あらすじ
屋根の下では油断するな
一度離れれば、空洞夥しき遺骸と再会することに……
春菜と仙龍がたどり着いた
隠温羅流の始まりは――悲しき愛のかたちをしていた
15万部突破! 大人気ホラーミステリ
☆☆☆
かの屋根下へ踏み入った者は、声も発さず事切れたそうだ。
設計士・長坂から緊急要請。
出入り不能の屋根裏に祀られた神が、市の職員を惨殺した疑惑が浮上する。
地域を護る善神はなぜ変貌を遂げたのか。
吉備津にて隠温羅流の祖にたどり着いた春菜と仙龍は、
ついに神代へとつながる悲しい因果の糸を掴み取る。
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのか――因縁帳、終章開幕!
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感想
ついに最終巻の手前まで来ました
春菜ちゃんだけでなく皆(パグ男先生も笑)が少しずつ成長して変わってきたなぁと感じるしここまで一緒にやってきたのが感慨深く思い出されます
血反吐をはきながらも戦おうとする春菜ちゃんかっこいい、ほんとどんどん好きにさせる
因縁の源も明らかになり、あとはどうなるか
どきどきしながら最終巻に向かおうと思います
それにしても最後のキスシーンは泣けました!告白も、想いが通じ合うシーンもあったけど、皆に祝福されながらのこのシーンはひとしおで、ここまで長かったけど積み重ねてきたからこその感動だなぁと噛み締めてしまいました
失恋したはずなのに、諦めててもう既に思い切ってるのかもしれないけど全力で喜んでくれるコーイチ大好きだ…
なのに最後に不穏な…棟梁ーー!
Posted by ブクログ
岡山と島根とたたらの歴史を辿っていて入り込むのに時間を要したんですけど、事件が起こってからはとんとんと読めて今回もおもしろかったです。はなちゃんおめでとう!棟梁…生きていて…棟梁…。
次回が楽しみです
今回は色々謎が解けていよいよオオヤビコを鬼にしないため、そして仙龍を助けるため春菜ちゃんとその仲間たちが奮闘する。。いや〜楽しみです。
好きな人のために命がけで頑張る姿にとても心惹かれます。
コーイチの法被式も無事終えたし、仙龍からの何とも仙龍らしいプロポーズもあってキュンとしました。また全部読み返して次回作を待ちたいと思います。
続きをお願いします
前回からようやく全貌が見えて来たかな?という流れでしたが、今回もいつものお仕事も入りつつ、多大な謎が解明され、さぁ次回!となってしまいました。お願いですから続き上下巻くらいでくれ!なんならシリーズ読み返す!って勢いです。悪魔回より怖さ的には低いかも。
Posted by ブクログ
今作は、次作の『隠温羅』とセットのような内容。最終巻の上巻といった感じの展開になっている。
導入部はちょっと読みにくいというか入り込みにくい文章だと感じた。これまでも被害者が唐突に障りに襲われるシーンでの導入は多かったが、気になったのは本作だけのような気がする。シリーズの他の導入は唐突であってもほぼ現代の時間軸で話が展開しており、タイトルと関連がありそうな事象だったからだろうか。
後からもう一度読み直してみると引っかかる感じはしなかったので、導入部分を読んでいた環境や同時期に読んでいた他の本との読み合せという個人的な理由かもしれない。
本作は導入の昔話から中盤まで一貫して隠温羅流のルーツ探しが続く。その旅が終わる頃には隠温羅流とたたら製鉄の関係や、前作からの謎の鬼、オオヤビコの正体もおおよそ掴めてくる。
高田大介の『まほり』で神社の由来が当てにならない、歪められているということを意識するようになったので、本書の吉備津神社の"異説"もさもありなんという感じで受け入れられたが、岡山探索での発見の連続はちょっとうまく繋がりすぎて都合が良すぎる感じがした。
このシリーズのご都合主義的展開には『縁』や『流れ』、『障りが浄化を望む』という理由づけがあり、これがうまく機能してこれまでの事件や本書の蠱峯神事件でも物語がうまく転がっていくことに違和感を覚えたりしないのだが、この岡山の部分だけは駆け足すぎた(無駄足や探し回る様、悩む部分が少なすぎた。ページ数・内部での時間経過が少ない割に明らかになる事実が多く大きくて、しかしその描写が丁寧ではなかった)のか、気になってしまった。
後半の蠱峯神事件は、岡山での探索のあおりを受けてページ数が少ない。シリーズ恒例となっている被害者が怪異にとり殺される場面を描いた章も、現場となる建物の地図もない。
だがこの情報不足がホラー本来の「疑心暗鬼に陥る」という効果を発揮する。現場の状況がわからず、被害者の遺体が凄惨な有様となっていることで却って正体不明の怪異への怖さ、気味悪さを増幅したように感じる。
