最強
待望の再開となった38巻は、「HUNTER×HUNTER」という作品の本質が改めて詰め込まれた一冊だ。暗黒大陸編――特に王位継承戦の緊張感はさらに研ぎ澄まされ、もはや“バトル漫画”という枠を超えた高度な心理戦・政治劇としての完成度を見せている。
各王子の思惑、護衛たちの忠誠と裏切り、念能力という不確定要素が複雑に絡み合い、一話ごとに盤面が静かに、しかし確実に動いていく構成は圧巻。派手な戦闘が少ないにもかかわらず、ページをめくる手が止まらないのは、冨樫義博の“情報で緊張感を生む力”が健在だからだろう。