あらすじ
【シリーズ累計15万部突破!】京都、下鴨――。ある日、野々宮家を見知らぬ男性が訪ねてきた。知人の女性を探しているという。聞けば、その女性の祖母が、鹿乃(かの)の祖母に着物を預けていたそうだ。鹿乃が蔵から取り出したその着物には、斜めに横切るように鮮やかな赤い糸が描かれていた。ところが、まばたきする間に、その糸は切れてしまい……? 古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。【目次】星の糸/赤ずきんをさがして/雪花の約束/子犬と魔女のワルツ
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Posted by ブクログ
妹より譲り受け本。
シリーズ4、5作目をまとめてもらっていて
今回も京都に出かけている間に読みました。
4作目は鹿乃の亡くなった両親や曾祖父・曾祖母
慧の生い立ちなど身近なところの昔の話が多かったですが
5作目は現代のよその人の話が多かったです。
1編だけ、良鷹が高校生、鹿乃が幼児の時代
慧と鹿野の仲はもう少しだけ前進
なんとも微妙なところで終了。
Posted by ブクログ
積ん読からの一気読み。
やっぱり読み始めると止まらず。
自分の好きな作風。
今回は、登場人物の心情が動いたかな。
ちょっとホラーテイストもあり。
面白かった。
Posted by ブクログ
下鴨アンティークの4作目。
春野のきもさがパワーアップ。
鹿乃の親友の祖父がやっている喫茶店に入り浸っているのも十分怖いのに、
みんなでお茶会と嘘をついて鹿乃ひとりを招くとはもはや犯罪レベル。
慧の恋敵という設定にしても、もうちょっと爽やかにできなかったのか。
仔犬の水滴(硯に水を灌ぐための道具)が良鷹についてきてしまい、
鹿乃いうところの「わんわん」になって、
飼い主のもとに連れて行く「子犬と魔女のワルツ」が良かった。
登場人物がみんなこの世の者ではなかったが、
幼稚園生の鹿乃がかわいかったし、
妹が大事で同級生女子をふりまくる高校生の良鷹が面白かったし、
白と黒のぶち柄の子犬が飼い主、というか妻を助けに来るのも良かった。
兄と妹のように育ってきたが、違う気持ちがあることに気が付いている二人は、
その気持ちの戸惑いながら向き合っていく。
慧が父と一緒に母の法事に行くことにするのも、ゆるやかな変化だ。
Posted by ブクログ
「下鴨アンティーク 雪花の約束」
もうほんまに、この本素敵…。
コバルトのいいところを全部集めてるというか、コバルト世代が大人なって読むためのツボを抑えまくってるというか…。
(そして案の定私もツボをつかれている)
さて、祖母から譲り受けた蔵にしまわれてる着物から、その持ち主の過去と因縁に触れる…ちゅう筋は、(古いものから何かを読み取るという意味では)ビブリア古書堂と通じるところがある。
とはいえ、鹿乃ちゃんと栞子さんのキャラが全然違うので、
「似てる」
とは全然思わないんやけど(どっちやねん)、
あー、やっぱりここで終わるよねー…
と、もんどりうった。
以下、ネタバレになるんやけど、
こちとら少女ではないので(笑)、慧ちゃんのあの必死の決意を瞬間で崩壊させた鹿乃の若さが眩しすぎた…(笑)。
イヤもう慧ちゃんかわいそうすぎて(笑)!! ←笑ってるやん
慧ちゃんも鹿乃も憎からず思ってるんやから、もうくっついたらエエやん、って思うけど、それができひんのよねえ。
できひんよねえ、それは!!
