宇江佐真理 - 深い作品一覧

  • 糸車
    3.9
    深川の長屋で独り暮らしのお絹。三年前までは、松前藩家老の妻だったが、夫を殺され息子勇馬は行方不明。小間物の行商をして、勇馬を探し続けている。商いを通じて、同心の持田、茶酌娘などと親交を深めるうち、様々な事件に巻き込まれ、それぞれの悩みに共感し奔走するが……。船宿の不良娘と質屋のどら息子の逃避行、茶酌娘の縁談、そしてお絹に芽生えた静かな愛。下町の人情が胸に染みる時代小説。
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語
    4.2
    父親の跡を継ぎ、日本橋小網町の料理茶屋で料理人を勤めるおせん。上方で修業をし、新しくおせんの親方になった板前の銀助と、上方の料理を店に出すことを嫌うおせんとはたびたび意見が食い違う。そんないらいらした気分の日々が続くとき、おせんは、店にほど近い稲荷堀の水を眺めて心をしずめていたが、ある日湯屋で銀助と娘のおゆみと鉢合わせしたことから心に小さな変化が――。仕事一筋に生きてきた女に訪れた転機と心模様を描く、表題作の「おはぐろとんぼ」、伯母に女手ひとつで育てられ、薬研堀近くの薬種屋に奉公する豊吉に降ってわいた縁談話とその顛末が哀しくもせつない「ため息はつかない」、前世に「夢堀」という名の堀のそばに住んでいたと語る弟と姉の触れ合いが涙を誘う「お厩河岸の向こう」、そのほか油堀、源兵衛堀、八丁堀などを舞台に、江戸下町で堀の水面に映し出される、悲喜交々の人情のかたち六編。江戸市井小説の名手が描く感動の傑作短編集です!

