あらすじ
いろいろな人生があっていい。遠回りしたからこそ、得られるものがある。中川翔子、ヨシタケシンスケ、りゅうちぇる、立川志の輔、春名風花、谷川俊太郎、庵野秀明、みうらじゅん、糸井重里、坂上忍ほか全17名の人生の先輩たちに不登校の若者たちが体当たりで引き出した「生きるヒント」。マンガ「学校に行きたくないわたしの気持ち」も収録。ベストセラー『学校に行きたくない君へ』の姉妹編です。
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Posted by ブクログ
「続」も、前編に劣らず非常によかった。前編と同じ編集方針となっており、全国不登校新聞社に在籍する、不登校・ひきこもりの当事者・経験者である子ども若者編集部員が、「私が話を聞きたい人に話を聞きにいく」という方針で取材を行うことにより作られている。「世のため」「人のため」ではなく、「私」が話を聞きたいというのが大原則となっている。
そのインタビュアーに答えた17名の著名人がこちら。
目次には、対談者のキーとなる一言が次のように紹介されている。確かにこれらのセンテンスがキーとなるものであるが、それ以外にも一人の読者として感動した言葉や生き方があった。
■中川翔子:ちょっとの「好き」を集めて、積み重ねていく
■ヨシタケシンスケ:遠回りしたからこそ、見えることがたくさんある
■りゅうちぇる:自分の「色」を塗り替えてもいい
■立川志の輔:他人とちがうのは、いいこと
■春名風花:いまあなたがいるそこがすべてじゃない
■あずまきよひこ:無理にでも頭を突っ込んでみると、たいがいはおもしろい
■R-指定:コンプレックスをさらけ出した方が、楽しかった
■谷川俊太郎:ミスフィットを活かす道はある
■庵野秀明:「ここ」じゃなければ、他のところに行こう
■宇多丸:自信は他人からもらおう
■田房永子:自分の「心」を大切にする
■大槻ケンヂ:「のほほん」と生きていきたい
■みうらじゅん:好きなことをいっぱいやろう
■糸井重里:できることをひとつずつ続けていく
■坂上忍:3割の共感があればいい
■椎名誠:方向が決まっている人生なんて、つまらない
■荻上チキ:人の役に立つことを生きる力にする
■対談:北斗晶×石井志昂(本書編集長) 人になんと言われようと、やりたいことをやってみる
この17人の対談者もまた、自分自身の生きづらさを乗り越えた今がある人たちであったり、生きづらさということを心で理解できる人たちであったりする。ある意味、自分なりの人生哲学をもっている凄い人たちである。
年齢は若くとも、何も考えずに自分の不安を子供に押し付けて生きている大人や、意味なくマイノリティであることを特別視するような人たちよりも、ずっとずっと物事を考える力があり、人生を闘っているのであり、生き方の哲学を確立しているように思える。
以下、自分なりに目に留まった対談者の一言など。
■中川翔子:「いちばんひどい日」を乗り越えると「そうでもない日」が来る。「そうでもない日」が続いた先に、思いがけない「死ななくてよかった」と思える日が来るはず。
■ヨシタケシンスケ:自分の意見を持たずに大学までいった。それに対し、「学校に行かない(不登校)」を自分で決めるということは凄いこと。
■りゅうちぇる:意見の違う人にあったら、その人の背景を考えるようにしている。
■立川志の輔:人生いろいろなことが起こる。学校に行かないということが、なぜそんなに大きなことなのか。大騒ぎしているのは大人。
■春名風花:いじめの加害者にフォーカスする。送信機をどうにかするしかない。ただし、「加害者が悪い」と単純化してしまうのは嫌。
■あずまきよひこ:何もできないと思われているうちに、失敗しておいたほうがいい。
■R-指定:学校の外の世界の人たちと出会えて、「俺はすごく狭い世界にいたんやな」と思った。
■谷川俊太郎:自分が詩を書いて生活するなんて考えなかったし、詩人になりたいとも思っていなかった。「なぜ詩を選んだのか?」-私が詩を選んだのではない、詩が私を選んだのだ。
■庵野秀明:(学校の)勉強は、受験のためのもの。テクニック学んでいるだけ。そのテクニックを身に着けることが社会に出たときに役立つというのは方便だ。
■宇多丸:最初の一歩は、わかならいけどやっちゃってた。最初の一歩に「理不尽なジャンプ」がある。
■田房永子:親は子どもにとって権力者で支配者で独裁者でハラスメントの加害者。子どもに過干渉にならないようにするためには自分の人生を楽しむこと。
■大槻ケンヂ:世の中で善と呼ばれているものが悪であったり、悪と呼ばれているものが善であったり、価値観というものは時代、民族、国家によって変わるものであって、ゼッタイの基準はない、
■みうらじゅん:不安は今でもあるが、なんとかなっている。常識が分かった上でやる非常識が、エンターテインメント。
■糸井重里:自分たちが何ができるかって言ったら、残念ながら、今のところ、努力することだったり勉強することだったりする。
■坂上忍:何かを成し遂げようとするとき必ず孤独になる。
■椎名誠:不登校しているのは、自分に忠実な素直な人
■荻上チキ:「逃げてもいい」というが、不整備な状況では、不登校は自己責任化されてしまう。学校には、セーフティネットが必要なのに、厳しいルールを押し付けている、