終盤に入り、いつものメンバーがいつもの図書室で一堂に会すると怒涛の勢いで謎解きがなされ、本書前半部分の旅が今回の蠱峯神に大きく関連していることが明らかになり、大まかにわかってきていたオオヤビコ誕生の経緯が明快になる。その一方で、隠温羅流の印と鏡の封印を意に介さないような蠱峯神の様子は不気味で、謎が解ききれていないことを示す。
「これ、ページ数が足りなくないか?どう解決する?」と思っていると、今回は直接手を出さず終幕、次作へ続くことになる。
エピローグ直前の皆が団結し、明るい未来を思い描く様子も、エピローグへ入ってのコーイチの晴れの場面に仙龍のプロポーズも、幸せで明るい場面なのだが、何も解決していないからか、死亡フラグにしか見えず不安になる。
普段はエピローグで爽やかに幕が閉じていく本シリーズだが、今作は幸せのあふれる明るい場面で終わらず、夜の仏間に棟梁という、イヤな雰囲気の場面に切り替わる。序盤の夢から覚めるシーンでも感じたが、今作の棟梁一人だけのシーンはどうにも暗い印象が付きまとい不安を掻き立てられる。
このシーンでも昇竜らご先祖に、次の世代の活躍と隠温羅流の悲願である導師の呪いを解く方法を報告し、助力を願っているだけなのだが、なんとなく暗く嫌な雰囲気が続く。
最後に昇竜の姿が描かれた時には「最終巻は親子や歴代の導師がそろって因縁を祓う展開になるのか!心強い!」と期待させた直後に「棟梁への"お呼び"だった」と予想外の展開に突き落とされて最終巻へ突入していく。
Posted by ブクログ
ついに隠温羅流の因縁が明かされた。
なるほどー。
私でも白羽の矢は抜いてしまうわ、そんなもの。
コーイチが法被をもらえたのが嬉しいし、そんな時にプロポーズする仙龍もウケる。
棟梁が亡くなってしまったらやだなぁ
Posted by ブクログ
ついにここまで来ちゃいました、シリーズ第9弾。
春菜がついに隠温羅流の因を解き明かします。
隠温羅流の祖、それは吉備津から始まった悲しき歴史。
本作は前作迄と違い何も曳きません。
そう仙龍が導師として活躍する場は描かれてないんです。
すべては次作であるシリーズ完結編に向けた序章。
隠温羅流の因を解き明かし、コーイチは念願の半被式を迎え、なんとなんとついに仙龍と春菜が!
まぁ、いきなり「俺の嫁に来て欲しい」、「一緒にいたい。ずっと」、「駄目か?」ってこの無骨さが仙龍っぽ過ぎる!
いよいよ次作で終わっちゃうんですよね(TT)
仙龍の瘴気の鎖は切断出来るのか!?
いや、そりゃ出来ちゃうんだろうけど...
でも最後に出てきましたねぇ。
仙龍の父親で、棟梁の甥、42歳の厄年でこの世を去った先代・昇龍。
棟梁や四天王、最終巻を前に半被式を迎えたコーイチ、雷助和尚...きっとこれだけのメンバーだけだと隠温羅流に続く悲しき歴史を断ち切る事が出来ないってことですよね。
昇龍はじめ、きっとご先祖様も大暴れするんだろうなぁ。
早く読みた〜い!
でも、読んだら終わっちゃう...
罪作りですよー内藤先生!
説明
内容紹介
屋根の下では油断するな
一度離れれば、空洞夥しき遺骸と再会することに……
春菜と仙龍がたどり着いた
隠温羅流の始まりは――悲しき愛のかたちをしていた
15万部突破! 大人気ホラーミステリ
☆☆☆
かの屋根下へ踏み入った者は、声も発さず事切れたそうだ。
設計士・長坂から緊急要請。
出入り不能の屋根裏に祀られた神が、市の職員を惨殺した疑惑が浮上する。
地域を護る善神はなぜ変貌を遂げたのか。
吉備津にて隠温羅流の祖にたどり着いた春菜と仙龍は、
ついに神代へとつながる悲しい因果の糸を掴み取る。
仙龍の命を削る瘴気の鎖は切断できるのか――因縁帳、終章開幕!
著者について
内藤 了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『DOUBT 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』(角川ホラー文庫)、『ネスト・ハンター 憑依作家 雨宮縁』(祥伝社文庫)がある。
Posted by ブクログ
2021/9/30
結婚おめでとう!なんて清いおつきあい。
それはともかく。
あと1作でこれ終われるの?なんかドキドキする。
今作は前半乗らず。難しかったからね。
パグ夫の危機察知力の高さよ。
棟梁御無事で。誰も死んでほしくない。
Posted by ブクログ
因縁の元が明らかになって、いよいよ終わりに向かってきたという感じです。
春奈がめちゃ強くなっているのが爽快です。口から血が出ても、痣から血が噴き出しても、真相の追求のために挑んでいくところがかっこよかったです。因縁の繋がりと人との繋がりが交錯していて、そこへ神との絡みも入ってきて、何だか凄いごちゃまぜですが、過去の物語が事実としてちゃんとあって、今に繋がっていくところが面白いです。
次回、最終巻だそうです。棟梁が!ハッピーエンドで終わってほしいです。