【感想・ネタバレ】下鴨アンティーク 白鳥と紫式部のレビュー

あらすじ

蔵に眠る「いわくつき」の着物の管理を祖母から引き継いだ鹿乃。その着物も、とうとう最後の一枚に――。「桜の園」と名付けられた着物は、書き置きを残して失踪した野々宮家の女性のものらしい。彼女の足跡を追ううち、祖母が「叔母さんは、山で『神隠し』に遭うたんや」と言っていたと知る。神隠しの真相と、鹿乃と慧、そして良鷹、それぞれが未来に受け継ぐものとは――。 【目次】雛の鈴/散りて咲くもの/白鳥と紫式部/あとがき

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これ以上ないくらい素晴らしい完結巻だ!
けど、もう少し先が気になる……と思っていたら番外編があるらしい。

●雛の鈴
鈴の音が鳴る帯の話。
淡島信仰と加賀手毬。
また、野々宮の家を出て新しい関係を築き始める慧と鹿乃、そして良鷹3人の関係を描く話。

●散りて咲くもの
芙二子の目録にある最後の1枚の着物。
かつて失踪した“野々宮の女”の着物は、次世代に、芙二子に、そして鹿乃に受け継がれる着物だった。
この話を書くために、以前の巻で信篤と汐子(鹿乃たちの曾祖父母)の話を出したのか……。

●白鳥と紫式部
紫式部に始まって紫式部に終わる。
最終巻に相応しいタイトル。

半分以上が良鷹目線で、シリーズでは一番本格ミステリーの要素が強い話だったかも。

いずれ慧と結婚した鹿乃は家を出ていく……その時までに良鷹は立ち直れるのか!?と誰もが心配していたところに、新しい野々宮家の一員が!
良鷹の中学時代の同級生の子であり、父が亡くなって身寄りのない娘を引き取ることになる。
彼女―幸はまだ十歳だが、いずれ良鷹の紫の上になったりは……しないだろうか。。。
血、繋がってないし。
そして幸にもどうやら不思議な力があり(何しろ亡くなった祖母の化身である白露と話ができるほど)、鹿乃が家を出ても次の代の“野々宮の女”になれそうである。

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2019年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いいぞぉー!良鷹ー!!!
世界で一番の果報者となれー!!!
今まで『過去』に捕らわれ続けた良鷹が幸ちゃんという前に導いてくれる存在に巡り合わせてくれたこの奇跡にマジ感謝。
親戚と家政婦はマジ愚者。
何故かラップ調になるほどマジ嬉しい

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2018年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

慧と鹿乃が可愛いんですが、良鷹お兄ちゃんにも拠り所ができて良かった。鹿乃が、自分にたどり着くまでの野々宮家の女性たちを感応するシーンが圧巻。幸ちゃんが来てくれて良かったなとは思いますが、幸ちゃんが嫁に行ったらどうするの良鷹、と突っ込まざるをえない……。あ、その頃にはうまくすれば鹿乃に子どもがいるかな
シリーズ終了がとても惜しまれます。

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2018年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今回奈良の吉野の桜のシーンがあってとても驚きました。
自分も奈良に住んでいて吉野の桜を見たことがあったのであの綺麗な桜を思い出しました。また春になったら見に行きたいです。
そして、ついに終わってしまうことがとても残念です。
最終巻では驚いたり、ほっこりしたりと賑やかな展開でしたが下鴨アンティークらしいクライマックスでした。
春には、番外編が出るそうなので楽しみに待っていようと思います。

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2017年12月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

購入。ようやく読めました。

何となく、帯からして最終巻かと思ったら、案の定(あとがきに番外編が出るとあって、ちょっと嬉しかったけど)でした。残念だけど、素敵なラスト。
シリーズ通じて何だかんだあったけど、雰囲気がとにかく好きでした。さらりとしていて、余韻が心地いい。
京都の片隅で、こんな方々がひっそりと住んでいるんじゃないかと思わせてくれる作品でした。ご馳走さまです!

