あらすじ
アイヌの里で青年・ピピチャリに出会ったバードと伊藤は、
今まで語られることのなかった、本当のアイヌの暮らしを垣間見ることにーー。
文字を持たない人々の生活を記録する最後の旅がはじまった!
イギリス女性探検家イザベラの大紀行! ~明治日本見聞録~
「明治に」「イギリス人女性が」「蝦夷を目指す」……創作かと思ったらなんと実話を元にした作品!旅は発見や出会いが醍醐味とは言え100年以上前の日本を外国人女性が探検となればカルチャーショックも山盛りです。
様々な作品で舞台になることの多い明治時代ですが、本作の面白いのは都会から離れた奥地の日本が描かれている所。今の日本人でも初めて知る当時の社会風俗が描かれていて、読みながらその時代に思いを馳せてしまいます。
単に「感動した」「綺麗」と賛辞を並べるだけでなく、当時の不衛生な所や文化の違いなども変に美化せず描写されているのが良いですね。旅路は好奇心旺盛な女性探検家イザベラと不愛想な通訳の伊藤が歩みますが、衝突したり分かり合ったり支え合ったりで実に良いコンビです(イザベラの反応もいちいち面白い)
イザベラ著の原作「日本紀行」も是非オススメ、本作と読み比べると楽しさが更に倍増です!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いよいよアイヌの人々との交流が始まりました。
民族の他民族への弾圧は古今東西、変わらないんだなぁと思いました。
そりゃ墓を暴かれて売買されたら誰でも怒る。
Posted by ブクログ
アイヌ側の視点を加えてより重厚になった12巻。
口承の文化を文字にするのは、確かに拒否感が生まれるかも。伝えることに重きを置いて、意味を持たせてきたのだから。文字に遺された文化はそれそのものではなく、ましてや書き手は外部なのだから、変質したのものが残るだけ。ただそれでも、面影を知ることができるから、現代の私たちにとって、やっぱりありがたかったです。
バードさんの旅行記にそう言う視点を持たせた事に、この漫画の意義があるなぁとも思う。
入江さんと森さんの展覧会に行ってとっても良かったので、佐々さんの展覧会も是非やってほしいな。
アイヌへの尊敬
テュルク語族、アルタイ民族、アイヌ民族、北米の先住民族…とても似通ってて、自然と共存してきた伝統に対して尊敬の念がわく。
開拓使は、アイヌから敬虔に学んでいたら食べ物に困らなかったのでは?森から得るのに、その森を伐採し、動物を追払い、農業を始め、苦しんだ。
結果としてひとつの今があるのだから、もし、を考えたところで仕方ないけど、アイヌ人達の豊かな食生活は学ぶべきだったろうと思われる。
そして今、外国人に段々と侵略されつつあり、日本の良さと安全が脅かされている。これも歴史のひとつなのだと妙に納得してしまった。
ピピチャリのような新しい文明に感動する心を持ちつつ、現存の暮らしや文化を大切に思う存在に癒される。
昔のことが書かれているようでありながらも、街中に中国語、韓国語が増え、6000人のベトナム人の技能実習生のうち4000人が毎年不法移民として消え、日本人を相手に詐欺や強盗を行い、外国人の犯罪は不起訴になる日本。
秩序があり、自然と共存してきたアイヌから名前や言葉、尊厳を奪い、貨幣とともに「駆逐」した祖先たちが行ったことと、今行われていること、同じではないか。
立場が変わっただけのこと。
ピピチャリはどう生きるのだろう?
Posted by ブクログ
11巻が出ていたのを
見落としていたようで
今回合わせて2冊読み!
アイヌ編スタート!
風習や文化「ゴールデンカムイ」と
似たようなシーンがあったり...
表現の仕方(描き方)など
比較して読むのも面白い
Posted by ブクログ
アイヌ編。ある意味ここからが本番なのかもしれない。
毒を口に含んで異文化理解をしようとするバードさんに少し狂気を感じる。
家づくりはアイヌどころか日本人だって昔はどうやってたかを知る人なんてほぼいないよなあ。
Posted by ブクログ
おっと、意外とガッツリ
北海道アイヌ編が続くのですね。
前巻から、ちょっと対人オーラ
悪い方に振れている伊藤でしたが
アイヌの若者ピピチャリに出会って
新たな刺激を受けた様子。
そのピピチャリの生い立ちも
丁寧に挿入されて
当時の同化政策のことなど
考えさせられました。