あらすじ
霧島の内科治療案、国立のステントグラフト案に続き、いよいよ加藤が野口の治療プランをプレゼンする番がやってきた。だが、周囲の視線が集まる中で加藤が口にしたのは、人工血管置換手術という最も“普通の”方法。これには霧島や国立、そして当の野口までが内心鼻で笑う結果に…
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4度にわたりドラマ化された人気医療マンガ『医龍』!
教授に気に入られた者が出世する腐った封建社会と化した大学病院を変えるべく、教授選に出馬する加藤晶(かとうあきら)。しかし、女性の加藤では教授選での票の獲得は見込めない。
そこで教授選を勝ち抜くために天才外科医の朝田龍太郎(あさだりゅうたろう)を迎え入れ、大学病院の頂点を目指すが…。
この作品はとにかく登場人物たちにもの凄い魅力があります。
患者の事を第一に考え、圧倒的な技術で難しい手術を成功させていく朝田。医局内で自分が生き残ることしか考えていなかったが、朝田と出会い成長していく研修医の伊集院。大学病院の改革を目指し、女性初の教授を目指す加藤。
彼らバチスタメンバーが患者の命を救う為に奮闘する医療マンガとしての側面は勿論のこと、教授選を勝ち抜くために行われる心理戦や派閥争いといった人間ドラマも必見です!
感情タグBEST3
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・「息子じゃなく、患者の家族に見せられる手術をしろよ」
・「腕ってやつは、上がってると感じてなきゃダメなんだよ。維持してると思ってんなら、落ち始めてるってことだ。
酒と薬は止めろ。でなきゃ俺についてこれねえぞ」
・「俺が麻酔やると、きっとまた殺しちまうからよ」
・「このまま酒におぼれて死ぬのを待つ気か?」「それが悪いってのかよ?」
「言っておくが、君は酒では死ねないぞ。健康診断では健康そのものだ。
ロシア人なみのアルコール代謝能力があるようだよ。それとも、オーバードーズで死ぬのを待つのかな?
だが、自殺に逃げ込むのは君の本意ではあるまい。今のままでは、まさしく生き地獄だろう。
君はもう充分に苦しんだよ。そして、たぐいまれな麻酔技術で大勢の患者を救ってきた。
禊は終わったんだ。この国立笙一郎が認めてやる。よく頑張ったな。これからは何も考えず、私についてこい」
・「朝田と一緒に、見込みのない患者を幾人も助けることで、少し救われちゃったんじゃないんですか?
別に責めているんじゃないんですよ。あなたも私と同じ弱い人間だと言いたいだけです」
・「今、あなたの心の中には、二つの気持ちがあると思います。
麻酔科医として勝負に負けて、今さらチームに戻れないというちっぽけなプライド。
そして、もう一つは人として救われたいという心の悲鳴。
私はそのどちらも大切にしてあげたい。私にとっては、ちっぽけなものほど大切なんですよ。
弱い人間の気持ちは私にはよくわかる。恥じる必要はありません」
・「ひっそりと普通の生活を取り戻すべきです。人間にはそれくらいの救いはあってもいいはずだ。
自責の念は時間が解決してくれます。弱いということは悪じゃない」
・「どんな天才でも、おのれの技術以上に人は救えないけど、術式の進歩はそれを可能にする」
・「頼むよ。あいつを真っ白いままにしておきたいんだよ」
・「おそらく彼は、私たちの手術が失敗するとわかった時点で、わざと何らかのミスをするつもりだわ。
自分のミスで手術が失敗したと見せかけて、あなたを失敗の責任からかばいたいようね」
・(弱者は強者に盲目的に従いたがる。あるいは弱い者同士、傷をなめあうことで、さらに弱くなり安堵する)
荒瀬の弱さ
世界最高の麻酔科医バウマンの登場により挫折を味わう荒瀬に対して、国立、霧島、伊集院がそれぞれの立場か、今後の提案をします。
強さを求める国立の信念、弱さをズバリ見抜く霧島の不気味さ、荒瀬が嫌いそうな綺麗事でぶつかる伊集院と三者三様のアプローチが面白いです。