うーん、鹿乃の将来も全部ひっくるめて責任を取るのなら、慧ちゃんが鹿乃をさらってもいいとは思うんやけど…。
他を知らないまま、慧ちゃんだけでいいのかという純粋な疑問もある。
いやもう他なんて知らなくてエエねんけどね。
ひと昔前ならそれで充分やったけど、さすがに平成の世やもんね。
それはそれで、鹿乃の未来を奪ったって後悔するのかもなー…。
鹿乃に他の未来なんて歩いてほしくないくせに、自分を選んでくれたら
「それで、いいのか」
と、躊躇いそうやんねえ、慧ちゃんって。
ほんで、そこを後押ししてくれるのが良鷹っぽいけど、果たして、この続きはどうかな。
黒谷さんでのあのシーン、表題作の終わりが
「あ、やっぱり…」
と、思いつつも
「くーーッ!!」
と、転げまわりたくなるような状態で、でも大丈夫、あと一章残ってる…! ってページをめくったら
「そのときの良鷹は」
みたいな話で、ここもまた
「あっ、そうくるよね。そうよね…」
と、なった(笑)。
著者にいい意味で裏切られました。裏切られたっていうか、鼻先ニンジンみたいな…(笑)?
ほんっま早く続きが読みたい。でも、この巻がこの年末に出たところみたいなので、まだまだ先やね…。
12月に初版で、翌月の1月には二版になってるので、そうとう売れてるのね…。そりゃ、そうやろうなあ。
オレンジ文庫、ほんまに好きや…。
もっと蔵書に増やしてほしいけど、これは買いたいかもしれない。欲しい。欲しいよ。
今回も新刊の蔵書やったので、とてもとてもきれいな本でした…! 幸せ。
鹿乃と慧ちゃんふたりのエピソードが衝撃的すぎてついそちらにばかり目がいってしまいがちやけど、アンティーク着物にまつわる話もいつも通りかなり面白かった。
赤い糸の話なんて、冒頭の一文からギュっとつかまれたよ。
この出だし、すごいね。
ちょっといかにも少女小説ぽいつかみかもしれへんけど、このつかみでギュっとやられてしまう人がこの本を読んで
「面白い…」
と、思うんやから、これが最高なんやと思う。
鹿乃の世間知らずぶりは
「ほんまにこんな世界があるのか?」
と、思わなくもないけど、…うん、あればいい。こんな世界が、あればいいよ…! 笑
変えたいものと変えたくないもの、どちらが多いかな。
結構、グサッときた。
フォーティーズですから、もう、「変えたくないもの」の、ほうが多いと思う。
でも、鹿乃ちゃんのころは、私も、「変えたいもの」ばかりやったよ。
そう思っていたことに後悔はしていないけれど、十代のうちから、「変えたくない」と、思うほど、現状に満足できていれたら幸せなんちゃうかなあ、と、思う。
それは、憧れってやつやんね。
ほんで私は、いつ、どこにいても、何かに憧れてる。それってきっと性分。だから、本当に変えたいのか変えたくないのか、やっぱり、分からない。
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■エドワーディアン様式
エドワード7世の様式
■水滴
1 しずく。水のしたたり。「水滴がしたたる」「水滴がつく」
2 硯(すずり)に使う水を入れておく容器。水注。水差し。
(2017.06.27)
Posted by ブクログ
あ゛~~~~、すごい気になるところで終わった!!
気になるところで3話目が終わって、4話目は過去エピソードという……。
●星の糸
祖母の「着物を見ておいで」という遺言に従って京都に来た女性の話。
婚約者に裏切られた孫に、かつて似たような経験をした祖母と、祖父との馴れ初め。
捨てる神あれば拾う神あり。
●赤ずきんをさがして
母に捨てられた娘のエピソードと、それに自分を重ねる慧。
父とのわだかまりについて考え、鹿乃への想いに気付いて戸惑っている。
●雪花の約束
雪を降らせる雪華紋の着物の話。
雪で亡くなった婚約者への想いが詰まっていた。
そして、ついに鹿乃が慧に告白!
