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裏切りへの道
第二次世界大戦直前のイタリアを舞台に展開されるスパイ戦! 時は大戦勃発直前の北イタリア。英国人の若い技師マーロウはスパータカス工作機械株式会社ミラノ支店のマネージャーとしてミラノに着いたばかりだった。同社はイタリア政府に軍需物資を供給する英国の会社だ。だが、彼の先任者が夜半、何者かの操縦する車に轢殺されたのだということを、マーロウは知らなかった。やがてマーロウにも、何か奇妙な事件が、自分のまわりに起こりかけていることがわかって来る。婚約者に出したラヴレターが、何者かの手で開封されているのを知ったのである……。アンブラーの独壇場である本格スパイ小説の傑作! -
カタロニア讃歌
ファシズムの暗雲に覆われた1930年代のスペイン、これに抵抗した労働者の自発的な革命として市民戦争は始まった。その報道記事を書くためにバルセロナにやってきたオーウェルは、燃えさかる革命的状況に魅せられ、共和国政府軍兵士として銃を取り最前線へ赴く。人間の生命と理想を悲劇的に蕩尽してしまう戦争という日常──残酷、欠乏、虚偽。しかし、それでも捨て切れぬ人間への希望を、自らの体験をとおして、作家の透徹な視線が描ききる。20世紀という時代のなかで人間の現実を見つめた傑作ノンフィクション。共和国政府の敗北という形で戦争が終結した後に書かれた回想録「スペイン戦争を振り返って」を併録。 -
ディミトリオスの棺
派手なアクションを避け、地道にスパイの心理を追うスパイ小説の王道を切り開いたアンブラーの初期の代表作。「探偵小説味のある作品を書いている現役の作家で、文学者として最も優れた人は誰かと考えてみると、英のグレアム・グリーン、仏のジョルジュ・シムノン、それから英のエリック・アンブラー、この三人が特別に際立っている」江戸川乱歩はこう書いた。イスタンブールを訪れた英国人作家ラティマーは、秘密警察長官から、国際的犯罪者ディミトリオスが死んだことを聞かされる。だが、ディミトリオスの死体を眺めているうちに、ラティマーはこの男の謎につつまれた過去を洗ってみようという衝動にかられた。 -
マギル卿最後の旅
『マギル卿最後の旅』は、推理小説に旅行をとりいれた作家、アリバイくずしの作家、鉄道人であった経歴を持つ作家クロフツの面目が充分に発揮されている小説だと言えよう。その意味では、この小説は有名な『樽』にもまして、クロフツの代表的な作品だと言っていいのではないかと思う。…これは訳者の言葉だが、ロンドンの富豪マギル卿は、息子の経営するベルファストの紡績工場へ行くと称して消息を絶つ。北アイルランド警察の捜査では、血痕のついた卿の帽子が見つかっただけで死体は見つからない。だがロンドン警視庁のフレンチ警部がのり出すと、果然、事件はその様相を一変した。息子の私邸の庭から、卿の無惨な死体が発見されたのだ!