あらすじ
繰り返される王妃交代劇の行方は!?
1540年、6月――
政敵ノーフォーク公(トマス・ハワード)に陥れられ、失脚した稀代の政治家トマス・クロムウェル。
ウィリアム・セシルが師と仰ぐ彼の処刑が迫る中、
4番目の王妃アン・オブ・クレーフェは、王の愛人であるキャサリン・ハワードに、ある密約を持ちかける。
一方、6歳になったエリザベスは、幼くして王族に生まれた孤独を知っていた。
「俺に使わせてください。ヘンリー8世の娘として生まれた、あなたの運命を」
「俺はあなたの、もうひとつの魂〈スピリット〉になりたいのです」
血よりも、恋よりも濃い誓いを申し出たウィリアムに、エリザベスの答えとは!?
船頭を失い、混迷していく政治。
不信感を募らせ、暴走を始める王。
時代の荒波と周囲の思惑に翻弄されながらも、自らの道を見定めようとする女たちの姿を見届けよ―ー!!
『あさひなぐ』のこざき亜衣先生の本格歴史マンガ!
主人公ウィリアム・セシルは、のびのびとした少年であったが、衣装担当宮内官である父に連れられてヘンリー8世が王として構える王宮に向かったことで、彼の人生を急激に変えることになる存在、未来の女王エリザベス1世に出会う。
無垢な少年セシルは、どのように女王エリザベス1世に仕えることになるのか。近世イングランドのドロドロな政治事情と人と人との関係性が丁寧に描かれている作品なので、歴史が好きな方はもちろん、歴史をこれから学びたい、興味がある!という方にもぴったりです!
現代にも通ずるところのある女性・男性それぞれに特有の生きづらさ、そして、それらに立ち向かうそれぞれの立場の勇気や強さ、したたかさが感じられ、どのキャラクターも魅力的に映ること間違いなし!
セシルの、そしてそれ以外の立場から見る「正しさ」。様々な「正しさ」に向き合い、激闘するセシルを見届けてみませんか?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
エリザベスの義母が2回変わるこの巻。登場する女性たちが一人ひとり魅力的。4番目の王妃•アン・オブ・クレーフェがいう「ワタシの幸せ、ワタシにしかわからない。それでヨイのです」はある意味、ジェンダーが多様化している現代にも通じる感覚ではないか?子どもを産みたいという気持ちも、新しいドレスを作りまくりたいという欲も、その人の幸せはその人にしかわからない。
またセシルの師匠的存在でもあったクロムウェルが処刑される場面では最期までクロムウェルらしさが出ていてよかった。(そう怯えるな。処刑は初めてか。大事な場面では裏を読め。ここで失敗して私を久留島せれば国王陛下が喜ぶぞ。【ニッ】)
また、エリザベスはこの頃からもはやほかの2人の姉弟以上に王の風格を持っていると感じた。
「私は私のものだ。誰にも利用されたくない」、いくらセシルでもエリザベスは自分を利用した者[伯父のジョージとか]の末路を知っていればこそセシルをまもろうとしたのではないか。その一方で子どもらしい純粋さもあり、メアリを慕う姿に心が打たれた。「お姉様と同じやり方で祈ります。お父様にも言いません。エドワードのためにできることをしたいのです。」「愛しています。お姉様。祈り方が違っていてもエドワードを想う気持ちは同じです。」
年の近い義母であるキャサリン•ハワードとの会話シーンも姉妹っぽくていい感じだったのに(歴史上、事実は変えられないけど)キャサリンがロンドン塔へ収監されてしまうシーン。キャサリンがエリザベスに「ありがとう。My Queen」というシーンはキャサリンにはキャサリンの愛があってそれに殉じる決意を感じた。
「女はこんなに不自由で、無力なものか」
エリザベスの叫びがこれから彼女が女王になる過程でどう生き延びていくのか、こざき先生がどう描かれるのか楽しみ。
Posted by ブクログ
・トマス・クロムウェル処刑
・ロバート・ダドリー登場
・4番目の王妃アンとの婚約無効
・セシル、メアリ・チークと結婚
・5番目の王妃、不貞の罪で処刑が決定
匿名
哀しい
この時代はこうだったから仕方ないとは思っても権力者の横暴と政治に振り回され、
さらに女であるということも抵抗不可能な要因になって…
本人たちが実際どう考えていたかは推測するしかないけど、純愛を貫いていたのかな。
後世の人間の勝手な思いだけど、そうだといいな。
とりあえずヘンリーは最悪。