢・老年人口比率/  合計特殊出生率/歳出決算額(総額・人口1人当たり)/地方税収額(総額・人口1人当たり)/  経常収支比率/将来負担比率/財政力指数/人口1人当たり地方債残高/事業所数/従業者数/  製造品出荷額/卸売業年間販売額/小売業年間販売額/大型小売店(店鋪数・店鋪面積)/労働力人口/  完全失業率/納税者1人当たり課税対象所得/持ち家世帯比率/住宅地地価/世帯当たり乗用車保有台数/  人口1万人当たり病院・診療所数/人口1万人当たり医師数/介護老人施設定員数/公共下水道普及率/  人口1万人当たり交通事故発生件数/1万世帯当たり建物火災出火件数など

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  • 都市データパック 2015年版
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【ご注意ください!】 ・本コンテンツは冊子版の約1800ページを電子化した大型電子雑誌です。ご利用いただく環境によっては、ダウンロードに時間がかかったり、一部ページの濃淡が明瞭でない場合がございますが、あらかじめご了承ください。 ・本コンテンツに都道府県・市区名を含む収録情報の検索機能はございません。目次から掲載ページをお探しください。 ●●2015年版の特徴●● ・豊富な社会・経済データと独自調査による多彩な地域情報で全国813市区を各2ページで多面的に紹介。統計データもさらに充実。 ・15年6月22日までの市町村合併に完全対応。 ●●目次●● ★巻頭特集 地方創生・人口減少対策  今後の人口動向と地方版総合戦略 ★巻頭特集2 全都市ランキング  ●住みよさランキング  ●財政健全度ランキング  ●成長力・民力度ランキング ★813市区の最新情報 <主な収録項目> 役所所在地 発足年月日 市長(氏名、生年月日、就任月、就任回数、党派、任期、経歴、学歴) 議会(議長名、議員数、任期) 由来、特徴 交通、主要事業所、特産品、観光、イベント 著名出身者 まちづくり(総合計画の策定状況、将来都市像、主要プロジェクト) 職員採用(応募者数、採用者数) 子育て支援・母子健康策(認可保育所の保育料、施設数、定員数、待機児童数、小児医療費助成制度の内容) ふるさと納税 公共料金(水道料金、下水道料金、介護保険料) 高齢者支援策(特別養護老人ホーム・高齢者向けグループホームの施設数、総定員数) 国民健康保険料の内容 生活保護(申請件数、被保護世帯数、被保護実人員数) 女性の活躍(議会女性議員比率、職員女性管理職比率) 面積、人口、平均年齢、出生率、有配偶率、世帯数 地方税収額、歳出決算総額、財政力指数、自主財源比率、交付税依存度 事業所数、従業者数、上場企業本社数、製造品出荷額、卸売業年間販売額、小売業年間販売額、大型店店舗数 労働力人口、完全失業率 昼夜間人口比率、納税者1人当たり所得、持家世帯比率、住宅地地価、乗用車保有台数、介護老人施設定員数、公共下水道普及率、火災出火件数、交通事故発生件数、刑法犯認知件数

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  • マックス・ウェーバー研究 比較研究としての社会学
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 19~20世紀前半に社会学を大きく発展させた知の巨人の思想の全貌を解き明かすべく、ウェーバーの基礎から応用までを具体的に検証する。 【目次】 まえがき 序論 社会学の成立 一 問題 ニ ウェーバーの学間研究における二つの時期 三 比較研究としての社会学の成立 第一章 社会学の方法的基礎 一 問題 ニ 理念型 三 因果帰属と比較 1 概観 2 因果観の歴史的展望 3 客観的可能性の判断と因果帰属 4 因果適合性の程度と確率の問題 5 比較 四 理解 諸領域の関連付けの問題 1理解社会学の綜合的性格 2「理解」の論理的構造 3 目的合理性の範疇による理解 4「心理学的」理解 第二章 社会学の内容的構造 一 ヨーロッパ的エトスの系譜 ニ 「宗教社会学」のカズイティク 三 世界宗教の経済倫理 1 儒教と道教 2 ヒンズー教と仏教 3 古代ユダヤ教 4 宗教社会学における「世界諸宗教の経済倫理」 第三章 社会学の実践的意味 一 問題 ニ 責任倫理の立場 1 実践的判断の構造 2 目的合理性と責任論 3 自由と人格 4 責任倫理と近代ヨーロッパ 三 政治的実践 附録 ウェーバーとヤスパース 世界史における宗教の意味 1 序論 2 ウェーバー 3 ヤスパース 4 むすび 文献目録 金子 栄一 著書に、『マックス・ウェバー研究』『ウェーバーとヤスパース』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 「社会学」としての鶴見俊輔──「記号の社会学」の構想と意味の多元性
