【感想・ネタバレ】キーリIV 長い夜は深淵のほとりでのレビュー

あらすじ

ハーヴェイが消えてから約一年半。キーリは16歳に。キーリと、ラジオの憑依霊・兵長そしてベアトリクスは、東サウスハイロで暮らしている。 ――ある日、ベアトリクスの情報筋からキーリの出生の手がかりが見つかったと聞き、ノースハイロ方面に向けて出発する。旅の途中、ウエスタベリ教区のはずれの街トゥールースに着いたキーリ達は、また不思議な出来事に遭遇する。そして、キーリの出生の手がかりとは!? ハーヴェイとの再会は!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 表紙のキーリ、上下少し斜めの角度から見ると泣きそうな顔するんですよ。


 前作の終わりにハーヴェイと別れ、今作はそこから1年半後。
 大人しくハーヴェイを待つキーリではなく、今度はベアトリクスと共にハーヴェイの行方を追って旅をします。

 キーリは、ハーヴェイに保護されていた頃よりも外見も性格も少しずつ大人びてきて、クールでドライだけどお人好しなところはハーヴェイにそっくりです。
 ハーヴェイのしぐさや癖をあれこれ覚えているところにもぐっときます。
 1年半というブランクも大きいもので、少しぎこちない関係になっていく二人の心情の表現にとても共感できます。特にキーリ。離れているうちに思いが募り募って独りよがりっぽくなって、それまでの距離感が分からなくなっちゃうんですよね。自分だって素直になれないくせに、相手の素直じゃない(戸惑っている)態度に対して「自分が一方的に思ってただけなのかな」と不安になったり拗ねたりして。

 また、今回は女性二人(とラジオ)の旅のせいか、こころなしか華やかさというか明るさがあります。
 ハーヴェイよりも「!」を多用して話すベアトリクスのテンションの高さがなかったら、救いようなく暗い話になるんじゃないかと思うくらい、ベアトリクスの存在は大きいです。
 本当に、彼女にはもっと幸せになってほしいのですが、面倒押しつけられた挙句損な役回りさせられる展開が……。

 「泣かないハード・ガール」で過去の幻影が見えるところが、今回は一番印象に残りました。
 幽霊ではあっても、自分のことを知っている人たちに温かく囲まれるという体験を、キーリができて本当に良かったと思います。

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2014年10月01日

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