【感想・ネタバレ】「子供を殺してください」という親たち 1巻のレビュー

あらすじ

家族や周囲の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。現代社会の裏側に潜む家族の闇と病理を抉り、その先に光を当てる――!! 様々なメディアで取り上げられた押川剛氏の衝撃のノンフィクションを鬼才・鈴木マサカズ氏の力で完全漫画化!

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ネタバレ

あの作品の…

いわゆる「漫画ファン」の方であれば、その多くが御存知であろう「マトリズム」の作者さんによる作品です。

毎回、あの「怒りの目」というのでしょうか。独特の、なんともいえない眼光が、毎回のように描かれます。

すべての精神疾患を抱えた人が、みな、社会的な問題を起こすわけではありません。

かし、やはり、現実には、ほかの疾患と比較すれば、そういう人が多いのもまた…

なんらかの「外圧」により、被害者として、罹患する人、そこから、加害者になる人、さまざまです。


物語の「主人公」は、医者でもなく、役所の人でもなく、民間企業として、相談から入院まで、幅広く対応する事務所の主宰者さんです。

対応、できればいいのですが、それに至らないケースも、往々にしてあり、それもリアルに描かれています。


主人公は、50代前半から半ばにかけてのようで、高校生時代に、学校近くの「病院」で、鉄柵のむこうから、こちら側の世界を絶望的に眺める集団との「出会いとふれあい」から、この事業を始めるきっかけになったエピソードなどを見ると、

当時は、もう「座敷牢」のような環境で(病院により事情は異なっていたと思いますが)、今は、かなり「改善」されたのだなと思います。


主人公は、まだ「ひよっこ」のスタッフひとりを雇用しているだけで、たったふたりで、というか、ほぼ実質的にはひとりで、じつにさまざまな事情を抱えた当事者と家族に接していきます。

時には、昔からまったく進歩していない「名医」とされているダメ医者や、疾患を負った時点で我が子を不要物として扱う、社会的には地位の高い親とも、また、それらの弁護士等とも、対等に、それ以上に、渡り合うのは、相当のメンタルの持ち主なのだろうなと思います。


某SNSアプリで、この作品を知りましたが、毎回、1話ごとに設定されているコメント欄では、さまざまな立場からの(当事者、家族、医療関係者、そういう方々に部屋を貸す不動産管理業の方など)意見が挙がっています。

惜しむらくは、千件以上の「いいね」がつく「ベストコメント」に、100件近くの「反論投稿」がされるなど、その見解の違いから、時折、かなり激しい「中傷」合戦があることですかね。

それもまた、この疾患の「奥深さ」ゆえか…

ぜひ、ご一読を。

0
2020年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【鈴木マサカズさん】
最初はのんびり読める「町田ほろ酔いめし浪漫」で知って興味を持ち、
「銀座からまる百貨店」でそういう漫画家さんですか!
と、
認知し、
今回の「子供を殺してください」という親たちで追っていくことを決めた漫画家さんです!


【分割】
1巻は#1から#4までありますが、
#1は1話完結、
#2と#3で2話完結、
#4は2巻に続くので今回は感想は書かなく2巻でまとめます。


【占い師「神楽」的感想】
基本設定
「精神障害者移送サービス」っていうのね。
例えば、
親が手に負えない病的な子供を病院に連れていく。
でも、
暴れてできない!
と、
いったケースなんかに間に入って病院に連れていくのがお仕事なのが「精神障害者移送サービス」でしょうかね。
ちなみに、
日本では30名に1人が精神疾患で通院や入院をしてる計算になるらしい。
意外に多いよね。


患者と医者をつなげる仲介者的な存在のお話。


#1
庭で全裸になってバットを振る男性。
そう聞けば「精神異常だな」って普通は思うわな。
それを、
目視確認し依頼を受ける「精神障害者移送サービス」業を営む「押川」さん。


父親は法律事務所を経営してるやり手さん。
その息子さんなんだから当然、将来は弁護士かな?
と、
思われていたけど成績が下がってそれは無理と。。。
それから、
精神崩壊していって統合失調症に。
そのうち、
飼い猫をバットで虐殺する始末。

「押川」さんの説得の末、
入院させることには成功したけどすぐにでてきちゃうのね。
でてきちゃっても、
家に帰ってきたら報復が怖い家族はなんとかしてくださいって匙を投げて、
引っ越す始末。


精神病院と、
監獄がなんかリンクするね。
犯罪しても、
子供なら殺人でもすぐにでてきちゃう!
怖い!
報復が!
みたいな話を東野圭吾さんの小説で読んだ気がするぉ。
そして、
どこまでいっても子供もペットのように捨てちゃう親も怖い。
実年齢ではなく、
精神年齢で成人してから結婚、育児して欲しいですね。
そんな国にそのうちキノも行きそうだね。


ちなにみこの患者さん、
暴力事件を連続で起こし執行猶予中の事件で実刑判決がくだると。。。
たまに、
豹変する人っていませんか?
その人30分の1かもしれませんよ。


#2と3
アルコール依存症ですな。
漫画家「吾妻ひでお」さんも失踪日記のなかでアルコール依存症をカミングアウトしてるね。
意外というか、
普通に多いのが主婦さんのアルコール依存症なんです。


この漫画の中のアルコール依存症の方は男性で、
飲むと暴れるし、
暴れるだけではなく車の運転もしてしまう困ったちゃん。
こんなのに轢かれて死んだら死にきれんわな。
きっかけは、
父親に包丁で切り付け20針の怪我を負わせたこと。
オチは父親にあったんですが内容は内緒。


かぐりんが関わったことがある依存症はアルコールが軽度重度含めてざっと思いつく人だけで6名くらい。
煙草の依存症はたいした被害がでないし、たくさんいるんで割愛。
SEX依存症は2名かなぁ。。。
ドラッグはざっくり思いつくだけで3名かなぁ。。。
その中で、
占いのお客様だったのが半分くらいでしょうか。
ちなみに、
占い依存症だと思われる方はその3倍くらいいましたね。
毎月占いに100万とか使っちゃうんですよ!