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    1巻6,160円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、鶴見俊輔の思想を「記号の社会学」として再構成する新しい試みである。従来の鶴見俊輔論の整理と、プラグマティズムや大衆文化論の内在的検討を通じて、「記号の意味の『共通性』と『個別性』」の視点から大衆の知的生産の理論的・実践的把握を企図していたことを明らかにする。
  • 離婚(東南アジア研究叢書) 比較社会学的研究
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 離婚は文化に依存するのか。親族構造、宗教、法との関係は。欧米やアジア諸国そして日本における離婚の特徴を解明する。 【目次より】 まえがき I 序論 A 研究の目的 B 親族構造と離婚発生との関係 C 宗教の離婚に対する態度 D 法的手続きとしての離婚 E 親族構造,宗教的価値観,法的手続きの間における相互依存性と独立性 F 近代化および都市化の影響 II 欧米の離婚 A 欧米諸国の離婚統制におけるキリスト教の役割 B 若干の国における離婚法と離婚傾向の変化 C ヨーロッパ諸国の離婚率 D フランスにおける離婚率の地域的分布 E 西ドイツにおける離婚率の地域的分布 F カナダにおける離婚率の地域的分布 G 米国における離婚率の地域的分布 H ヨーロッパ諸国における離婚率の変化とそのパターン I 東西ベルリンにおける離婚率の変化 J ヨーロッパ以外の西欧文化圏における離婚率の変化 K 結論 III マレーシア・インドネシアにおける離婚 A 対象の規定と問題点 B スマトラ バタクとミナンカバウを中心として C ジャワ ジャワ人の場合 D ボルネオ シー・ダヤクの場合 E マレー半島およびシンガポール マレ一人,ヌグリ・スンビランのミナンカバウ系住民,およびジャクンを中心として F マラヤにおけるイスラム教徒の離婚の地域的分布 G マラヤ・シンガポール・インドネシアにおけるイスラム教徒の離婚傾向の変化 H マラヤ・シンガポール・インドネシアにおけるイスラム教徒の離婚傾向とアラブ諸国を中心とするイスラム教国における離婚傾向との比較 I 結論 IV 日本の離婚 A 日本の離婚をとり扱う場合の問題点 B 日本における離婚率の変化 C わが国の離婚と「家] 追出し離婚について D 武士の「家」と離婚 E 農民における離婚とその背景 武士の社会との対比において F 地域による農民家族の類型の相違とその離婚率への反映 G 離婚率の地域的分布における特殊例 H 婚姻をめぐる諸状況の変化と離婚率の変動 I 中国人の離婚 日本人の離婚との対比において J 結論 V 総括 引用文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 坪内 良博 1938年生まれ。 社会学者。京都大学名誉教授。元甲南女子大学学長。京都大学文学部卒業後、同大学院学研究科博士課程修了。 著書に、『東南アジア人口民族誌』『マレー農村の20年』『小人口世界の人口誌』(『東南アジア多民族社会の形成』『バンコク 1883年 水の都から陸の都市へ』などがある。
  • コミュニティ・ガバナンスと災害復興――東日本大震災・津波被災地域の復興誌
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    1巻6,490円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なぜ、災害復興の早さが地域によって異なるのか。その答えは、災害前から被災地域が築きあげてきた様々な集団・社会組織による連携・協働の体制にある。宮城県の津波被災地域のフィールドワークを通じて、地域コミュニティにおけるガバナンスが災害復興に果たす役割を解明する。
  • 近代出版史探索
    5.0
    1~7巻6,600円 (税込)
    古本屋散策から見えてくるもの——。古本の世界を渉猟するうちに「人物」と「書物」が無限に連鎖し、歴史の闇に消えてしまった近代出版史が浮き彫りになる。失われた歴史を横断する〈知〉のクロニクル!
