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  • 長い別れ
    4.5
    酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋
  • プレイバック
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    私立探偵マーロウはある弁護士から駅に着くひとりの女を尾行し、その宿泊先を報告せよと依頼される。目的は知らされぬまま……。彼は列車から降りたった女を尾行するが、彼女は男につきまとわれ、どうやら脅されているらしい。ホテルにチェックインした女は、そこでも男につきまとわれていた。マーロウは依頼主の意思とは無関係に女の秘密をさぐろうと接触する。すると彼女は夜中に、バルコニーに男の死体があると助けを求めてきたが、マーロウが行くと死体は消えていた。何が起きたのか? この女は何者なのか? チャンドラーの実質的遺作!/解説=堂場瞬一
  • 弁護側の証人
    3.8
    ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子(なみこ)は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。しかし幸福な新婚生活は長くは続かなかった。義父である当主・龍之助が何者かに殺害されたのだ。真犯人は誰なのか? 弁護側が召喚した証人をめぐって、生死を賭けた法廷での闘いが始まる。「弁護側の証人」とは果たして何者なのか? 日本ミステリー史に燦然と輝く、伝説の名作がいま甦る。
  • 大いなる眠り
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    ハードボイルドの旗手チャンドラーの長編処女作。主人公の私立探偵フィリップ・マーロウはこれによって一躍、有名になった。マーロウは富豪の将軍の邸宅へ招かれる。将軍の次女カーメンが、賭博場でふり出した約束手形にからまる強請りの件で、その調査を依頼されたのだ。マーロウは張本人とみられるガイガーの家をさぐりに行った。だが、三発の銃声がとどろき、ガイガーは射殺されていた。踏みこんだ所はあやしげな秘密写真撮影の現場だった。次々に現れる不審な人物に加え、将軍家の長女の夫の失踪事件もからみ、事件はいよいよ複雑に。双葉氏の翻訳はその名調子で知られる。
  • 大はずれ殺人事件
    -
    ジェークにとって、それはこよなく愉しい夢見心地の宵だった。以前から恋こがれていたヘレンとやっと結婚できたのだから。ところが、そのパーティの席上、シカゴ社交界のナンバー・ワン、モーナ・マクレーンが`「絶対つかまらない方法で人を殺してみせる」と公言したのである。よせばいいのにジェークはその賭けにのった。なにしろ、彼女が失敗したらナイト・クラブがそっくり手に入るのだ! その翌日、群衆の中で一人の男が殺された……。そもそもはたして、これはモーナ・マクレーンの仕組んだ犯罪なのか? 弁護士マローンとジェーク、ヘレンのトリオが織りなす第一級のユーモア本格ミステリ。

