あらすじ
明治十年二月十七日、薩軍は鹿児島を出発、熊本城めざして進軍を開始する。それは西郷隆盛にとって妻子との永別の日となった。迎える熊本鎮台司令長官・谷干城は籠城を決意、援軍到着を待った。戦闘開始。「熊本城など青竹一本でたたき割る」勢いの薩軍に、綿密な作戦など存在しなかった。圧倒的な士気で城を攻めたてた。
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Posted by ブクログ
今回は大久保利通さんは、まったく出て来ず。
明治10年2月の西南戦争の状況が描かれていました。
つまり、青竹1本で落とせると思っていた熊本城を攻めて、高瀬で3回官軍と戦って「あれ?なんだか思っていたよりも苦戦じゃん!味方増えないじゃん!」って薩軍が思うところまで。
今のところ、官軍側で飛びぬけてダメダメなのが、乃木希典さん。
長州ってだけで地位を得た人で、やっぱり愚鈍でリーダーには向かない人物として描かれていました。
この巻の乃木さんは、若いとはいえ、命令されたことしかできない視野狭窄人間で、失敗すると後始末よりも前にすぐに死んでおわびをしようとする使えない困ったタイプね。
巻末に熊本の詳細な地形図がありました。
最後まで気がつかなかった!
最初からこれを見ながら読んでいくと話がわかりやすいよ。
しかし、西郷軍も無計画極まりないし、官軍は農民さんたちを鎮台兵として徴兵して、費用も結局は人民に全部押し付けだわで、苦しめているだけ。
今の財政界が明治政府の系統を汲んでいるから間違った歴史観をお役所に植え付けられているけれど、そもそも明治維新は成功していないよねぇ…。
明治維新後に構築され、内部分裂し、暴走した薩長土肥メンバーによる昭和の大きな敗戦を経て、後に戦勝国が敷いたレールを今は走っているだけなわけで…。
Posted by ブクログ
p.311
西郷一人の声望に無限にちかい価値を置き、それのみを政・戦略の代用としてきた
こんな筈じゃなかった感が出てきた薩摩。さあ、どーなりますかねー。