  • コンテンツ創造プロセスとクリエイターのマネジメント
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    1巻6,600円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 コンテンツ(映像、音楽、ゲーム、書籍等)を生み出すクリエイターの仕事には他業種とは異なる創造的活動が必要となるため、従来のマネジメント手法が通用しない点が多い。本書では、クリエイターがコンテンツを創造するプロセスを解明し、クリエイターの創造性を支援するマネジメントのあり方を提起。経営サイドとクリエイターのより良い関係性を提示し、コンテンツ産業の新たな発展の可能性を示す1冊。
  • 「言の葉」のフィンランド 言語地域研究序論
    5.0
    1巻6,600円 (税込)
    「生徒の学習到達度調査」「環境持続可能指数」「世界男女格差報告」など、何れの指数も世界トップクラスのフィンランドは「言語権」の確立した「言語多様性」国家でもある。複数言語社会が生み出した共生社会を描く試み。
  • 若者たちはなぜ悪さに魅せられたのか―渋谷センター街にたむろする若者たちのエスノグラフィー―
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    1巻7,040円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 20世紀末から21世紀初頭にかけ、渋谷センター街に集団でたむろしていたギャル・ギャル男と呼ばれた若者たち。彼らは渋谷のストリートでなにを学び、なにをその後の人生に活かしていったのか。トップ集団のリーダーとして関わり、20年におよぶ追跡から迫る、圧巻のエスノグラフィー。
  • 法実践(リーガル・コミュニケーション)の解剖学――ビデオ・エスノグラフィーから臨床法学へ
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 実際の法実践のコミュニケーションを、ビデオ映像分析とフィールドワークによって、リバース・エンジニアリングのように「解剖」して「臨床知」へと開く。臨床法学教育や「裁判のIT化」研究に貢献する、画期的な一冊。
  • 職業婦人の歴史社会学
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    1巻7,370円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦前期に、企業・公官庁・学校・病院・百貨店などで働く女性――当時彼女らは「職業婦人」と呼ばれた――を対象に、その実態に関する計量分析を通じた実証的アプローチと、婦人雑誌(『婦人公論』『主婦之友』『婦人倶楽部』)等をもとにした職業婦人イメージに関する言説分析を通じた社会構築主義的アプローチにより、中流女性と職業をめぐるジェンダー秩序の形成と変容のプロセスを、歴史社会学的な視座から明らかにする。
  • 近代ドイツ公教育体制の再編過程
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 教育への国家関与と財政支援が本格化する第二帝政期における公教育制度の再編過程を、各種法案と議会審議の分析により初めて解明する。 【目次より】 はしがき 序章 本研究の課題と構成 第一節 本研究の課題と先行研究 第二節 本研究の構成 第一章 ドイツ帝国の成立と公教育体制の再編の模索 第一節 ファルク文相の就任と学校監督法(一八七二年)の成立 第二節 ファルク教育法案(一八七七年)と公教育体制の再編構想 第三節 ファルク文相による初等教育の条件整備施策とその矛盾 第二章 一八八〇年代における保守派の台頭と教育行財政制度の再編 第一節 保守派の台頭と初等教育の条件整備をめぐる確執 第二節 プロイセン教育行財政制度の再編とその構造 第三章 「包括的民衆学校法」制定の挫折と初等教育の条件整備 第一節 ゴスラー民衆学校法案(一八九〇年)とその挫折 第二節 ツェドリッツ民衆学校法案(一八九二年)とその挫折 第三節 ボッセ文相による教育条件整備施策 第四章 学校維持法の成立(一九〇六年)と民衆学校の維持・管理機構の法制化 第一節 学校維持法制定に向けた議会活動の高揚とその背景 第二節 「学校妥協」の成立と学校維持法案の特質 第三節 政府原案の修正過程と学校維持法の構造 終章 第二帝政期プロイセンの公教育体制の再編とその構造 付録 III 第二帝政期プロイセン地方教育行政機構図 付録 II 第二帝政期プロイセン文部省主要人名一覧 付録 I プロイセン衆議院(下院)および帝国議会の政党別議席数 主要参考文献 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 遠藤 孝夫 淑徳大学教授。東北大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科教育学専攻修士課程修了、同大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)。専門は、ドイツ教育史。 著書に、『近代ドイツ公教育体制の再編過程』『管理から自律へ 戦後ドイツの学校改革』『「主体的・対話的で深い学び」の理論と実践』(共著)『ドイツ 過去の克服と人間形成』 (共著) 『教員養成学の誕生 弘前大学教育学部の挑戦』(共著)などがある。
