あらすじ
夫の転勤先の東京で、幼馴染の平岩と再会した果歩。しかし招かれた平岩家は不気味な砂が散る家だった。怪異の存在を訴える果歩に異常はないと断言する平岩。おかしいのはこの家か、それとも、わたしか――?
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Posted by ブクログ
比嘉シリーズで一番面白かったかも。読む手が止まらなかった、と同時に辛いと思うところもあった。
二つの視点で物語が綴られていくが、果歩視点では旦那さんも殺されだんだんと果歩の方も取り込まれ(妊娠もさせられるし)狂った怪異に巻き込まれて可哀想だと思った。なんとなく五十嵐の視点と果歩の視点で時間差はあるだろうなとは思ってたけど一年以上も空いてたのはちょっと驚いた。
今までのシリーズで最強だった琴子が苦しめられていてドキドキしたけどその後の怪異への攻略方法がわかった瞬間形成逆転した場面が胸熱だった。頑張ったね、銀…!!
五十嵐はなんとかなったけど果歩の方はその後も"壊れて"しまって呪いは連鎖してしまうのかと思った。異常を異常と思えない、通常と異常が交差し合う今回の話はかなり好きでした。おもろい。
Posted by ブクログ
おもしろーい!!!
素晴らしい!
怖いよ〜といいながら一気読みしちゃった。
同時進行かと思いきや、、とトリックのような仕掛けもあるけど、それは本筋じゃ無い。
あれだけ行くなと言われた場所に無断でまた行く果歩が、ホラーの雑魚キャラムーブすぎてちょとイライラする。
モラハラ夫かと思いきや意外とまともだったらしい勇大がかわいそう
犬がとある秘訣で、引きこもりが最後指笛で愛犬を呼ぶなんてカッコ良すぎる。これから先、頑張って欲しい!
Posted by ブクログ
読んでいるこちらまでジャリジャリと口の中に砂が混じっているような気分になる怖いお話でした。
読みながら何度もお茶を飲みました、細かい砂が混ざらないように。
同時進行で起きている話だと思ったら一年のラグがあったとは……繋がったときの絶望感は凄まじいものがありました。
Posted by ブクログ
砂が積もる家とそこに住み、砂があることに違和感を持たない家族。家族に欠員が出ると外部から家族を補充される。その家に招かれた女性、幼い頃その家に肝試しに行った琴子と同級生を軸にしたお話。
最近の短編も面白いですが、ぼぎわんからファンになった身としてはこの様な長編で怪異との対決がある様な話がやはりワクワクします。
Posted by ブクログ
澤村伊智さんのホラー小説。
砂の邪神・ししりば。
住人の心を壊してでも家族構成を守る、いびつな家守神。いかにして「ししりば」が生まれたのか、一切不明。江戸の後期に突如として発生し、そこからひっそりと転々と住み移る家族を壊し続けた。
妻が死ねば女を補充し、老婆が死ねば老婆を補充。妊婦が死ねば体がボロボロでも無理やり身篭らせる。ひたすら「家族構成」だけを守り続けるのが、ししりばの「システム」となっている。
澤村伊智さんの著書に「ひとんち」という本がある。これは「我が家の常識と他家の違和感」をネタにした短編集だが、言語化することが難しい、あるいは認めることで何かを失いそうな出来事を描いているわけだが、「ししりばの家」は、人為的な違和感ではなく、完全に怪異による違和感として完成された作品だと思った。
「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」「などらぎの首」に続く、比嘉姉妹シリーズの第4編だったが、毎度毎度、新しいというか、強烈な怪異を思いつくのがすごい。化け物の構図は、決して「新進気鋭」という訳ではないのだが、とにかく強烈なのだ。強烈だからこそ、ヒトコワなどと言う陳腐で穿った見方をしないで読めたと思うし、何にしろ「人によるよね」というズレた感想でつっかえることがなく、このように登場人物の行動理念が明確なのも、澤村伊智さんの人間観察と、類い稀な文才によるものだと思う。
ただただ、最高だった。
Posted by ブクログ
人間の嫌な面と怪異の絡め方が面白い。 今回は、怪異に操られてたとはいえ、異常なことを普通のこととして思い込み、日常を送る人間の描写が、怖い。無事琴子、五十嵐、銀の活躍で解決したが、犠牲も多かった。 ラストのあの展開は、恐れてたことが現実に、、果歩にイライラさせられてはいたけど、思いやりはあったので、最後に彼女を救って欲しかった、、
普通とは慣れである
比嘉姉妹シリーズ4作目。前作の短編集も面白かったけど、長編は長編で読みがいがあって嬉しい。
待望の琴子さんが登場!引きこもりの旧友と一緒に怪異に立ち向かう物語。
ラストはなかなか考えさせられる。他人からしたら常識的、倫理的に外れてることでも、当人からしたら至極当たり前のこともあるんだよな、と。慣れとは恐ろしいものだ。
こ、怖かった~
比嘉姉妹シリーズの中で一番好きな登場人物である、琴子登場!
