【感想・ネタバレ】岳飛伝 一 三霊の章のレビュー

あらすじ

負けたのだ。「替天行道」と「盡忠報国」というふたつの志の激突だった。半年前の梁山泊戦。瀕死の状態の楊令に右腕を切り飛ばされた岳飛は、その敗戦から立ち直れずにいた。頭領を失った梁山泊は洪水のために全てが壊滅状態にあった。一方、金国では粘罕(ネメガ)が病死した後、軍を掌握したのは兀朮(ウジュ)。そして青蓮寺が力を失った南宋も混沌とした状態だった。十二世紀中国で、熱き血潮が滾る「岳飛伝」開幕! 大水滸伝・最終章、待望の文庫電子版全17巻刊行開始。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

百年に一度の大洪水で水に没した梁山泊。
突然の楊令の死に呆然としつつも、機能を回復しつつあるものの、今後の方向性を出せる者は一人もいない。

楊令亡き後も今までどおりの仕事をしながら、新たな指導者を待つ古い世代と、新たな道を模索する若い世代。
史進が「じじい」呼ばわりされるくらいなのだから、もう本当に世代交代の時なんだと思うけど、最初から読んできた身としては少しさびしい。

楊令の死は岳飛の勢いも一時止めた。
その間に着々と国の体制を整えていく南宋の秦檜(しんかい)と、整えきれない金国の兀朮。

それぞれのスタートラインが示された第一巻。

“自分のことは、自分で決めろとは、どういうことなのだ。好きなように生きればいい、というのとは少し違うような気がする。誰でも、どこかでなにかを耐えている。なにかを諦めている。それが生きるということだろう、と張朔(ちょうさく)は思っていた。”
母親代わりの顧大嫂(こだいそう)に、自分のことは自分で決めろと言われ悩む張朔。
けれど、梁山泊に足りなかったことは、確かにそういうことなのだ。

彼らが何を考え、何を行い、何を諦めていくのか。
続きを読むのが楽しみだ。

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2018年07月24日

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