あらすじ
剣術道場師範・峡竜蔵は、剣のさらなる高みを目指し、精錬を重ねていた。ある日、一番弟子・庄太夫と道場の今後について話しながら歩いていると、何者かにつけられていることに気づく。弟子たちにその正体を探らせると、すぐに羽州の若月家屋敷の武士たちだと知れた。若月家と聞き、幼き頃に父・虎蔵と巻き込まれたお家騒動が蘇るも、以来何も関わりはなかったはず。三十年近く経った今、なぜ竜蔵を嗅ぎまわるのか。そんな折、竜蔵は思わぬ務めを任されることになり……。不惑を迎えた剣士・竜蔵の新たなる挑戦を描く、活力溢れるシリーズ第五弾。
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羽州若月藩の雪姫様は、29年前、虎蔵に、助けられて、その時の虎蔵との約束を、忘れずに、実行した。「我が子竜蔵が、40 歳に、なれば、召し抱えてやってくれ」こんな形で、また、あの雪姫様が出てくるとは、思ってもみなかったから、驚くやら、面白いやら(笑)