    試し読み

    フォロー
  • 斬られ権佐
    4.1
    惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷。江戸・呉服町で仕立て屋を営む男は、その傷から「斬られ権佐」と呼ばれていた。権佐は、救った女と結ばれ、兄貴分で八丁堀の与力・数馬の捕り物を手伝うようになる。押し込み、付け火、人殺し。権佐は下手人が持つ弱さと、その哀しみに触れていく。だが、体は不穏な兆しを見せ始めて――。一途に人を思い、懸命に生きる男の姿を描いた、切なくも温かい時代小説。
  • 深川恋物語
    4.2
    大店のお嬢さんが、お仕着せの人生を捨て、真に愛する人と共に生きようとする姿が清清しい「下駄屋おけい」。互いを想う気持ちがすれ違っていく夫婦の、やりきれなさが胸に迫る「さびしい水音」。交錯する恋心に翻弄されていく男女四人の哀しみが描かれる「仙台堀」など、江戸・深川を舞台に繰りひろげられる、六つの切ない恋物語。第21回吉川英治文学新人賞受賞作。
  • 古手屋喜十 為事覚え
    4.1
    お江戸は浅草のはずれ、田原町で小さな古着屋を営む喜十。恋女房のおそめと二人、子がいないことを除けば日々の暮らしには不満はない──はずだったのに、何の因果か、たまりにたまったツケの取り立てのため、北町奉行所隠密廻り同心・上遠野(かとの)平蔵の探索の手助けをする破目になる。人のぬくもりが心にしみて、思わずホロリと泣けてくる、人情捕物帳の新シリーズ、いよいよスタート!
  • 室の梅 おろく医者覚え帖
    3.8
    奉行所検屍役・美馬正哲。身投げや殺し、首縊り……。屍の末期の無念を解き明かす彼を、ひとは「おろく医者」と呼ぶ。武器は、遠く紀州は花岡青洲に学んだ最新の医術! 江戸の「法医学者」は恋女房、産婆のお杏とともに、八百八町の底に渦巻く愛憎に立ち向かう。人の生と死に触れる夫婦を描く、傑作事件帖。
  • アラミスと呼ばれた女
    3.5
    安政3年、坂の町、長崎。「これからの世の中、おなごが通詞になったって、罰(バチ)はあたらねェ」攘夷運動、大政奉還、戊辰戦争……一人、この時代を駆け抜けた女性がいた。男装の通詞、その生涯――安政3年、肥前・長崎。出島で働く父から、英語や仏語を習う10歳のお柳。「うち、お父ちゃんのように通詞になりたかとよ」。女人禁制の職に憧れる幼いお柳の運命は、釜次郎、のちの榎本武揚との出会いによって大きく変わっていく。攘夷運動、大政奉還から戊辰戦争へ。激動の時代に消えた一人の「男装」の通詞。
  • 口入れ屋おふく 昨日みた夢
    4.3
    亭主の勇次が忽然と姿を消し、実家の口入れ屋「きまり屋」に出戻ったおふく。色気より食い気、働きもので気立てのよいおふくは助っ人女中として奉公先に出向き、揃いもそろって偏屈な雇い主たちに憤慨したり同情したり。一筋縄ではいかない人生模様を目の当たりにするうち、自分も前を見て歩いていこうと心を決める――。市井人情小説の名手が渾身の筆で描ききった江戸のお仕事小説。単行本未収録の短篇「秋の朝顔」併録。
  • 余寒の雪
    3.9
    修行を積み、女剣士として立つ日を夢みる知佐 子持ちの町方役人の後添えにと望まれた女剣士が、幼子との交流を通じ成長する姿を描いた表題作他 市井の人々の機微を写しとる六篇 ※この電子書籍は2000年9月に実業之日本社より刊行された単行本の文春文庫版をを底本としています。
  • おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語
    4.3
    父の跡を継ぎ、料理茶屋で料理人を務めるおせん。親方の板前とたびたび衝突しては、稲荷堀の水を眺めて心を静めていたが……。江戸下町の堀を舞台に、市井に生きる人々の人情を鮮やかに描いた感動の傑作短編6編を収録。
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    3.9
    江戸に拡がる暖かい煮炊きの煙。人はね、当たり前のことがおもしろくないんだよ。裏返しや逆さまが好きなのさ――のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ。夫との心のすれ違いに悩むのぶを、いつも扶(たす)けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅・忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。 ◎「読み進むほどにページを繰るのが早くならずにはいられない小説がある。この小説もそうだった」<塩田丸男「解説」より>
  • 蝦夷拾遺 たば風
    3.3
    体が不自由になった許嫁との結婚を反対され他家に嫁いだ女を、 男は想い続ける――表題作「たば風」ほか、夫との離縁を目論む女が 息子に課された難題に奮闘する「恋文」、松前藩主の正室に仕えるべく 集められた娘たちの青春「血脈桜」など、江戸後期から明治初期にかけて 蝦夷地で生命を燃焼させた男女を描く傑作六編。 自身の郷土を舞台とした時代小説短編集。 解説=梶よう子 ※この電子書籍は2023年5月に刊行された文春文庫(新装版)を底本としています。
  • あやめ横丁の人々
    4.5
    婿入りの祝言(じゅうげん)の席上、妻に思い人のあることを知った大身旗本の三男坊、紀藤慎之介。逆上して間夫(まぶ)を斬り捨て、妻女を自害に至らしめた彼は、婚家のつけ狙うところとなり本所「あやめ横丁」に匿(かくま)われる。だが堀に囲まれたこの町ときたら、場所も住人もみな何やら訳ありで……。練達の筆がさえる長編時代小説。(講談社文庫)
  • 夕映え 新装版
    3.0
    江戸の本所で「福助」という縄暖簾の見世を営む女将のおあきと弘蔵夫婦。心配の種は、武士に憧れ、職の落ち着かない息子、良助のことだった…。ついに、良助は上野の彰義隊の一員として上野の戦に加わるという。無事を祈るおあきたちだったが……。幕末の世、市井に生きる人情と人生を描いた長編時代小説が新装版にて登場!

最近チェックした作品からのおすすめ