金栗さんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
令和のオカルトコメディ
昔から伝えられてきた山の祟り神「屋跨斑」という大蛇の怪異と偶然出会った二人の子供たち。六本の腕に下半身が蛇の異形を目撃した二人は───挨拶して帰りました。
この導入が本当に上手いと思っていて、現代は妖怪や怪異のみならず神様に悪魔、はては戦艦や刀など八百万のモノが擬人化・デフォルメ化・美少女化されているから子供が恐れを抱かず、普通に「あるある」と受け入れてしまう、と。
確かに蛇やラミア要素の混ざったキャラクターなんてゲームやアニメに普通にいるなぁと思い、時代の流れや変質をこのうえなく表していて感心してしまった。
基本は明るく進むものの、練り込まれた設定や世界観、背景にしっかりと「陰」の要素 -
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ネタバレ 購入済み
ゲームで間違った選択をしたら
セーブ&ロードして最適な選択肢を選ぶと思います。
この作品のキモはまさにそれで、人類を絶滅させる異生物たちに対抗するため、怪力&不死身の人間兵器である思春期の少女たちを「死ぬと一時間の記憶を失う」というセーブポイントを生かして人間関係をコントロールするという、まさに外道な行為を主人公が行うというショッキングさ。
まぁそんな最低な行為をしているので、しょっちゅう自業自得でピンチに陥るが、それでも自分が食べるために異生物と人間兵器、まさしく二重の意味で「怪物と戦う」軍人デルウハの勇姿を見届けて欲しい。 -
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購入済み
良質なスピンオフ作品
時系列としては「僕のヒーローアカデミア」開始前と思われる時期。本編のヒーロー免許を持った「正式なヒーロー」とは違い、正しい心を持ちつつもヒーロー免許を持たずにヒーロー的活動を行う「非合法(イリーガル)なヒーロー」が描かれる。
この作品の良い点は、誰もが言いたくなる「何故ヒーロー免許をとって活動しないのか?」という点にしっかりと答えているところ。違法でなければ、違法であるからこそ出来るヒーロー的活動を作品内で描いているからこそ、本編とは違うヒーローの形を物語れている。
本編に登場するヒーロー達も多数出演しているが、特にイレーザーヘッド(相澤消太)はこの作品に深く関わり、彼の過去も深堀りされていて -
購入済み
年月を積み重ねる医療ドラマ
「スーパードクターK」「ドクターK」に続く医療漫画シリーズの三作目。少年誌から青年誌に移ったことで前作、全前作のバイオレンス&アクション要素はかなり薄くなり、人間ドラマの比重に重きが置かれている。
次世代のドクターK「神代一人」、前作のドクターKの息子「黒須一也」が主軸となり、医療技術の進化を踏まえながら今作の若い医者たちの成長物語が展開されていくが、そこに彼らの先輩としているのが、前作からずっと医療従事者でありつづけた過去作のキャラクター達がいる。長期連載だからこその積み重ねと味わいがしっかりと描かれた良作。 -
購入済み
出来のいい戦隊続編エピソード
異世界の魔法使いに召喚された戦隊ヒーロー「キズナファイブ」のレッド。
彼は一度世界を救った、いわゆる本編終了後の状態だ。変身アイテムもあれば巨大ロボも呼ぶ。まさに強くてニューゲーム状態なのだが、この世界では無敵ではない。その理由は「絆の力で共に戦ってきた彼の仲間がいないため十全に力を発揮できない」という、戦隊ヒーローであるがゆえの弱体化。ここが本当に感心したと同時に、作者さんがガチの特撮好きであることがわかる。
多分作者さんは、キズナファイブ全52話をリアルタイム視聴しているんだろう。それくらい出来のいい続編エピソードだ。 -