面白かったし怖かった。久しぶりに一冊の本を休まずに一気読みした。
大好きな琴子が活躍する上に、キーになる物(者?)が犬だった。ものすごーく心に残る作品になってしまった。真琴の事も含めて。
このまま引き続き、比嘉姉妹シリーズの次作を読みますよ。
Posted by ブクログ
久々に琴子が前線に出てきてうれしい。
ここにいるおばあちゃんは誰なんだ?ってなる所がゾッとして良い。
今回の化け物はどんな能力なのかと毎回ワクワクする。
途中から止まらなくなる。
Posted by ブクログ
比嘉姉妹シリーズ3作目
今回はお待ちかね琴子姉さんが主になってました。
『ぼぎわんが、来る』では圧倒的安心感を醸し出してたものの今回は幼少期が描かれ、後半でのししりばとの対決にはハラハラさせられっぱなし。
作中通して描かれる砂の扱い方がまとわりつく不快感や、見えない物を知覚させるアイテムとして活きていてとても良かった。
ししりばは《暴走する最強ホームセキュリティ》と聞くと、抜けた感じがするものの実際は他の怪異や呪いも寄せ付けず歪な家族構成を維持するだけの存在で間接的ではあるものの比嘉家の崩壊の根底にいるともいえるのでぼぎわん、ずうのめ人形と比べても格は十分。
最強に育った琴子さんですらししりば特攻持ちの銀くんがいなければ負けていたかと思うと強すぎますね。
Posted by ブクログ
普通を装った異常がほんとに怖い
ししりばはなんか可哀想な存在な気がしてきちゃった
爆弾を食い止めてから、暴走する最強のホームセキュリティなんだけどやっぱり家主?に使われてた訳で
ししりばがおかしくなるまでは代々敬い奉ってたとはいえ利用してきた訳で、、
最後は銀に萎縮して眠ったところを爆弾で爆発させられたと
それで存在が消えたのかは書かれてなかったけどどうなんだろう。
とにかく銀が傷つかなくて良かった!!!銀〜!!かっこいいよ銀〜!
最後のページの
名もなき二十日鼠とその家族へってのはなんなんだ
ししりばが元は二十日鼠とか?
けどししりばの足跡は大きな桜の花びらっていうから二股に分かれてるんだろうけど
二十日鼠の足は指が生えてるから違うっぽい
なんなんだ、、
Posted by ブクログ
比嘉姉妹はいつもボロボロになって痛々しい、その原点になったといってもいい話。真琴ちゃんがあんなに自罰的で自己卑下が激しいのは(他の兄弟が不幸なことになってることも関係なくないけど)姉の背中を見てきたからなんだろう。だけど琴子があれだけストイックになるのも無理はない。
「ししりば」は造語なんだけど、獣感ある語感だし、弱点から原形はカモシカかな、と思った。
砂はなんとなく崖からパラパラ落ちる小石のイメージ?一番最初の怪異が実はただの◯◯だった、というオチはなかなかだった。
ただ、ぼぎわんのときも感じたけど、クライマックスから終幕までのボリュームがもう少しあってもいいかなぁ、と思う。読んでて「え、この量で決着つくの!?」と心配になる。
そして今回もヒロインの旦那さんがアッサリと絶命してしまう。
霊異とか怪異に男性性って弱いのかな。そんなことはないじゃないかと思うけど、どうなんだろう。