【感想・ネタバレ】声なき蟬 上 空也十番勝負(一)決定版のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「居眠り磐音」シリーズは51巻で完結しましたが、その後、磐音の嫡男空也の武者修行の旅が始まりました。その旅を描いた、空也が主人公になったシリーズ、「空也十番勝負」の第1巻、の上巻でございます。

 双葉文庫から5巻まで出たところで中断されていたこのシリーズ、「居眠り磐音」の決定版が文春文庫から刊行されたのを機に、やはり決定版として文春文庫から刊行され、しかも物語が再開、6巻以降が新作として順次刊行中です。2022年5月現在、7巻が発売されたばかり。磐音シリーズファンとしてはうれしい限りです。ただこれ、1巻が「一番勝負」、2巻が「二番勝負」、と帯に書いてあるので、シリーズ名を考えると10巻で完結なのかしら?

 さて、16歳の空也は、〈薩摩藩の御家流儀東郷示現流〉を学ぶために、薩摩へ入ろうとしております。しかし薩摩は〈特異なる国〉で、他国からの侵入を拒んでおり、国境付近で外城衆徒(とじょうしゅうと)なる集団が暗躍、入国しようとする者がいれば厳しく排除します。空也の武者修行の旅は、この外城衆徒との闘いから始まります。

 ところで、わたくしずっと主人公の名を普通に書いておりますが、実は本書では、終始〈若者〉となっており、一切名前が出てきません。彼のことを知るすべての人たち、磐音とおこん夫婦ですら、彼の名を一度たりとも口にしません。それは、彼自身が薩摩入りに際し〈己の名も出自もすべてを捨て〉、〈口を利かぬ「行」を己に課した〉からだと思われます。

 主人公の名前が出てこず、主人公がしゃべらないというのは、読んでいてなんだかボーッとしてくるというか、どうも物語の輪郭がぼやけるような感じがしますね。これ、〈薩摩藩島津家領内での修行を終えるまで続く〉とあるから、きっとまだまだ続くんだろうなぁ。肥後や日向で出会った人たちから〈名無しどん〉て呼ばれてるのは、ちとかわゆいですけどね。

 旅先での新たな出会いもたくさんあるし、関前藩にいる馴染みの人たちも、それから江戸にいるいつもの面々も出てくるから、もちろんうれしいんだけど、このラストはやっぱり泣けちゃうなぁ。最近とくに武左衛門に弱いんですよねぇ。小田平助の優しさにもかなり弱いけど。

0
2022年05月17日

購入済み

単調なチャンバラ小説

話題の著者に惹かれ読み始めましたが話の展開が単調で終わりの方を読んで終わりとしました

0
2023年12月07日

「小説」ランキング