普通に多いのが主婦さんのアルコール依存症なんです。
って書いたけど、
占い師しててそういう依頼がある。
特に昼の電話鑑定してた頃にそういう依頼があった。
最初はびっくりしたぉ。
だって、
運勢みたり、
開運したり、
成長させたり、
愚痴を聞いたりするのが占い師の仕事だと思ってましたが、
アルコール依存症を治せますか?
と、
きたもんだ!


ちなみに、
だいたいどこの占い館でもそういう病気な話は専門家、医者に相談してください。
と、
さりげなく回避するようにって言われてるはず。
電話鑑定だったりすると、
会社が録音してるから絶対に回避します。
話をそらして、
健康運を観ましょうなどと違う話にしてしっかり稼ぐ占い師も多いですけどね。
かぐりんは回避します。
でも、
これが個人鑑定で、しかも対面だと困る!
だって、
目の前で暴れる可能性もあるでしょう!
だいたいが、
喫茶店なんかで対面鑑定するんで、
喫茶店で暴れられたらチョー困る笑
笑えないわ!


かぐりん的には、
アルコールにしろなんにしろ、
「依存症」を「性格」としてとらえてます。
これ、
「性格」ならなんとか矯正すること可能なんです。
まず、
「依存症」ではなく「性格」なんだって把握させることから始めることが多い。
ちなみに、
漫画にでてきたアルコール依存症の男性は、
幼い時から、
昆虫をいたぶり殺す癖があり、
野良猫や飼い犬も殺ってたらしいのですが、
生来から持ってる「気質」は矯正できるのでしょうかね?
占い師の領域ではないので何とも言えませんが、
コントロールすることはできると思うのですよ。
でも、
本人次第なのが玉に瑕です。。。
本人にその気がないのが「精神疾患」なのかなってかぐりんは把握しています。


医者がハードル高いなら「精神障害者移送サービス」を、
「精神障害者移送サービス」がハードル高いなら占い師を使っていいので、
まずは、
話すことから始めたほうがいいのですよ。
と、
一応、言っておく占い師「神楽」でした。

0
2017年08月09日

T

ネタバレ 無料版購入済み

あぁ…

悲しいけど、なんかとてもよくわかると言うか…。
親は子の幸せを願ってる事は確かなんだと思うのですが、その方法や、親が思う幸せと子が思う幸せの違いもあるし…。
親の見栄や世間体で押し付けられ、子のこころが壊れてしまう…という、決して少なくない悲しい現実を改めて感じました。

#ドロドロ #ダーク

0
2021年06月14日

ネタバレ 無料版購入済み

敢えて書きます

「深い話」「悲しい話」、そういう点で高評価をしている方が多いとは思います。
が、敢えて書きます。

私はこの作品を読んで、心に響きませんでした。
それは、原作者が問題。

まず、巻末の原作者自身のコラム。
自分の事を「俺」と書かれています。
なぜなのか?

このマンガの1巻が発売されたのが2017年。
1968年生まれの作者は既に49歳のハズです。
それで一人称が「俺」。

原作者を検索し、色々調べてみました。
派手な見た目、公式ブログや講演会のパンフレットでも、両手をポケットに突っ込んで仁王立ち。
自身の生い立ちの話では、少年時代の武勇伝を語るかのような内容。
そして、今のブログ・HPでは、SNS等ありとあらゆる手段を用いて、自己PRに余念がない。

こういう人、私の身近にも実際にいます。
が、このやり方はやはり私には受け入れられない。
信用できないんですよ。

3巻にある「史上最悪のメリークリスマス」を読んでよりそう感じました。
さもすごい出来事かのように書かれていますが、「親や他人を殺す寸前の人」と比べてどちらが壮絶か?
少なくともいち読者の私には、この話の主人公より、他人に危害を加える寸前の人の方が危険に感じます。

もちろん、「敢えて見て見ぬふりをしていた親の責任」という意味では、他の例よりも重いのかもしれないですが、煽る表現でよりすごさを増そうとしているだけじゃないのかと感じてしまいました。

もちろん、私は原作者本人を知りません。
実際に会って話をしてみれば、本当に真摯に依頼者と患者の事を考えており、世間に実態を知ってもらうために敢えて道化を演じてアピールしているという可能性もあります。

が、少なくともざっと作品を読んだ限りでは、それよりもマスコミ等をうまく使っての自己・自社PRに必死な方という印象を受けてしまいました。

このコメントに批判的な読者も多いと思います。
が、敢えて率直な感想を書かせて頂きました。

#切ない #タメになる #ダーク

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2021年11月10日

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