  • 社会学論集
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 社会学の泰斗による、「社会学」の諸主題(意味関連、競争、共同社会、社会構造など)についての、考察をまとめた論考集です。社会学の初学者から専門家まで役に立つ論文集です。 【目次】 まえがき 一 社会学の対象と方法 二 意味連関と現実態 三 社会心理学的相互作用の過程 四 他我の了解 五 親和関係考 六 競争考 七 共同社会考 八 利益社会考 九 社会発展の論理 一〇 社会構造と人間形成 一一 未開社会考 一二 村落 一三 日本家族の推移 一四 女性の特質とその社会的基礎 一五 民族 一六 社会と個人 あとがき  索引 臼井 二尚 1900~1991年。社会学者。京都大学名誉教授。京都帝国大学文学部社会学科卒。文学博士。 著書に、『国家国民の象徴としての天皇』『社会学論集』『臼井二尚論攷抄』『社会と民族』などがある。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • シカゴ社会学の研究
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    1巻10,450円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 通常シカゴ学派と稱される社会学はミードを鼻祖として今日シンボリック相互作用論ほか多くの理論を編み出して燦然とする。一方経験社会学にかんしても独自の方法論に基づき多趣多様な夥しいモノグラフを創出している。本書は特に草創期の重要なモノグラフを選びその解説を通じてシカゴ社会学の根幹を分明にする労作。

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  • 週刊エコノミストebooks100選
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    【目次】 ・賢い相続と不動産活用 ・世界史に学ぶ経済、2、3 ・宗教と経済1、2 ・税務調査がやって来る ・とことん学ぶ通貨と為替 ・あなたの土地の相続増税 ・強い大学 ・終の住みかを考える 上下 ・地図で学ぶ世界経済 ・資本主義をとことん考えよう ・水素・シェール・藻 ・とことん考える 人口減 ・ランキングで見える世界経済 ・もめない遺産分割 ・人工知能が拓く未来 ・世界低成長の「異常」 ・水素車・リニア・MRJ 水素4兆円市場の「ミライ」 ・実家の後始末 年末年始親と子で考える ・競争激烈!税理士・会計士・弁護士 ・読書会ブームが来た ・自動運転・AI・ロボット ・危ういROEブーム ・ピケティにもの申す ・宇宙・深海・地底 ・とことん分かる低金利 ・相場は歴史に学べ ・キーワードで知る経済リスク ・日本人が知らない 中東&イスラム教 ・水素と電池 世界はこれでリードだ ・土地投資の極意 ・相場を見抜く経済指標 ・農業改革の化けの皮 ・いま古本屋が熱い ・アジアインフラ争奪 ・徴税強化 ・地銀再編前夜 ・世界史を動かす 聖書と金利 ・世界を変えるiPS産業 ・商社の下克上 ・今そこにある財政危機 ・AEC 期待と不安の発足 ・日本を守る情報戦の極意 ・東芝の闇 ・軽き日本国憲法 ・戦後70年 歴史と未来 ・よみがえる絶版本 ・オワハラ時代の大学と就活 ・本当は怖い 物価大停滞 ・歴史に学ぶ 通貨と為替 ・これだ人工知能自動運転 ・大解剖 日本郵政株 ・韓国の限界 ・インドびっくり経済 ・生保の正念場 ・知って驚く コーヒー革命 ・保存版 相続増税の新常識 ・そうだったのかTPP ・銀行の破壊者フィンテック ・これじゃ食えない会計士、税理士、弁護士 ・地図でわかった原油恐慌 ・コンビニ経済圏 ・丸分かり激震中国 ・農業がヤバい ・投資が恐い人の資産防衛大綱 ・マイナス金利 ・暴れる通貨 ・ネットスーパー戦国時代 ・ここが変だよ電力自由化 ・農協猶予5年 ・商社の憂鬱 ・世界を変えるIoT ・直撃マイナス金利 ・会社で役立つ経済学 ・悩む仏教 ・世界史に学ぶ金融政策 ・どん詰まり中国 ・検証なき日銀 ・マイナス金利に勝つ資産運用 ・新聞に載らない経済&投資 ・人工知能AIの破壊と創造 ・パナマ文書ずるい税金逃れ ・経済は物理でわかる ・もう乗れるぞ自動運転・EV ・英国離脱EUの衝撃 ・ヤバイ 投信 保険 外債 ・ヘリコプターマネーの正体 ・世界の危機 ・天皇と憲法 ・韓国の騒動 ・中国ゾンビと政争 ・ぶらり日本経済 ・人口でみる世界経済 ・踊る経済統計 ・さまよう石油再編