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  • 男は夢の中で死ね
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    「男の哀愁、にがい自嘲や挫折感、にもかかわらず何かにもう一度賭けてみようとする心意気」……アーウィン・ショウの小説に惚れこんだ著者は、その洗練された感覚と技巧を「なんとか盗みたいと願いつつ」これらの短編を創った。 ――女性ミステリー作家が〃男の涙〃を主題に据えて、思いやりと憧憬をこめて描く都会ミステリーの極地!
  • 女には向かない職業
    3.7
    探偵稼業は女には向かない。ましてや22歳の世間知らずの娘には。誰もが言ったが、コーデリアの決意は固かった。自殺した共同経営者のために、探偵事務所を続けるのだ。一人になって最初の依頼は、大学を中退し、自ら命を絶った青年の自殺の理由を調べてくれというものだった。さっそく調査にかかったコーデリアの前に、意外な事実が浮かび上がってきた……。英国本格派の第一人者が、可憐な女探偵のひたむきな活躍を描く。
  • 女は帯も謎もとく
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    粋で艶やかな新橋芸者の“まり勇”は、ハードボイルドなどの海外ミステリーが大好き。少女時代はメイヴィス・セドリッツやハニー・ウエストのような女探偵を夢見ていた。忙しいお座敷の合間に起きるミステリアスな事件に胸を躍らせ、恋しい刑事と謎を推理。聖ルカ病院、魚市場、歌舞伎座に本願寺――なんでも一級品の揃う築地を舞台にした都会派連作ミステリー!
  • 過去ある女 プレイバック
    値引きあり
    -
    まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。  ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。  丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」
  • かわいい女
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    ハードボイルドの代表格、ロスの私立探偵マーロウが活躍する一編。失踪した兄を探してくれと、田舎出の若い女があらわれたとき、マーロウは相手の態度に不審を抱いたが、女の差し出す虎の子の20ドルを受けとって、依頼を引き受けた。報酬の多寡は問題ではなかった。真実をあばき出すことだけが目的だった。舞台は映画の王国ハリウッド。街の顔役、ギャング、映画女優、そのマネージャー、警察官たちが登場し、その中を泳ぎまわるマーロウの身には次々と危難が襲いかかる。
  • 月下の蘭/殺人はちょっと面倒
    3.0
    温室での洋蘭の栽培に全身全霊を捧げる美しい義姉。彼女が育てる人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材として、幽玄の世界のうちに技巧を尽くした傑作ミステリ短篇集『月下の蘭』。かつて公安警察の鬼と呼ばれた盲目の老人と、彼の愛娘が伴った謎の客との会話が思わぬ過去を暴き出す「夜のジャスミン」ほか、男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる『殺人はちょっと面倒』。幻の2冊を合本にて贈る。『血の季節』『弁護側の証人』など大胆な仕掛けで世を驚倒せしめた著者が、歌舞伎、能楽などの古典芸能をモチーフとした8篇を収録。【収録作】『月下の蘭』「月下の蘭――春は花」「残酷なオルフェ――夏は星」「宵闇の彼方より――秋は蟲」「ロドルフ大公の恋人――冬は鳥」/『殺人はちょっと面倒』「ラヴ・ホテル〈瀧〉にて」「殺人はちょっと面倒」「夜のジャスミン」「空白の研究 A Study in Blank」/『月下の蘭』初刊本あとがき/編者解題=日下三蔵
  • 湖中の女
    -
    フィリップ・マーロウはサンバーナディオの湖の別荘を訪れた。澄んだ湖水、明るい陽光…だが、緑がかった水底に発見されたのは、目も口もなくなった女の死体だった。これが化粧品会社社長の失踪した妻クリスタルなのか? そうではなかった。クリスタルの情夫を再訪したマーロウは、元気だった情夫の射殺体と対面させられる。難解な事件に奔走するマーロウ。

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  • 殺人は女の仕事
    -
    大手出版社に勤務する志賀子は、幾人もの一流作家を抱える敏腕編集者として忙しい日々を送っていた。そんな折、ミステリー作家志望の美しい青年に出会い、少女のように胸をときめかせ、彼との将来を夢見るようになった。だが、青年が妻帯者だと知ったとたん、殺意が……。著者の体験に基づく表題作などミステリー本来の洗練された味わいが光る珠玉の8編を収録!
  • 死だけが私の贈り物
    3.5
    華麗なる復讐は誰のために? 復讐の女神と化した美しき女優と忠実な運転手 死の輪舞が幕を開ける 生涯五本の長篇しか残さなかった小泉喜美子が、 溺愛するコーネル・ウールリッチに捧げた最後のサスペンス長篇。 「わたしは〝死に至る病〟に取り憑かれた」── 美人女優は忠実な運転手を伴い、三人の仇敵への復讐に最後の日々を捧げる。 封印されていた怨念が解き放たれる時、入念に仕掛けられた恐るべき罠と目眩があなたを襲う。 同タイトルの中篇を特別収録。 イラスト コテリ 〈目次〉 死だけが私の贈り物 死だけが私の贈り物(中篇) 解説 新川帆立
  • 素晴らしき犯罪
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    たまたまニューヨークを訪れていた弁護士マローンとジャスタス夫妻は、ある晩、ぐでんぐでんに酔っ払った青年デニス・モリスンを保護した。翌朝話を聞いてみるとデニスは新婚ほやほやで、花嫁をホテルに残したままだとわかった。そこへ警官が訪れ、デニスの花嫁が殺されたと告げた。…だが、その死体を見たデニスは「これはぼくの妻じゃない!」と叫んだ。ユーモアとペーソスあふれる異色の本格ミステリ。