慧は気付いた自分の気持ちを胸の奥底に沈めて鍵をかけたのに、直後に鹿乃がパンドラの箱を開けてしまうという……ある意味とても不憫だ……。
このあと、二人の関係はどうなっていくのか。
●子犬と魔女のワルツ
良鷹が高校生、鹿乃が幼稚園児の時代のエピソード。
いつもながら良鷹目線の話は、結構深刻というか、オカルトミステリーの要素が強い。
Posted by ブクログ
シリーズ5作目。好きな男と縁のなかった女性、子を捨てて恋人の元に去った女性、雪の研究者だった夫を雪の事故で亡くした女性、そしてカサブランカが好きだった老女との思い出。それぞれが少し悲しく、人物の感情描写が胸を打つお話しでした。今回は鹿乃と慧の恋心の戸惑いと進展の巻。歳の離れた妹か娘のように成長を見守っていた少女が美しい女性に変化してく。よくある話なのに、慧の繊細で真面目な心情がやるせなく切ないです。ジリジリします。そして幼い頃の鹿乃の可愛さときたら!こんな年の離れた妹がいたら堪らんなぁ。
Posted by ブクログ
読後最初の感想は一言。「何この鬼切り!」
今回は三枚の着物の謎解き。どれも鹿乃ちゃんがあぶなげなく解いていくようになって頼もしい限り、ながら、今回の着物は三枚とも、心の中に残るしこりを思わせるものばかりだったような。
鹿乃を思う気持ちを自覚した慧は、鹿乃が大切すぎて壊せない、のに、鹿乃からの告白を受けて凍り付く、ところで終わってるのは何故ですか白川先生!
絶対に傷つけたくない、本当には女性としても想っているけど大事な大事な鹿乃ちゃんに想いを向けられたら慧は受け止めることができるのか、それとも荷物まとめて逃げるのか。まあ、鹿乃を泣かせて逃げるのを許す良鷹じゃないとは思う、けども。
Posted by ブクログ
おおお!
なんという所で終わるのか!鬼切り!
オレンジさんだから、結末はなんとなくわかるけど、しかし、悶々と悩んでる慧くんが、どうやって覚悟を決めるのかはすごく気になる。
自覚なく虜にしている鹿乃ちゃんは慧に対して一途だけど、幼い頃からずっと一緒の慧に対して、どう距離を縮めたらいいかわからず、そこに春野君に免疫ないのに真っ直ぐなアプローチを受けてドギマギ。
→お茶会にお菓子を焼いちゃったり、帰ったら悪いかなとか考えて戸惑う鹿乃にキュン。
鹿乃ちゃんを女性として見ることに罪悪感を持っちゃう慧の気持ちもちょっとわかる。。
慧は育ちもあって理性とか常識観念が強そうだもの。
でも父性だけで春野の家にまでは普通行けないぞ!
良鷹視点も好き。態度とは裏腹に妹がかわいくてしょうがないのが、めっちゃ伝わる。シスコーン。
星の糸…アリアドネ、ギリシャ神話
赤ずきんを探して…能、鬼女、紅葉狩り
Posted by ブクログ
想いを告げるということは、単純にはいかないことで。
とうとう鹿乃が想いを告げる。けれど、両片想いなのを知っている読者の願いとは裏腹に、なかなかすんなりハッピーエンドとは行かなくて。このもだえ感がやはりコバルト、とか思ってしまうけれども。
「星の糸」謎をきっかけに、変わり始めた自分たちの関係を見つめる鹿乃と慧。周囲はこんなにも応援モードなのにな。
「赤ずきんをさがして」母と子、父と子、それぞれの複雑な関係。タイトルは赤ずきんだけど、最後のリンゴのお菓子で誘う春野は、魔女か狼か、というところ。
「雪花の約束」春野が動いて、慧が動く。鹿乃が新たに取り組む謎は、父親の同僚と関わりがあった。鹿乃が大人になっていくということは、慧が覚悟する時も近いということ。傷つけたくないから、訊かなかったことも、訊けばよかったことがあったかもしれない。
「子犬と魔女のワルツ」定番になった良鷹の話。今回は、本編もあんな感じなので、兄としての良鷹、妹への思い。ぐうたらとか言われていますけど、これだからこのお兄さんは!