  • 2030年の世界
    6/21入荷
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    1,210円 (税込)
    生成AI時代にわたしたちはどう生きればいいのか? 本書は鼓動する時代状況を活写し、世界史の流れの中に生起した独特の現代社会・文化現象を浮き彫りにしようと意図した論考である。 生成AI時代にわたしたちはどう生きればいいのか? 大河に似た世界史の流れが、想定外の新たな方向に転じた。 新型コロナウイルス・パンデミックを引き金に、数年にわたり世界に大変異が続いた、との歴史認識は、内外の大方の人々に共有されるだろう。 この2020~23年のほぼ4年間に、世界の旧来の歴史は激しく軋みながら軌道を変え、別の世界に変貌していったのである。 この類例のない世界的変異は、「疫病の大流行」、「核大国による武力行使」、「急進化したAI技術」が中心となって引き起こした。 衝撃的だったのは、これらがそれぞれに強烈な破壊力を持っていたためだ。 本書は以上の視点に立ち、鼓動する時代状況を活写し、世界史の流れの中に生起した独特の現代社会・文化現象を浮き彫りにしようと意図した論考である。 本書電子版は、電子書籍制作ツールRomancerにて作成されました。 【著者】 北沢栄 慶應義塾大学経済学部卒。共同通信経済部、ニューヨーク特派員を経てフリージャーナリスト。東北公益文科大学大学院教授、参議院行政監視委員会客員調査員などを歴任。これまで公益法人問題、国家予算、公務員制度などに関し参議院厚生労働委員会、同決算委員会、同予算委員会、衆議院内閣委員会で意見陳述。2010年「厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」座長として報告書を取りまとめ。近著に『小説・非正規 外されたはしご』(印刷本・産学社、電子本・ボイジャー)。

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  • 武器としての土着思考―僕たちが「資本の原理」から逃れて「移住との格闘」に希望を見出した理由
    6/19入荷
    -
    1,980円 (税込)
    青木君の文章と思考はつねに揺らぎ、葛藤している。決して単一原理に執着すまいというつよい決意が彼の文体に『過剰なまでの節度』(そんなものがあるのだ)を与えている。――内田 樹 奈良県東吉野村への移住実践者で、人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」主催者による「土着」論。「都市の原理」と「村の原理」に折り合いを付けながら、いかに世間へ「ルチャ」(格闘)を仕掛けるか。若き在野研究者が綴る、生きる勇気が湧いてくる「逆」自己啓発書。 相手と関係をつくり、その関係の中でいかに生きていくか。この「相手」には、自分の中の「うまくコントロールできない自分」も含まれています。この相手とともにどう生きていくか。それこそ、僕が考える「闘い」(スペイン語でルチャ)です。だから本書で述べている武器とは、相手の技を受け、さらに強い技で返すことで生命力を高め合うような、「相手がワルツを踊ればワルツを、ジルバを踊ればジルバを」というかの名言にもあるような、「相手があってこその生」を築いていくための思考法のことなのです。本書では、相手との競争に勝つための武器を個別具体的に提示するのではなく、さまざまな事例を取り上げながら、「僕たちの闘い方」を一緒に考えていくことを目的としています。――「はじめに」より ある程度長く生きていれば分かるように、競争した相手が味方になったり、時には味方が敵になったりすることがあります。もしくは大切なプレゼンや試験や試合の前の日に限って眠れなかったり、うまく話しかけたいのにその場に行くと言葉が出てこなかったり、「自分のことが嫌い」という人は「自分こそが一番の敵」だと思っているかもしれませんね。むしろ、相手がいるからこそ僕たちは闘うことができる。相手がいるからこそ僕たちは生きていくことができる。この考え方こそ、巷で「茶番」の比喩として使われるのとは全く異なる、本当の意味での「プロレス的思考」です。馬場がいたから猪木があった。長州と藤波、小林と佐山、山田と佐野、棚橋と中邑も同様でしょう。決して二人ではなく、武藤、橋本、蝶野などといった三人の場合もあるかもしれない。分かる人にしか分からない例えですみません。――「はじめに」より

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