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2017年12月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下鴨アンティークの6作目。

白猫の白露はやっぱり祖母だったか。
祖母から預かった最後の着物は、曾祖父の妹にあたる女性の着物だった。
華族である野々宮家を出て使用人と結婚したため、
野々宮家の代々の女性のために縫い
最初に蔵にしまわれた着物だった。
不思議な力を持つ着物を自分のものとして受け取り、
鹿乃は新しい着物を預かっていくことを決める。

自分の予想は良鷹と骨董屋の娘真帆が仲良くなる、だったが、
まさか良鷹が友人の娘を引き取ることにするとは。
まあ、友人が亡くなり、身寄りのなくなった娘が財産目当てに殺されかかるとあっては、
いたしかたないが。

白露こと祖母が『いつ嫁をもらうんかと思てたら、嫁やのうて子供か』と、
言いたくなる気持ちは良くわかる。
番外編がもう1冊あるが、とりあえずこちらが最終巻。
ほんわりとした不思議なお話で良かった。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

着物に遺された、あなたへの想い。

直接は言えなくても、遺された想いがある。祖母から受け継いだいわくつきの着物も残りわずか。鹿乃の成長も見える巻。慧は父親のことや鹿乃への想いが一段落して、すごく余裕がある感じになった。何気に兄の良鷹がフィーチャーされている巻でもある。

「雛の鈴」着物に託した母の想い。わかっていても言えなかったこと。知っていたけれど、知らないふりをした愛情。着物の謎を解くということは、誰かの個人的な領域に踏み込むことでもあり、今回のように拒絶する人もいる。うまく落ち着いてよかった。鹿乃の一生懸命さが人を動かした、というところ。

「散りて咲くもの」最後の一枚は、野々宮家の人が遺した着物ということで、鹿乃や良鷹も気負うところがあったか。『山歌集」や『櫻の園』が出てきたけれど、このシリーズだから危ない方向に行くとは思わず、穏やかな着地へ。桜は散って、次へとつなぐ。卒業式のシーンがありましたが、赤レンガの校舎とか、ほとんどが同じ大学へ進むというところに、やはりこの学校のモデルは……と思った。

「白鳥と紫式部」良鷹の同級生が亡くなり、彼から着物が届く。体の弱かった津守亘が、一度だけ話をした良鷹に託したかったものは。彼の娘である幸がかわいらしい。良鷹は愛情を注ぐのが上手いのかも。結婚する前に娘(的な存在)ができてしまった良鷹だけど、真帆のことは、このまま腐れ縁で行くのだろうか。

人と人をつなぐのは、やはり愛おしいという想い。こじれても、誤解があっても、一度のすれ違いでも、会ったことがなくても、想いを遺すことはできる。世界の優しさを信じている物語だった。

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2018年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下鴨アンティーク、最終巻。

ラスト一枚となった野々宮家の蔵の不思議な着物。
持ち主は野々宮家の女性。
彼女は神隠しにあったと話した祖母の意図を理解するうちに、巫女の家系として連面と続いていた野々宮家の不思議な力を知り、継承して次へ繋げようと決意する。

そんな合間合間に繰り広げられる慧との初々しいやりとりとか、良鷹の地味~な邪魔(笑)
今までは重い事情も多かったけど、ラストはスッキリ終わった感じがする。

ラストはそんな鹿乃が一人立ち?して初めての出来事。
良鷹の中学の同級生から届いた突然の荷物。
不思議な藤色の着物から始まる。

結果、依頼主の子供を引き取ることになった良鷹。家族が亡くなったとき、鹿乃という守るべき存在がいたが為に、家族を失った悲しみと本当の所では向き合えていなかったんだな、と感じた。
鹿乃と慧のことは認めているけど、しかし一人立ちしていく鹿乃が自分から離れていくのはさみしい…という複雑な兄心w

白露はいつまで現れるのか、とか、今後の良鷹と養い子幸との関係や鹿乃と慧のその後のストーリーなど、想像出来ることがたくさんあって後日談も気になる!

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2018年09月24日

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