あらすじ
王妃アン・ブーリン、その運命の日――
激動の1536年――
前王妃キャサリンの訃報が届いた半月後。
その呪いか宿命か、馬上槍試合で王は落馬、
待望の王子出産直前だったアン・ブーリンは流産をしてしまう。
焦った兄ジョージの失策も重なり、王の寵愛を失ったアンは
不貞の冤罪をかけられ、無情にも処刑を言い渡される。
“王妃は、まだ生きている”
託された手紙を読んだウィリアムは、必死に馬を駆け彼女の元へと急ぐ。
その時、残された一人娘エリザベスは――
そして物語は更なる混迷のはじまり……1539年へ!!
『あさひなぐ』のこざき亜衣先生の本格歴史マンガ!
主人公ウィリアム・セシルは、のびのびとした少年であったが、衣装担当宮内官である父に連れられてヘンリー8世が王として構える王宮に向かったことで、彼の人生を急激に変えることになる存在、未来の女王エリザベス1世に出会う。
無垢な少年セシルは、どのように女王エリザベス1世に仕えることになるのか。近世イングランドのドロドロな政治事情と人と人との関係性が丁寧に描かれている作品なので、歴史が好きな方はもちろん、歴史をこれから学びたい、興味がある!という方にもぴったりです!
現代にも通ずるところのある女性・男性それぞれに特有の生きづらさ、そして、それらに立ち向かうそれぞれの立場の勇気や強さ、したたかさが感じられ、どのキャラクターも魅力的に映ること間違いなし!
セシルの、そしてそれ以外の立場から見る「正しさ」。様々な「正しさ」に向き合い、激闘するセシルを見届けてみませんか?
感情タグBEST3
匿名
エリザベス女王単体では有名だけど、彼女がどうやって王位に着いたかはまったく知らなかった。4巻時点では全然希望ない、ハラハラする!
Posted by ブクログ
アン•ブーリンの最期から始まる巻。セシルが政治家を志し、少しづつ宮廷の中に入り、新たな出会いを通して成長していく。
クロムウェルとの師弟のような関係が特によく、別れのシーンは読むのが辛かった。
それだけに巻末のおまけページ「最後の審判待合室」は面白い。
刺さったセリフ
「私から何も奪わず、ただ与えようとしてくれたのはウィリアムだけだった。」(アン)
「今ようやくわかったの。これは、愛だわ」(アン)
「施しは必要だ。だが労働と対価こそ、貧しさを真に救うことだと私は考える。」(クロムウェル)
「生き延びろ。私のようにはなるな。お前の王を愛せ」(クロムウェル)
たぶんここまでで一番胸の痛いシーンが詰まった巻!
ある程度史実を把握していたとしても胸に突き刺さる。
登場人物達の想いを丁寧にドラマチックに描かれていて、心が苦しくなるけどアツく感動的。
普段あまり読み返すタイプでないのに何周もしてしまった。
既にめちゃくちゃ面白かったけど、ここから本格的にセシルと女王の物語が始まりそうで、更に期待。
Posted by ブクログ
視点人物のチョイスが良かったんだろうけど、ほぼ無知なイングランドの歴史を、とても興味深く、何より楽しく読める本作。登場人物の浮沈の激しさは、歴史ものの必然かもしれないけど、魅力的な人物の退場は、やっぱり切ないものがありますね。それは今後も続くのだろうけど、でも続きが楽しみ。