あらすじ
『信長の軍師』シリーズの著者が贈る、江戸を造った衝撃の捕物帳!
往生際は観念しな――成敗は鬼の如く慈悲は仏の如し!
家康が直々に初代北町奉行に任じた米津勘兵衛を描く、圧巻の“鬼勘”犯科帳!
北町奉行米津勘兵衛は、悪党の発想や行動をさらに知るため “鬼勘の目と耳”となる者を集め始める。そんな折、呉服問屋から三千両が奪われた。手口から時蔵一味の仕業と勘兵衛は睨むが、相変わらず素性は不明のままであった。
なぜ大金ばかりを続けざまに狙うのか? やがて、店から京訛りの女が消えたと知り、与力を京へ派遣するが――
悪を許さぬ執念の捕物帳。
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Posted by ブクログ
家康の存命の頃のお話。
年々巨大化する江戸という大都市。
市中も問題が多発している。
江戸支柱の安寧を任されたのが初代北町奉行、米津官兵衛である。
当時はたった15人で足軽上がりの道新たちが激務をこなしていた。
まだ火消し制度もなく、火付け盗賊改も存在しなかった頃。
やっと、味噌の他に醤油の素となる「たまり」が出回り始め、そばも、今のような蕎麦切りはなく蕎麦がきなどがあるだけだった。
そんな時代、人口とともに全国から男たちが江戸に集まり、食文化も誕生の時を迎えていた。
吉原の始まりもこのころ。
電光石火の米津官兵衛の働きぶりは、初期の奉行所というだけあって、まだまだ奉行以下の主従のまとまりも信頼感も濃密な時代。
実際にあった話を元にしているだけあって、フィクションも現実味があって面白い。