あらすじ
今日も騒ぎが絶えない本所おけら長屋――。だるま長屋との度胸勝負で本物の幽霊が……。お染が考えた半襟が売り出されて大当たり!? 吉原に通い詰める藩士の子細を知った藩主・高宗の決断とは。久蔵が見た富くじの夢は現実となるのか!? 金貸しのお熊ばあさんが過去と訣別するために選んだ手段とは……。笑いと涙が同居する、大反響の連作時代小説シリーズ第五弾。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾。
さすがはお節介と人情で知られたおけら長屋。
とうとう幽霊にまでお節介をやくなんて。
幽霊の話しに耳を傾け、なんとか成仏させたいと策を練る。
そろそろ成仏しな、と励ましながら幽霊に酒を次ぐ。
やっぱりいいな、おけら長屋。
そして今までで一番泣けたのは『わけあり』。
金貸しのお熊ばあさんが幼い頃から心の中にずっと抱えていた重い荷物。
最後に取り出すことができて本当に良かった。
人と人が繋がっていって、互いを思い合って生きていくことの大切さをお熊ばあさんから教わった。
やっぱりお熊ばあさんが大好きだ…もう最後は号泣。
「このおけら長屋で暮らしている人たちを見てみろ。貧乏人ばっかりだ。着物は継ぎ接ぎだらけで、店賃は溜め放題、家の中にゃなんにもありゃしねえ。だけど、泣いて笑って、助け合って楽しく暮らしているじゃねえか。おれは幸せだぜ。このおけら長屋に越してきて、それがわかったんだ」
喜四郎の男の覚悟にも泣けた。
Posted by ブクログ
王道の人情噺シリーズ。十分に期待に添ってくれる5作目
…ん?ちょっと雰囲気変えてきたのか?今回は(良い意味で)あっけらかんとした終わり方の話だけではなく、含みを持たせた話もありーの、悲しい別れもありーの。
(ネタバレ)
お熊ばあさんは、シリーズを支える名脇役になると思ったのだけどなぁ~
Posted by ブクログ
普通、シリーズものは順番に予約して読んでいきますが、「本所おけら長屋」は第1巻がとても面白く、予約が早い順に読んでいます(^-^) 第5巻(2015.9)も面白かったです。ねのこく、そめさし、はるこい、まさゆめ、わけあり の5話。「はるこい」と「わけあり」、特に秀逸でした(^-^)
畠山健二さん「本所おけら長屋(五)」、2015.9発行、再読、何度読んでも新鮮で新たな感動を覚えます。ねのこく、そめさし、はるこい、まさゆめ、わけあり の5話。「そめさし」は、お染の「何とかしようじゃないか」の心意気や良し。「はるこい」は黒石藩主高宗の「藩政」への謙虚な姿勢に拍手。「わけあり」は、お奈津の若き日の苦労、理解する夫の喜四郎、お夏の姉と子供たちへの長屋のみんなのサポート、読み応えがあります。話が深いです。それにしても、お熊ばあさんがカッコよかったですw。
黒石藩の真面目侍、尾形清八郎24歳は、御目付として江戸勤務に。万松、松吉と居酒屋で出会い、無理やり吉原に行くことに。そこで会ったのは郷里黒石で幼馴染みのお葉(美里)。藩主高宗に江戸事情の報告を。「政(まつりごと)とはいったいだれのために為されるものなのでしょう」。高宗は黒田三十郎として美里(お葉)のところに。苦しみながらも懸命に生きる黒石藩の民の実情に触れた藩主はどうでるのか! 畠山健二「本所おけら長屋(五)」、2015.9発行、再読。
Posted by ブクログ
このシリーズは文章にリズムがあってとても読みやすいです。5冊目になり登場人物にいよいよ愛着が湧いて感情移入が出来ます。
今回は万事上手く収まるラストではないものが多いです。以後の作品において最後まで結末がわからないほうが引き込まれる気もします。「はるこい」は続編に期待です。「わけあり」では準主要キャラのお熊がまさかの…。
また、今回は章によってボリュームに違いがありますね。