あらすじ
「信子さんはずっと、俺の中の特等席にいるよ」
約束したプロポーズに向けて、ひそかに指輪の準備を始めた入江君。田中さんの薬指のサイズを知るため、計画を練って出かけた夏の徳島旅行で、彼女の意外な思いを聞かされる。そして田中さんも、結婚を意識する中で、職場の先輩・須藤さんの驚きの過去を知ることになり……。
ますます盛り上がる脇役たちの恋物語、最新第22巻!
アルバイトの面接で名前の「のぶこ」を「モブ子」と聞き間違えられても、「たしかにそうかも」と自分で思ってしまうくらい、脇役でいるほうが落ち着く田中信子、大学2年生。その面接で決まったスーパーでのレジ打ちのアルバイトも、1年ほど続けてやっと少しずつ慣れてきたところ。そして、アルバイトを始めたばかりの頃に困っているところを助けてくれた入江君のことをひっそりと心の中だけで好きでいる。そんな田中さんが入江君と距離を縮めていく様子を、アルバイト先のスーパーや田中さんが通う大学などでの生活と一緒に、大きな事件が起こったりはしないけれど、コツコツと描いているのが本作です。
お話の合間にちょいちょい書き込まれている「モブ子の習性」が、いろいろな場面を的確に表現していて、非常に納得させられます。また、ちょっと多めのモノローグが、田中さんと入江君という主人公2人が初恋に翻弄されながらもいろいろと考えたり悩んだりしている心の中を読者に見せてくれて、自分の初恋を思い出す人も多いのではないでしょうか。
個人的には、アルバイト仲間がみんないい人なのがすごく癒されます。特に、入江君に「誰かの事を考えてニヤニヤしちゃったら それが恋だよ」と言ってくれる金子先輩がいい人過ぎて、イケメンポジションなのにいい人で終わっちゃうのかなぁ…とちょっと心配になったりもしますが、そんな風に優しくてにぎやかな周りの人たちと一緒に、田中さんと入江君の恋の行方を見守りたくなる作品です。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
入江くん、サプライズプロポーズのための準備?お疲れ様でした!秘密でリングサイズを計るの大変ですよね。それから、たいちゃんと明日香ちゃん、少しずつ兄妹のような幼馴染から2人らしい恋人同士へと変化していく様が素敵です。本当によかったです。あと、信子ちゃんの先輩、須藤さん。もうしばらく経つとはいえ、辛い経験でしたね。これからどんな形でも彼女が幸せでいられるといいなと思います。