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Posted by ブクログ
小児癌で余命幾ばくもないハルくんのお話。
病名を伏せてなんとか辛い思いを避けてほしい両親、病名を告知して死の可能性を理解した上で残る人生を100%生き抜いてほしい担当医、そんな大人や患者仲間の子供に泣いてほしくなく、自らが嘘をつくことで悲しい思いをさせまいとするハルくん、どのキャラも優しさが故にその行動をしているが、そんなハルくんを冷たいようで優しく接する岸先生‥その裏には嘘を突き抜いたことで死の瞬間まで愛する人の病気を知らぬまま別れを迎えた同僚の過去が‥
手の施しようがない患者が入る個室に自らが入らないことで自分より小さい子に希望を持たせようとしたハルくん。10歳で果たしてそこまで他人に気遣うことができるのだろうか。一方でそれをわがままで最悪と言い切る岸先生。結局周りが泣くことで自分が嫌だから、と自分のことしか考えてない‥と確かにそうかもしれないな、と。ハルくん、治験を経てどれくらい生きれるんだろう‥珍しく長編のエピソードだったけど、とても考えさせられる話だった。
癌
今回は小児癌を扱ったお話。
やはり子供が治らない病と闘う話は辛い。
が、岸先生が居る以上、辛いばかりでもなく、癒し系?の所で吹き出しそうになったw
嘘がもたらす不幸
一部ご紹介します。
・「生きてて楽しかった。少なくとも悪くはなかった。彼にもそう思ってほしいんだよ」
・「噓をついても最後の瞬間には必ずバレるんですよ。そのことをずっと、後悔することになる」
・「嘘は人を不幸にするんだよ。親も医者も、みんなが君を助けようとしているのに、君は自分で遠くに追いやった。ひどいやつだな」
「うん。…ひどいね。みんなに謝らなきゃ」
・「本当に取り返しのつかないこと、そんなのこの世に一つしかない。最後に私は何もできなかった」
・「ハル君も嘘つきなんだよ。お父さんやお母さんに心配かけないようにとか、医者や看護師や同室の仲間にも、その瞬間、誰もが笑っていられるように、全部、自分の中に溜め込んで嘘つくんだよ」
「…そら悪人やな。二人そろいもそろって」
「…ごめん。…ごめん」
「…」
「…あかんよ、ごめんも言えへんくなったらどうするの?」
・「少しだけでも少なくしたかったんだよ。みんなが泣くのを」
「君は一人で泣いているのに?」
「…泣いてない」
「泣いてたじゃん、ずっと」