あらすじ
比類なき物語は、遂に「本章」へ!!
「ありがとう。ひとごろしになってくれて。」
そう吐露したママの首を、思わず法廷で絞めた
衝撃の少年審判から約20年ーー
静一は、生きていた。
ママに翻弄され、挙句、人を殺めた。
でも彼女に何も響くことはなかった。
それでも、生きてきた。
なぜーー?
若く美しい母・静子から溺愛されている中学2年生の静一。
クラスの女子・吹石に淡い思いを寄せたり、従兄弟のしげると遊んだり
ごく普通の中学生として暮らしていた彼の日常は
夏休み中に両親としげる一家との登山中に起きた事故から明確に壊れ始めます。
事故当時に母が取った行動が信じられず、彼女の一挙手一投足に過敏になる静一。
静一の心境を知ってか知らずか、吹石と静一の関係の進展を露骨に阻み、抑圧する静子。
抑え込んでいた苦しみと狂気を解き放ち始めた母と、静一はどう闘っていくのでしょうか?
事故の真相が明らかになるかどうか、というサスペンス要素もあり、
とにかく緊張感がすさまじい一作です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
お父さんはずっといい人。お互いに申し訳ないと思っていたのかな。亡くなる前に2人でお酒を酌み交わしてる場面が1番好き。いくつに、とか言葉もやさしいお父さん…
吹石さん
お父さんは賠償金を払うためにあちこち金策してご苦労されたのですね。それで家を売ってアパート暮らしになってたのか。ラストに吹石さん登場!
ついに新章
あれから時が経ち、静一は30代、2017年。
唯一のつながりとも言える父一郎が、静一の体調気づかないながら外へ連れ出してく場面は、悲しいながらも心温まるところもあり。。
(静子の影は常にいつも静一の心の中に潜んでいて、ふとした時に襲ってくる。)
20年ほど前のあの事件から、賠償金やらなんやらを一郎が汗水流して尻拭いしてくれたようだ。
そんな父も、ついに天に召される。
一人になった、と静一は思う。
その墓参りの最中、初恋ともいえる昔の彼女とばったり再会するのである(相手は気づいていない?)
続きが気になる終わり方だ笑
最後の墓参りの場面でとても思う、時の流れって残酷だね。
Posted by ブクログ
20年を経ても苛まれる心、まとわりつく母の影。
体は成長しても、心は深く傷付いたままだ。
事件後を支えてくれた父の死と吹石さんとの再会が静一を変えてくれるのか?
静一の中でドス黒い化物と化した母親と対峙するきっかけになるのか?
救われて欲しいが、死以外の救いが何も見えない…。
他の方々と同じく、これから本章というアオリに驚き。
30代となった静一の今の生活が描かれるだけなのだが、あの後だけになにか緊張感がある。
すっかり小さくなってしまった一郎、一人大きな負担を抱えながら、静一に謝罪を繰り返す。
全くの無関心に見えた前巻までとのギャップで、もっと早く気付いていれば母の支配を
逃れ得たかも、と思えるだけに切ない。
人生を終わらせようとする静一に、再び対決の場が来るのか、と思いきや、母の支配から
逃れ得たとすれば大きな鍵であったもう一つが目の前に。
いいところで終わるなぁ。