【感想・ネタバレ】初代北町奉行 米津勘兵衛〈五〉 臥月の竜のレビュー

あらすじ

家康が直々に初代北町奉行に任じた男を描く、江戸黎明期の驚嘆捕物帳!
大御所家康、死す!
遺志を胸に米津勘兵衛は岡っ引きを産む。

難攻不落の大阪城を丸裸にした幕府軍の凱旋で、異常な賑わいを見せる江戸に、真葛という盗賊が現れた。小判を奪っては和歌を残し、美男とも美女とも見紛う容姿らしい。
隙を衝かれた北町奉行・米津勘兵衛は、与力同心の下にご用聞きを誕生させ、捜査網の拡大を図る。
そんな折、駿府城の家康が逝去する。心痛の勘兵衛だが、大御所の願う江戸のため治安強化策を練る。

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Posted by ブクログ

江戸幕府創世記の奉行所を中心に当時の江戸の気風を伝えるシリーズも、早5巻目。
この頃にやっと目付けという武家を取り締まる機関を作るが、まだまだ人数が少なすぎて脆弱。

奉行所の少ない同心の下に岡っ引きのような人材を配置しようと試みる。
家康がまるで神のように扱われる伝説のような言い伝えはフィクションで、実は家康が江戸に入った当時応仁の乱以降、京都から移動した勢力が既に存在し、大きな城とは言わないまでも、関東の社会の一つとして存在していたことがわかる。

亡くなってしまった作家、浅黄斑さんは史実を丹念に研究し小説の中に現代ではどうなっているのかまで記述し、実に興味深い作風であったが、このシリーズも歴史の観点からも、実に興味深い作風になっている。

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2022年02月25日

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