あらすじ
二百年の長い間、世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳。全7冊のうち第4冊。
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Posted by ブクログ
『1つの部屋が何故かわかりませんが、とても様子ありげに思われました。自然に悲しくなってくる』ここまでくるとモンテクリスト伯は復讐映画のプロデューサーであり、以降どのように人間崩壊を目の当たりにできるのか!以前殺人が行われたオートィユの旧サン・メラン邸で、モンテクリスト伯の復讐が始まった!ヴィルフォール夫妻、ダングラール夫妻、カルヴァカンティ父子、マクシミリヤン、シャトー・ルノー、ドブレーが一堂に会し、不倫、殺人、詐欺、借金。登場人物が抱える問題をモンテクリスト伯により無言・意図的に暴露していく。
Posted by ブクログ
とうとうモンテ・クリスト伯の復讐が始まった。まずはダングラールを落とし入れる。ヴィルフォールを震え上がらせたが、まさかこの程度では済むまい。
忘れた頃にカドルッスが現れたが、まだストーリーに絡んでくるのだろうか。
役者は揃い、先が気になる。
Posted by ブクログ
いよいよモンテ・クリスト伯の復讐の罠が、仇たちに投げかけられる。
ダングラールには高裁で大損をさせ、ヴィルフォールとダングラール夫人の昔の罪がいよいよ暴かれようとする。
そしていったん物語から姿を消したカドルッスが落ちぶれて復活。
人を殺してまで手に入れた宝石と大金はどうなったん?
とにかくモレル家の長男マクシミリヤンのことが大好きなモンテ・クリスト伯。
ところが彼は、モンテ…めんどくさいな、エドモン・ダンテスの敵であるヴィルフォールの娘と恋仲なのである。
意に染まぬ男と結婚させられそうな娘・ヴァランティーヌを救うため、モンテ・クリスト伯に助けをもとめようとするマクシミリヤンにヴァランティーヌは「私はそんなにいい人とは思わない」と言う。
そのわけは、「人の何倍も大金持ちなだけで両親に愛されていない孤独な私をかわいそうに思って下さらないから」
ええと…すっげえ鼻持ちならんやつだなあと思ってしまったのは貧乏人の僻みなのでしょうか。
もう少し謙虚ということを覚えた方がいいと思うわ。
しかし、彼女の持つ莫大な財産を狙う義理の母は、やけに毒物に興味津々で、それをまたダンテスが煽るものだから、これは死人も出そうな勢い。
ああ、怖い、怖い。
Posted by ブクログ
盛り沢山。モレル家を訪れ穏やかな気持ちから始まりつつ、復讐劇は多面的に始動。復讐に対するお金の使い方に執念の深さが現れている。ところでファリア司祭はこのお金の使い方で喜んでいるだろうかね?と思えるほど。『晩餐』でのダングラール夫人の恐れようったら……女性だろうが容赦しないね。
Posted by ブクログ
復讐譚4巻目。
未だ伯爵の復讐全容は見えない。本当に彼はあのエドモン・ダンテスなんだろうか。
ただ、エデや家令の背景とダンテスの背景に重なるところが出てきているので、何となくこれが全て繋がってくるんだろうな。どこまでが伯爵の手の内なのか。全てだとしたら、彼はもはや人間ではなく復讐の神としか思えなくなってくる。
Posted by ブクログ
全7巻を読んだうえでの感想です。
第4巻ではモンテ・クリスト伯とヴィルフォール夫人の毒物に関するやり取り、カヴァルカンティ少佐とアンドレアの登場、マクシミリアンとヴァランティーヌの秘めた恋、そしてオーティユの晩餐での出来事など、徐々にターゲットたちがダンテスの術中に嵌っていく様が描かれていますが、一番面白いのは信号機のくだりではないでしょうか。
当時はまだ電話が無い時代なので、情報の伝達に手旗信号のようなシステム(腕木通信というらしい)が採用されていたんですね。大がかりな伝言ゲームをやっているようなイメージでしょうか。
本書ではこれを「信号機」と呼んでいるのですね。これに目を付けたのはなかなか面白いと思いました。
本巻最終章のダングラールの怒りと夫人のヒステリーはまるで掛け合いのコントを見ているようで笑えました。
個人的にこういうノリは大好きです。
Posted by ブクログ
【概要・粗筋】
モンテ・クリスト伯を愛する美しいギリシャ女性・エデはオペラでアルベールの父・フェルナンを一目見て、自分の父を裏切った男であることに気づく。また、伯爵はヴィルフォールとダングラール夫人との間の子・ベネッドをパリに呼び寄せて、アンドレ・カヴァルカンティ子爵に仕立て上げる。このように伯爵の復讐の準備を着実に進めていく。
【感想】
物語も折り返し地点を過ぎて、ほとんど登場人物がパリに集まった。様々な思惑を抱いた登場人物がたくさん出てきて、錯綜し始めた。復讐を独力で成し遂げようとしている伯爵は、うまく制御できるのだろうか。
アニメとは違って原作はアルベールとユージェニィーが幼馴染みでも何でもなくて、婚約者なのに互いに嫌っているとわかり、少々残念。音楽を愛する美人という設定は同じだけど、髪の色が金髪ではなく黒髪だし。若者の爽やかな恋愛は、マクシミリアンとヴァランティーヌが担っているようだ。