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  • 高い窓
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    フィリップ・マーロウは、行方不明になったアメリカ古金貨の捜索を頼まれる。依頼人のマードック夫人は、歌手あがりの息子の嫁を疑っていた。だがマーロウは、この一家に、はるかに複雑で不吉なものがうごめいているのを感知する…探索をすすめうちに、マーロウは事件の鍵をにぎると思われる3人の人物の死をもたらしてしまう…ハードボイルド・ミステリーの雄、チャンドラーの初期代表作。

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  • 赤い風 チャンドラー短編全集1
    -
    正統派ハードボイルドの巨匠レイモント・チャンドラーの中短編全集第1巻。本巻には、チャンドラー自身の序文を巻頭に置き、「脅迫者は射たない」「赤い風」「金魚」「山には犯罪なし」の傑作4編を収めた。哀愁とサスペンスを背に不朽の主人公フィリップ・マーロウがロサンゼルスのネオン街を歩き去る。「レイモンド・チャンドラーはアメリカについて語る新たな方法を発明し、それ以来我々にとってアメリカは全く違ったものとして映るようになった」ポール・オースターはこんなふうに書いている。
  • 時の過ぎゆくままに
    -
    クラスでふたりは際立っていた。英語をきれいに発音できる少女と、訳出が上手な少女。ふたりの奇妙な友情は、大人になり、互いの社会的条件がちがってきても、独得の心理で表向き続いていたが……。洗練されたセンスと鋭い感性に裏うちされ、優美と毒とを巧みに織りまぜる、秀作12編。惜しまれつつ急逝した短編の名手の、「忘れがたみ」というべき作品集。女同士の友情に潜む毒の凄み! 鋭い感性で、人生の光と影を描き出す都会小説集。
  • 時の娘
    3.9
    英国史上最も悪名高い王、リチャード三世--彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか? 退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。
  • 皮膚の下の頭蓋骨
    4.1
    二百年前の不気味な伝説が残る孤島コーシイ島。そこの贅を凝らした壮麗な舞台で演じられる古典劇に招かれ、いま、数人の客が島を訪れていた。主演女優クラリッサの義理の息子、従姉妹、元愛人……女探偵コーデリア・グレイもそのひとりだった。頻々ととどく死を暗示する脅迫状におびえるクラリッサの身辺警護のためである。狷介な女優とそれぞれ思惑を胸に秘めた七人の男女――不吉な雰囲気の漂うなか、開演を目前に、自室で顔を叩き潰されたクラリッサの惨殺体が発見された! ミステリの新女王が現代本格ミステリに新たな地平を拓いた大作。
  • ベイシティブルース
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    いまも脈々と生きつづけるアメリカン・ハードボイルドの真骨頂チャンドラーの中編3作。表題作「ベイシティ・ブルース」のほか、「赤い風」「密告(さ)した男」をおさめる。活躍するのはもちろん「いやしい街をゆかねばならぬ」フィリップ・マーロウである。

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  • マーロウ最後の事件
    -
    ハードボイルド派の代名詞となった感のあるチャンドラーの作品は、その枠を超えて親しまれている。長年その作品を味読してきた訳者は、本書において4つの中編を選び、「この1冊でチャンドラーのすべてが解る」と、控えめながら自負を語る。チャンドラーの魅力を紹介し、あらためてそれを確認する最適の作品集。「湖中の女」「女を裁け」「翡翠」「マーロウ最後の事件」を収録。
  • ミステリー作家の休日
    3.0
    ある冬の日曜日、推理作家・泉川ミカ江女史の許にかかって来た殺害予告の脅迫電話。誰の仕業か判らず仕事も手につかない。だが、恐怖と憤りを酒に紛らすうちに職業的好奇心が芽生え、女史は脅迫者についての考察を始めた……。純粋推理を実践した表題作のほか、古き良きパリの街を舞台にした中編など、ミステリーの粋を凝らした傑作全8編、すべてが文庫初収録!
  • ミステリー作家は二度死ぬ
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    推理作家の恋住木美子は、作品数も収入も知名度も低いが、能書だけはまくし立て、おまけに酒乱ときては敬遠する編集者も多い。だが、そんな彼女にテレビ局から、現代ミステリーについて一席という出演依頼があり、それが大変なことに……自身をパロディ化した「木美子の冒険」をはじめ、ファンタジーやハードボイルドなども収録した傑作短編集!

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