後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。
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きょうだいの絆が様々に描かれた巻でした。
神話や寿雪の秘密が明らかになって、物語もクライマックスに近いですが、そんななかで、きょうだいの伏線を回収し、驚きの事実が次々に明らかになります。次巻も期待です。
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寿雪の魂を呼び戻すために、衛青はもっと意地悪するかと思ってました。寿雪と衛青、犬猿の仲だけど、やっぱりどこかで繋がってる部分があるのかもしれないですね。
賀州の沙那賣家の長男の晨、割と好感を持っていたのですが、彼は自分の出生にまつわる事実を知って大丈夫か心配です。
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はー、読み終わってしまった!
続きが楽しみだなぁ。アニメ化もすごいなぁ。
行徳の「私は、血ではなく徳を見とうございます。」という言葉にぐっときた。高峻に信頼できる真っ当な部下がいることが、うれしい。
この小説は、ファンタジーや謎解きの要素だけでなく、治世、政争、マネージメント、感情を持つことを許されなかった人たちが感情を持つその変化など、いろいろな側面が楽しめるのが魅力。
しかも長編なので、長きにわたって楽しめて、本好きとしては最高。
読み応え有り♪♪♪
面白くて一気に読みました。登場人物はそれぞれ個性が有り魅力的。
唯一、烏と白亀の性格がかなり子供っぽく・・・???でもまぁ、神様が作為的な筈も無く、日本は八百万の神の国ですからね☆☆☆
話の筋も淀み無く、とてもしっかりしていて引き込まれました。続編が楽しみです♪♪♪
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寿雪、災難でしたね。
烏も登場し、サロメの次男も初登場しました。三男はどうしたんだろう?蚊帳の外かな?
出そろった感じ。
寿雪もそうですが、コウシュン、コウショウも幸せになってほしい。コウショウの出番はないだろうな~。
衛青の血縁に対する葛藤が面白かった。
このシリーズ全体に言えるけど、展開が早すぎる気がする。
もう少しゆっくり読みたい気分。
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結界は破ったが寿雪の魂は体から離れ、回廊星河というこの世に生まれる前の魂が集まる空間に飛ばされる。そこで香薔が登場したのには驚いた。皇帝鸞夕への独りよがり過ぎる行動がそもそもの原因である事が判明したのにはすっきりしたけど、死んでも恐れられるって香薔何しでかしたんだ。血縁者がいないと魂は呼び戻せない、という条件、忘れていたからどうするんだ?と思っていたらあー、いたわ。とあっさり終了したのはちょっと拍子抜け。寿雪の体を使って烏と対話がなされ、半身を取り戻すため界島に行くという展開が確定した矢先に海底噴火が起き、半身が白雷の手に。という事は対立している鼈の神の手に?寿雪の出自が白日の下に晒され、彼女を守ろうと奮闘する人々がいる中暗躍を始める人物も。これあと一巻で本当に終わってる?(本屋で最新刊は見たけど)
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「烏」がその身体に入り、魂が飛ばされてしまった寿雪。
たどり着いたのは魂が循環するという場所。
そこで初代烏妃である香薔と邂逅する。
神々の争いと世界の主導権の争い。
話が大きく動いてきて面白くなってきた。
冬官の千里が癒し。
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もうほんと、自分の記憶力のなさがうらめしい…。
登場人物の名前を見ても、それまでのエピソードがほとんど頭に残っていくてもどかしいんだけど、それでも面白い。
春雪、戻ってこれてよかった。千里さんめっちゃ好きだけど、次の巻読む頃には忘れてるんだろうな…
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6巻にして物語も大詰めかと思いきや、どんどん謎が深まっていって、ますます引き込まれた。
魂だけの存在になった寿雪が回廊星河で出会った香薔。これまで物語では、烏によって縛られてきた悲劇の烏妃たち、という構図がどうしても目立っていたけれど、烏と歴代烏妃たちを縛っていた存在こそ初代烏妃の香薔だったということがここで明らかとなる。香薔の、欒夕への異常なまでの執着が引き起こした全ての悲劇。執着に囚われた香薔と、その香薔に囚われた烏と烏妃たち。同じく囚われていたという意味では、香薔も逃れられない宿命の輪の中にいる被害者なのかもしれない。そう思うと切ない。香薔と欒夕の間にいったいどんな経緯があったのか、続きが気になる。
他に気になるのは、沙那賣一族と神々と王家との関係。朝陽の魂胆が何なのか、亘に課した任務とは何なのか。晨の出生の秘密が明かされ、沙那賣の歴史に物語がクローズアップされて面白くなってきた。愚直すぎる嫡子の晨、聡明で冷徹な亘、豪胆で軽薄な亮の三兄弟。ここにきて、沙那賣に伝わる呪いが大きな意味を持ってくるなんて。
烏の半身を探すため界島近海の皐州に渡っていた寿雪と、偶然にも再会を果たした失意の晨。海底噴火に巻き込まれ界島に打ち上げられた之季と千里、それに居合わせた白雷。沙那賣朝陽の密命で北辺山脈へ赴いた亘と出会った羊舌慈恵。それぞれがそれぞれの場所で、迷いながらも為すべきことを成すために動いていく。
次巻も大いに楽しみ。
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後宮の烏の六作目。
大変わがままなのはわかっているが、
前作後半あたりから、
話の展開が早くて気持ちがついていかない。
烏妃の存在が認められたのも、
生を終えていないものが彷徨う回廊星河から寿雪が戻ってきたのも、
あっさり、と感じてしまう。
それはこの物語が終わってほしくない、
という気持ちの現れなのだろうか。
烏妃を「作った」香薔と皇帝の話も聞いてみたい。
どうなってしまうのでしょう?
まだまだ続きます。
大きな転換期なのでしょうか?
今までのお話とはだいぶ 違ってきてます。
なので、ワクワクしてきました。
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ラストに向けて着着と話が進んでいる。決して激動ではないけれど、それぞれの背景が整理されていく。
衛青の気持ちや行徳、花娘、子季、明冘といった脇役でもしっかりとした背景や思惑が感じ取れる。
兄妹の女の方が死ぬ。
女難の相で死ぬ。
これらの伏線が最終巻でどう回収されるのか。楽しみ。
羽衣のおっちゃんにまた会えたのでなんか嬉しい。出番少なかったけど。
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前回の気になる終わりからスタート。
寿雪、儀式のあと目を覚まさず。意識は表紙で書かれている星河にあった。ここで初代烏妃と対面。
想像よりとんでもな人物だった。
その間に衛青との兄妹問題が解決?し、寿雪が目を覚ます。個人的に衛青がどんな感情を抑えてて、どんな風にこの事情が明らかにされるのか気になってたから、まさか老人の首を締めるくらい隠していたかったとは驚き。伏線の1つだったものが回収された。個人的には今後温鎣の寿雪への感情も回収されるのでは、と期待している。
烏も意外と理解あるやつで、あっさり協力者に。
そして白雷が烏の半身である刀を見つけたよう。
なんだか情報量多い割に短くまとめられてたから急にまとめてきたな,って感じが否めなくもない。
次回完結だなんて。楽しみ。
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衛青の葛藤全編かなと思って読み始めたら思ってたよりあっさり解決、寿雪も早めに帰ってきた。それから、海底火山の噴火で流された之季と海岸にいた白雷がどうなるのか気になるし、その後の晨のエピソードにびっくり。